古い商品または、高い商品の見分け方
今日はこのタイトルで書いてみます。文字数はきっと短いですが、シリーズとして書いていければと思っています。
先日、ネットで、うわっ!ずい分高いな!と思って、よく画像を見ました。裏地と毛皮の境目、いわゆる裏地をまつっている部分のところなのですが、パイピング仕立てというのが20年以上前に一時流行りましたが、そのパイピング仕立てになっていたのです。飾りっぽく仕上げる意味で効果があったためでしょう。
それ以前は三角に折った生地を重ねて繋げたものを後襟ぐりに付けて見たり、ルーシングという飾りを毛皮と裏地の境目全体に付けてみたり、さらには裏地の裾に刺繍のはいったものを使って高級感をだしたりと、いろんなことをしていました。毛皮が分からない国内のお客様に高そうに見せるためにやられていたのです。私は、最初から商品には自信があったことと、当時から軽く柔らかく仕上げることを目指していましたので30年前でもそんな仕様にすることはありませんでした。今現在では業界全体でも、ほとんど見ることはなくなりました。
話それましたが、今日のパイピング仕立てとは、同素材の裏地をバイアスにカットしてそれを半分に折り、バイアスであることの伸び縮みする自由さを生かして、コートの裏地を取り付ける部分に一周取り付けて、その丸く折られたパイピングの端3mmくらいを残して裏地をまつりつけることで、裏地をまつるのに毛が邪魔にならず簡単であったり、裏地の端がパイピングしたように見えたりすることで高級感が出た感じがするので、一時流行ったことがあったのです。100%ではないですが、このパイピング仕立てで作られているとしたら、ほぼ、10~20年以上前のものだろうと疑ってかかってもいいでしょう。画像があればいいのですが、当然うちには、そんな商品はなく、ネットで見た画像は掲載できませんので画像は許してください。
先日見たそのコートも新品で当然出ている訳ですが、そのパイピング仕立てがされていました。かなり高額でしたが。こんなものこんなにするか!と思いましたが私がどうすることも出来ませんので、ここに少しだけでも被害にあわないようブログにしてみました。
パイピング仕立ては海外、特に中国のものにも以前はたくさんありましたが、今はほとんど見ることがありません。ネットで購入される方は、どうしても現品を見ることが難しく、不安なまま購入されることになるのですが、少しでも知識があれば、業者の嘘やからくりを見抜くか、見抜けないまでも少しでも警戒、または疑問を持つことができ、業者に問い合わせしてみることが出来るはずです。そこで、いい加減な回答がくれば怪しいことが、おおよそですがわかります。残念なことですが、まともに、丁寧な回答をできる業者さんは少ないはずです。
毛皮コートも大量に過去に作られたものが売れ残り、たくさん在庫として世界中にあるはずです。そして、その在庫の古い商品をリメイクして新品で小物として出てくるものも、なかにはあると思われます。不安を煽るわけではありませんが、やはり気をつける必要があります。宝石以上に、素材や作り方が曖昧でわかりずらい分、そこにつけこんで、いい加減な業者さんも多いというか、、、というよりも知らないショップオーナーもいらっしゃるのでしょうね。ご自身が、仕入れ業者に騙されているという可能性もあるかもしれません。困ったものです。
また次回、超古いものの見分け方がありましたら、またここに記載いたします。今日は短いですがこれで終わります。 長澤祐一