毛皮の褪色・変色(赤の褪色の証し)

Fur_passione_8_27_2014

今日は、何回か書いている毛皮の褪色について、もうひとつ書いてみます。以前から褪色は赤から始まると書いてありますが、今回の写真がそのいい例ですね。写真は一番褪色しやすい肩の部分です。

コートの色はイエローを少しくすませた色です。写真を見てもらえばわかりますが、ほとんど変化がありません。

その理由はイエローの構成色に赤がないからです。当社アトリエのHPににもグリーンの刺し毛ミンクのマントの写真がありますが、このマントもほとんど褪色しませんでした。やはりグリーンはイエローとブルーが構成色なので、赤が存在しなく、変色はしません。

あるとすれば、褪色、変色ではなく、少しずつ薄くなるという感じで色が飛んでいきます。そして一番、褪色、変色が進みやすいのは私の経験では、紫です。

紫は赤の比率が黄色や青に比べて倍くらい入っていますので、その赤が先に抜けていくと、島精機のPaintソフトで試すと解りますが、最初にグレーっぽくなり、さらに進むとくすんだモスグリーンのような色に変化していきます。

この法則でいうとグレーも当然、黄色、赤、青、構成割合が均等なので退色しやすい色ということが解りますね。このようにすべての染色してある毛皮が褪色するのではなく、その色によって違いがあるということです。

グリーン系のものをお持ちなら、汚れはつきますが、褪色にそう気をつかうことはないような気がします。但し、一方方向から直角に光があたった場合には、必ず色は変色はしませんが薄くなりますので、気を付けてください。

黒い裏地等で覆っておくのが一番、通気性にも光にも安心かと私は思います。一般の家庭では、なかなかここが一番良い環境といえる保管場所は少ないようなきがします。

長澤祐一

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