ミシン針の針先を研ぐ(その2)

2014年7月24日に、このタイトル「ミシン針の針先を研ぐ」で書いて、こんな記事誰も読まれないだろうと思っていたのですが、以外に検索から入ってくることが多く、今日は追加で毛皮用の針について書く事にしました。

一般的には、商品として完成している針を研ぐのは??と疑問に思うひとが多いと思います。しかし、検索ではよくこのタイトルに近い語句で入って来ていただいてます。

毛皮針の針先研ぎ方とその他、気になること

毛皮の針で、三角針という、先が三角に削られている針があります。毛皮の皮が硬い場合には、よく刺さって良い針です。しかし、この針で生地を刺すと、場合によっては生地を傷めます。それと、三角に削ってあるぶん、少しだけザラつきがあり、針先の三角部分は少しだけ、滑りがわるいことがあります。このザラつきが皮を切って刺さっていく大事な部分でもあり、しかし、この三角針の弱点でもあるのです。他のひとは違う考えをもつかもしれませんね。あくまでわたくし個人の意見です。

私は、この針を、写真のグラインダーのバフの部分で全面磨きます。先だけではありません。全体をさらに徹底的に磨きます。お尻の糸を通す穴のほうも、徹底して磨きます。一見、商品として仕上がっているように見えますが、実際は、まだ、全体にザラつきがあり、針の通りは完璧ではありません。

三角部分の針先部分も、三角のザラつきがなくなってしまいますが、それでも磨きます。必要なら、その後、ダイヤモンドヤスリで先だけ削ることもあります。しかし、ほとんどは、磨いたまま使っています。

針を磨いた結果で得られるもの

磨いたことで得られる結果は、いくつかあります。最大の効果は針の刺さりと刺して抜くまでの時間が数秒ですが、速くなります。何百回と刺す毛皮のまとめでは、ひと針の刺して抜くまでの時間がわずかでも短縮することは時間に大きく影響を与えます。さらに、最後のまとめで、裏地をすくっても生地を傷めることないのです。ですから最初から最後まで、この一本の針で作業ができます。

研ぐ際に、お尻の部分まで徹底的に磨く意味は、この時間短縮のためにしています。私は男ですので指の力はあるほうですが、一般的にまとめの作業をされていらっしゃる女性の方だと、最後のおしりの部分が、なかなか抜けず苦労します。それを助ける意味でも効果があります。

それと、もう一つ、毛皮の作業のなかで、場合によっては粘着テープを使う場合もあり、この粘着の糊が意外に針についてしまいベタベタになり、すくいづらくなりますが、徹底して磨くと粘着糊もなかなかつきません。これもかなりイライラすることなので、糊がつかないことでストレスなく作業ができます。

写真のグラインダーの下に写っているのは、以前はグリーンの青棒と呼ばれるものを使っていたのですが、これはグラインダーに多分付属してきたものだと思いますが、呼び方は解りません。しかし、効果は同じなので青棒を使っても大丈夫です。

ミシン針の針先を研ぐ

最後にもう一度、研ぎ方を説明します。徹底的にと書きましたが、針先の三角部分はやりすぎると丸くなってしまうので、ある程度磨いたら終わりにします。しかしそれ以外の部分は、ほんとに徹底的に磨いてください。適当に磨いたのと、本気で磨いたものの差は大きいですから。

それと、針先がかけても、ダイヤモンドヤスリか、水ペーパーの細かいので適当な三角に削れば、また使うことができます。先がかけて、ダメだと思わずに一度試してみてください。

グラインダーがないひとには、ここまで磨ききるのは難しいかもしれません。でも、この小さなタイプが一つあると、ナイフの刃も磨くことができますし、本気で仕事をやろうとする方ならば、一個くらい持っていても損はないかもしれません。

小さなバフをお持ちの方は是非お試しくださいませ。

長澤祐一

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