一昨日、業界で私の尊敬する一人である、取引先の社長に、ご来社いただきました。社長との初めて顔を合わせたのは、正確ではありませんが、おそらく14~5年前に出展した最後のアウターウェア東京という国際見本市でした。もちろんそれまでにも、仕事に必要なものをいろいろと仕入れをさせて頂いておりましたので、仕事上でのお付き合いはありました。
しかし、それまでは電話でお話をさせていただいていただけで、お会い出来たのは、その見本市が最初でした。それ以降、とても可愛がっていただき、これまでにも、ご来社していただき、いろいろなことを教えていただいたり、社長が気になった記事をFAXで送ってくださったりと、ことあるごとに気にかけて頂いております。
あの見本市のときに、社長に私たちのブースのテーブルに座っていただき、名刺交換をさせていただき、少しの時間でしたがお話させていただいたことを記憶しています。今のように、大切なお付き合いをさせていただけることになるとは思ってもおりませんでしたが、当時ひとつだけ私のなかに強く残るものがありました。
それは、当時のアップル社のチャッチコピーをテーブルの上に残してお帰りになられたことでした。社長がわざと忘れたのか、置いていったのか、それとも本当に忘れたのかは、社長本人には確かめてないのでわかりませんが、私はそのキャッチコピーに釘付けになったのを今も鮮明に覚えています。当時も今も毛皮業界にアップル社のキャッチコピーを持ってくるようなひとはおりませんから、とても驚きでした。
そして、そのコピーのなかに当時、自分の目指す何かがあったように感じ、会社の壁に貼ったりしていて大事にしてきました。もう軽く10年を越して紙も焼けて黄ばんで劣化してしまっていて、それでも配置換えの度に壁からはがし、都度捨てることなくずっと持っていました。
今は社長が時折、FAXで送ってくれる記事と一緒に大切にとってあります。社長が帰られ、頂いた記事を整理しているときに、久しぶりに目にすることができました。
私のなかで一度は大きな挫折もあり何かを目指すという強い気持ちも消えてしまったようなときもありましたが、久しぶりに読み返してみると、自分の中の思いはなにも変わっていないのだということを感じさせてくれました。
それと、もうひとつ感じたことは、当時の15年くらい前のアップルの状況を知っているひとは思い出して欲しいと思いますが、そんな当時にあのキャッチコピーを読み何人のひとが今のアップル社を想像できただろうかと思い、そして、そんななかでも自分の思いを信じて信念をもって頑張った人たちがいて、今のアップル社があるのだと思うと、この15年はアップルやマックユーザーにとっても、とても感慨深いものがあるのだろうという、そんな、いろんなことを思い、感じさせてくれる、ありがたい、A4のコピー紙に写ったアップル社のキャッチコピーでした。
余談ですか、私も昨年からマックを使っていて、デザインの素晴らしさ、このワクワク感は他のコンピュータでは味わうことが出来ません。
長澤