今日は珍しく二個投稿します。
精製水(純水)というものがあります。
以前インスタグラムでロシアの技術者とやり取りしていて、毛皮加工に使う水を蒸留水を使っていると教えられました。
国内技術者では、おそらくですがそんなことをしているところはないと思います。
私もさすがにそこまでは気付きませんでした。
どんな意味があるのかは彼は言いませんでしたが、決して間違っているとは思えません。そんなこともあって現在は、自分も使ってみています。結果はまだわかりません。というよりもずっとわからないのかも知れません。
しかし、それでいいと思っています。
最近、直本さんの蒸気アイロンの水に純水を使っています。それとは別のボイラーにも純水を使ってみています。結果は出ていませんが、純水を使うことで機械の中に長期使用で貯まるカルキが少なくなることを考えれば機械にもいいし長持ちもするはずです。
このするはずが、実は大事だと考えます。実際に結果をみることは何十年も使いその結果でしか見れませんが、想像をしてこうあるべきだという理屈に従うことは毛皮の技術にもよくあることです。
このような、きっとこうすれば、これを使えばよいはずだということの積み重ねでしか結果は得られません。
今回の毛皮に純水を使うというロシアの彼の考えも、理屈ではなく感覚できっと蒸留水が良いだろうと考えたのかもしれません。彼も自分で考えるタイプです。他のロシアの技術者から教えられることは少ないですが、彼はロシアでは特別に繊細な気がします。
話戻しますが、純水がいいとははっきりとは言えません。ただし不純物がないということは皮にとっても水を使う際に、カルキだったりなにがしかの不純物が皮に入り、それによって酸化が進んだり劣化がしないとも言えません。
結局のところ、こんなことの積み重ねを何重にもしていくことと、その結果を頭のなかで想像して、それを繰り返すしかないのです。そしてその結果が時々ですが、オッと驚くような結果が出ることがあります。気が長いですが偶然に出くわすまでやるしかありません。そしてその偶然の結果を見逃さなくするには、自分が継続してやり続けていることのひとつひとつを忘れずにいることです。
最近、インスタグラムのDMにドイツの方からメッセージが届きました。ちゃんと日本語に訳してくれてです。
こんにちは。
最近、毛皮職人として独立したのですが、以前から書き込みで素晴らしい感動を与えていただいたので、お礼を申し上げようと思っていたのです
以前の記事で、私と同じフランス製のクリーニングドラムを使用しているのを見ました。最近、中古でこの機械を購入したのですが、使用する上でいくつか質問があり、残念ながらもうこの場で誰も答えることができないのです。
質問を送ってもいいですか?何枚か写真を撮ったのですが、残念ながらInstagramのメッセージに添付することができません。メールでのお問い合わせは可能でしょうか?
ありがとうございました!よろしくお願いします。
Jan Rich・・・・・ (Germany)
こんな感じです。インスタグラムでは、このブログほどたくさんのことは書いていませんが、それでも読んでくれてメッセージをいただくことがよくあります。ドイツは昔は毛皮の大国でしたが、今は国内で毛皮を着てはいけないようにも知人からは聞きます。そんななかで毛皮を始めようとするひとがいるようです。
何かしらのお役に立てればいいのですが。
国内にもそんな方がどこかにいるのかもしれません。以前は某百貨店毛皮サロンに常設していて、いろいろと出来ないこともありましたが、今は何も気にせずに何処の誰とでもお会いすることも時間も使えます。
私で解ることがあれば、いつでも質問をお受けいたします。たいしたことが出来るわけではありませんが、国内にもどこかに、上のドイツの方のようなひとがいるかもしれません。技術者としてアトリエに来ていただくこともOKです。
最後はテーマと違ってしまいました。ごめんなさい。 長澤祐一