ブラックグラマミンクのショートナップ

ミンクでもっとも価値があると言われているアメリカンミンクのなかで最高峰と言えば一般名称でブラックグラマミンクがあります。

これはダークミンクのなかで、さらに選びこまれたもので、その特徴は、ボリュームがあること、毛が柔らかく弾力があること、ダークのなかでも、さらに濃いこと、ショートナップであること、等が思い浮かびます。

一般的に誤解されがちなのが、ショートナップという意味です。文字本来の意味からいくと短い毛というのが正しいのでしょうが、本来の意味は違います。

アメリカンミンクの特徴といえるショートナップの本来の意味は、綿毛と刺し毛の差が少ないということです。

下記の画像にもありますが、一番上の白っぽいパールミンクは綿毛から飛び出している刺し毛が長いことが解りますね。真中のブラックグラマミンクは綿毛から飛び出している刺し毛の長さが、上のパールミンクよりも短いことがよく解ります。

ブラックグラマミンク A

毛の長さ全体を指してショートナップと言っているのではなく、あくまで綿毛から飛び出した長さが短いミンクをショートナップと呼んでいます。

メスのブラックグラマが、このショートナップを表現する意味で代表となるミンクだと私は思いますが、そのメスのブラックグラマの中にも一般的なショートナップとものすごく綺麗なショートナップがあり、それが一番下のミンクです。

もうこうなると、まるでプラクトミンクのように肌触りもなめらかで、並み毛で見たときに、刺し毛に光があたった、あのギラギラ感はまったくなく、並み毛(頭を上にしてみた状態)でみても、黒く沈み込むように深みがでます。

下の画像でその違いが少し解りますでしょうか?

ブラックグラマミンク B
右上の方が色がもともと濃いのです。ナチュラルでここまで濃いと本当に綺麗です。
頭の方から撮っていても、極端なショートナップは黒く沈んで見えますね。写真Bの左下のは少し赤味のあるブラックグラマミンクです。Aの写真で真中のミンクです。
この、ミンクの刺し毛は決して長いほうではないですが、それでも、少しギラつきがでます。

写真Bの右上のミンクのようにナチュラルで濃くショートナップのものは、その特徴がしっかりと表現されれば、感動に近い表情がでます。

様々な売り場で、ブラックグラマという表示があったり、販売員からブラックグラマと薦められることがありますが、そのときには是非、今回のことを思い出して、刺し毛の長さや色の濃さを比べてみてください。

ショートナップの意味は毛が短い・・・のではなく、綿毛と刺し毛の差が少ないことを意味しています。そして、ブラックグラマはまっ黒く強化してあっても、ナチュラルでもブラックグラマなのです。

次回は、その真っ黒にする強化について書いてみたいと思います。

長澤祐一

 

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