ネットでみかける最高級、最上級という言葉の陳腐さ

ここのところ投稿をさぼっていたので二日連続で投稿します。

高級、最高級、最上級、超レア等、ネットショップではよく見かける言葉です。見る度にまたかと思います。例にもれず毛皮のサイトも似たような言葉が出てきます。ネットの毛皮全部が高級品なら、普通のものはないことになり、逆に最高級品が全部なら最高級品と言われる特別な商品はないと書いているようなもので困ったものだと、いつも思ってしまいます。

もちろん、ちゃんとしたものもたまに見かけますが、これでオーダーなんかできるのかというような仮縫いトワルの写真や、仕上がったコートの画像をよく見かけます。話少しそれますが、仮縫いトワルを写真に撮るにしても使うボディが、これを使ってトワルの検品をするのか?というくらい酷いボディを使っていたり、ボディへトワルを正しく着せ付けるのは結構難しいのですが、こんな着せ付けで、裾が拝んでも逃げていても、どうでもいいのか?というような酷い写真を平気で載せる、これで仮縫いトワルの検品や最終で仕上がったコートの検品が出来るのだろうか?といつも思います。

何十年やってもオーダーは今でも私は難しいと感じます。しかし、お客様の側ではそれ以上に素人だからわからないという事態が生じます。業者を信用して、疑うことなくきっと綺麗に仕上ったのだろうと思い込み納得するという、微妙な空気がその場にいなくてもなんとなくわかります。それくらいいい加減なオーダーが多く見られます。

トワルもまともにボディに着せ付けることが出来ない、まともにアイロンもかけられない。検品するために必要なボディも持たない、そんな人達が仕上がってきたパターンやトワルをどうやって検品するのですか?

または仕上がってきた毛皮のコートをどうやって検品するのですか?確かにオーダーをやっていますとは言えますが、言えるのと出来るのは違います。パターンを何処かに依頼して、作る職人を探して、原皮を用意して、それで出来るというなら誰でもが業者としてオーダーが出来るということになります。でも、そんなに簡単ではないですよ。オーダーを極めるとなると。

あげくの果てに、こんな仕上がりの写真なら何故サイトやインスタグラムに出すのだろうというようなものが本当に多いです。私のところで仮に、そんなひどい仕上がりになって上ってきたら、絶対に画像なんか恥ずかしくてネットに出せません。出せるということは、その酷さが解ってないということの証ですから。

オーダーを完璧に仕上げるのは、そんなに甘くはありません。

こうやって書くと、一見、他人を批難しているように見えますが、実際には自分自身のオーダーやすべての仕事への厳しさ、難しさを自覚しているところです。

ごめんなさい。話が大きくそれました。

話を戻します。超何とか、最高級、超レア、もっとありますよね。パショーネオンラインショップの商品説明やニュースという記事がありますが、全部チェックしていませんが、多分、超とか最高級とかの言葉は使っていないはずです。

そんな言葉が要らないような商品と説明をしています。

だいたい、超レアとか書いてあるものでも、たいしてレアじゃないものがあったり、セーブルであればなんでも最高級とありますが、実際は食品と同じでピンキリがあったりする訳で、ものすごく幅が広いのが現実です。

超最高級なんて書いたら、自分のサイトがいかに陳腐かをわざわざPRしているようなものになります。楽天なんかのショップじゃよくありますが、例えばビッグブランドのホームページで、最高級なんて多分ですが、見ないですよね。超、、、なんてきっとありません。使えば使うほど安っぽくなりますから。

Googleの検索ロボットがこの陳腐な言葉をどう理解して、検索で拾われやすくなるのか、またはならないのかは私にはわかりませんが、仮に検索で引っ掛かりやすくなるとしても、超何とかとか、最高級なんて私は意地でも使いません。

丁度都合良く、それが差別化になると良いなくらいに思っています。  長澤祐一