たった一回のこと

投稿間隔が短いですが、書けない時期が続いたので書けるときにはアップしておこうと思います。

昨年、ホームページをリニューアルしました。その時にどんなホームページにしようかととても迷ったのです。

自己紹介を載せることを家内が要望を出し、業者さんへ依頼したのです。

ところがです。業者さんがいうには、何か業界で賞をとったとかがあればと言われたのです。まっ、ここはすぐ誤解が解けたのですが、何か賞でもとらないと自己紹介も書けないものかと、その時には思ったのです。

そんなことはないはずです。自分なりの紹介コメントやページにすればよいはずです。特に自分を膨らませることもなにもなく当たり前のことを書けば良いはずです。

そう思いながらいろんなところを見てみました。以前から知っていたところも含めて再度確認をしたのです。

そんな中で良く目にしたのは内容は書きませんが、自分を大きく見せることばかりが羅列してあり、これでは逆効果では?と思うものが結構ありました。

自分をよく知ってもらうことは大事です。しかし、必要以上に大きく見せようとする記載がときどき見受けられました。

実は、私が昨年グーグルのリスティング広告を初めてやってみたのですが、その時にも、特に業者さんにクレームはつけませんでしたが、職人歴30年の技術者と謳われたのに冷や汗をかきました。

他のホームページでも職人歴45年だとか書いてあるところもたくさんあり、よくありがちなキャッチフレーズでした。

私達の仕事が業歴が長ければよい商品が作れるなら良いのですが、毛皮の業界にあっては業歴の長さと商品の良さとは比例しません。もちろん業歴で言えば40年くらいはやっているわけで、それでこんなものかと思うと、とても業歴の長さなど書けません。

以前、驚いたことがありますが、そこそこ有名なデザイナーさんが、某国内有名ブランドに在籍していたことを書いて、某国内有名ブランドさんから裁判を起こされ、結果は負けなかったようなのです。

しかし、負けなかったとは言え、事実を知れば結構恥ずかしい話です。某ブランドへ在籍していた期間は2~3ヵ月だったと聞きます。たかだか2ヵ月程度の在籍でそのことを自分の略歴として謳うのであれば、それじゃ訴えられても無理はないかな、、、とも思います。

ちなみにその某デザイナーさんが、私達と一緒に某有名百貨店の毛皮の展示会に出たことが一度ありました。そのたった一回出たことを会社業歴プロフィール欄に大きく書いてあるのです。

今日のタイトルの たった一回のこと というのは、このことです。

私のところなんか恥ずかしながら、某百貨店に20年在籍して辞めてから、やっとのことで業歴として記載させてもらったところです。これだって散々悩みました。

そんなことを知ると、そのデザイナーのホームページに記載してあるたくさんのことが、なんか薄っぺらく感じてしまいます。

ただ、知らないユーザーからみるとすごいな~ということになるのでしょうね。

しかし、そんなところに惹かれてしまうような方は、私達の顧客にはなりません。

よく、雑誌掲載記事もたくさん載せているところもありますね。

すべてがそうではないと信じたいですが、私もブログを始めたばかりの10年くらい前ですが、結構たくさんの取材の申し込みがありました。知っている人もいらっしゃると思いますが、その大半が取材といっても、お金を取って記事を掲載するというパターンが多く、そのなかにはそこそこの有名人がきて取材します。そのかわりお金がかかります、、、というのもあり、取材という名目の相手にとって都合のよいビジネスなのです。

私のところが他と同じようにやることは残念ながらありません。

そんなことをしたら、せっかくの商品力が薄っぺらくなってしまいます。必要なことは伝えますが、余計なことを伝えて商品の価値をわざわざ、落とそうとは思いません。

しかし、ぱっと見のインパクトというか、そんなものにもつい頼りたくなるというのも本音です。今現在はネット上でも、これまでにない本当の信頼関係を築けるようにと考え模索しています。

それにしても、ネットで商品や自分を表現するのは難しいと感じます。

長澤祐一