通常価格や参考価格、二重価格という疑問

オンラインショップをやるようになってからネットでの記載方法を注意深くみて、良く考えるようになりました。自分もネットでこれまでの百貨店時代を意識することなく自由に価格やサービス内容を記載できるようになったこともあるのですが。そんななかで、前回も最高級、、ということについて書きましたが、今日は価格について少し気になることがあったので書いてみます。

よく通常価格とか参考価格、それ以外にも似たような記載方法がありますね。その意味を簡単に説明すると、一般的にはこんなに高く売られています。それを私のショップでは、こんなに安く提供しています、、、というような意味合いで通常価格とか参考価格という言葉が使われているようです。

時々ですが、オンラインショップやオークションで見かけます。

しかしです。一般的にはそれで通用するのかもしれませんが、私はすごく疑問に思うことがあります。参考価格の比較対象が同じオンラインショップであればいいのです。しかし、フォローやアフターの内容が明らかに違うものと比較して、うちは安いよと言うのは疑問に感じます。

通常価格とか参考価格をどこから持ってきたかということがありますが、一般的には百貨店価格や一般的な小売店価格だと思います。

例えば、百貨店で販売した経験があるといっても平場やポップアップショップでしか出店の経験がないところと毛皮でいえば、正式な毛皮サロンに常設していたのとでは、顧客対応から始まってフォローする範囲がかなり大きく違います。私達も某百貨店毛皮サロンに20年近く在籍してきましたが、ここまでやるか?というくらいに過去には顧客対応をしてきました。そんなところのしっかりとコストのかかった価格を参考価格として使い、たいしたフォローもアフターもせず、何か問題がない限り、ほぼ売りっぱなしで店頭実物確認のためのショップも持たないで、現物が届き確認し安心できるまでの、全てのリスクをお客様側に持たせておいて、オンラインショップの価格を百貨店の店頭価格などと比較して、私の商品は安いでしょうというように参考価格という言葉を使うのはフェアではありません。販売における商材の保証、または、その後のフォローの内容は確実に違うのですから、ネットの価格と一般小売の価格を比較することなんかできません。

 

そんな意味でも、参考価格という表示を使うのは私は好きではありませんし、パショーネオンラインショップでも、そんな価格表示は一切していません。価格はあくまで一つですから。そして、その一つの価格に、どれだけの品質とサービスを提供し、価格の満足感が出せるかです。

先日もお客様に教えてもらったサイトに定価とあって実際の価格はすごく安いのですが、定価が今時あり得ない価格が記載してありました。一言付け加えますが、今現在の原皮の価格から実売価格で2000万なんてものはありません。2000万が200万で売られることなんかないのです。

それでも、いまだにそんな馬鹿げた価格が提示されていたり参考価格と称して倍以上の価格付けて、それを半分以下で売ります、、、というような自分だけに都合の良い価格表示構造で差別化するのはパショーネのオンラインショップではあり得ません。ただし、これまでの既存のお客様で購入金額の総額がとても大きいお客様もいらっしゃいますので、当然、フォローの内容は大きく変わることになりますが、それでも現在は、初回にお買い上げのお客様や、お直し、またはクリーニング等でお付き合いが始まったお客様にも出来る限りのフォローはいたします。百貨店時代は本当に売上予算、顧客対応、新作発表、その他諸々があり時間に追われる日々でしたが、今はようやく、時間にゆとりが出来、これまで出来なかった百貨店以外のお客様にも細かな顧客対応が出来るようになりました。このブログや、元々個人的にお付き合いのあったお客様には、これまで十分に出来なかったことをお詫びいたします。

 

今日は、そんなことで通常価格や参考価格という言葉をテーマに書いてみました。これは私の考えであり法的なことは分かりません。しかし、これは安いと、常に誤解を与えるような表示は微妙だと考えます。  長澤祐一