毛皮用ミシンのテクニック 

2015年5月2日付けの当ブログ記事“フォックス (FOX) のボリューム感を減らすテクニック”の最後に書いた『パショーネコンセプトのなかに”あたりまえのことをあたりまえにこなす とあります。口でテクニックを語るひとはたくさんいますが、実際に正確に縫える人はひと握りだということも最後に付け加えておきたいところです』の箇所が少し誤解を招きそうな気がしましたので、”毛皮用ミシンのテクニック”の観点から補足を書いてみようと思います。

毛皮用ミシンのテクニック

毛皮用のミシンのテクニックというと、スピードとかを競うような部分もあり早く縫えるひとが優秀と、とられがちなところがありますが、実際にはスピードはさほど問題ではないと私は思います。 (さらに…)

PFAFF 3560でセーブルをレットアウト

今日は以前、紹介いたしましたがPFAFF 3560というミシンでセーブルを縫う動画をご紹介いたします。ビデオはワンクールだけで短いですが、多分ヘビーシルバリーセーブルを縫ったときのものだと思います。シーズン中で急いでいて、一瞬だけ撮ったのだと思います。

この動画はセーブルの皮の薄さと縫いの薄さを知ってもらうために、縫っている部分に近づけて撮っていますので、手ブレが少し起きています。でも、縫い目はしっかり見れますので是非ご覧ください。

PFAFF 3560でセーブルをレットアウトする

30年以上前に多分、当時の西ドイツで作られたこの大きなミシンは、当時、日本で大流行していたミンクのコートのレットアウトをするために作られました。私が独立する前にも当時代理店をやっていたところに来てもらい、縫いのサンプルなどをみせていただき、ちゃんと調整すれば縫えるのだろうと確信していました。 (さらに…)

パステルカラー付属の染色

今日は毛皮に使う止め具の一部について書いてみます。当社では、12年くらい前からミンクやセーブルを染色して薄いパステルカラーに染めておりました。(最近、一般の市場やブランド品(毛皮のブランド)でも、よく見かけられます)

意外に困るのが市販されている毛皮用付属のなかに、薄いパステルカラーなどは、まったく見つからないことです。毛皮の留め具の中に、本来は商品名なのですが、一般名称となってしまっているものがあります。ケスカという留め具です。製造国名はドイツとかフランスとかだと思います。

これは、私のところでも以前は使っていましたが、重さが結構あます。ご年配の方のコートなどでは意外に、寒いからとおっしゃられて裾に近いところまで増設される場合があり、そすなると場合によっては5個くらい使うことがありますので、コート重量に少し影響を与えるときがあります。 (さらに…)

フォックス (FOX) のボリューム感を減らすテクニック

今日は久しぶりに毛皮のテクニック的なことを書いてみます。以前、当ブログのシルバーFOXマフラー(Silver Fox) でも書きましたが、わたしが書いた記事ではないのでテクニック的なことがあまり書かれておりません。今回、少し書いてみようと思います。

フォックスのボリューム感

フォックスは見たとおり、毛も長く毛皮のなかでも、最もボリューム感のある素材です。そのため、エリなどはフルスキンで使う場合が多いですが、コート全体になると、ボリュームが出すぎてしまい、以外に綺麗に見えないことがあります。

そのボリューム感を減らすテクニックはたくさんあり、例えば直線で縦にレザーを挟んだり、横にレザーを挟んだり、Vにカットしてレザーをはさみこんだりしてボリューム感を落とすテクニックが一般的ですね。商品でもそのようなものは、よく見かけます。 (さらに…)

ワンダーシェア(Wondershare)スーパーメディア変換

今日はドロップボックスプロを使ってみて感じた、「動画圧縮・変換の必要性」について書いてみようとおもいます。

動画圧縮・変換の必要性

ドロップボックスにアップするということは前回も同期中はPCが重たくなることを書きましたが、やはりファイルの容量が大きくなればなるほど、同期の時間がかかり、動画で1ギガを超えるものなどはどうしても、アップするのに時間がかかります。

それで、これまではフリーソフトを使用して圧縮または動画画像サイズを小さくしてきました。当社で使っているビデオは以前当ブログの「毛皮の作り方のポイントを動画化」でご紹介した”キヤノン iVIS HF R42″というビデオですが、これは設定により解像度がそう大きくならないので、長時間、撮らない限りは圧縮の必要はありませんでした。

最近、簡単に瞬時に使えることから、iPhoneで仮縫いやマニュアルを撮る場面があり、iPhoneの動画サイズは綺麗なのですが、マニュアルや仮縫い動画としてドロップボックスに保存するには解像度が大きすぎて困っていました。

しかし、フリーソフトでは変換するファイル形式や動画の画像サイズを小さくするのに丁度良いサイズや形式が選べずに、画像が縦長になってしまったりして困っていたのですが、そんな時に見つけたのがこのソフトでした。

ワンダーシェア(Wondershare)スーパーメディア変換

このワンダーシェア(Wondershare)はこれまで使ってきたフリーソフトに比べると、詳細設定で細かくいろんなものが選べ、さらに縦横の動画画面サイズも細かく選べ、しかも変換スピードがこれまでのフリーソフトよりも、かなり早いのです。いつも私はPCのスピード = 仕事の効率アップ と考えていて、毎回撮ったマニュアルや仮縫い動画をストレスなく変換しドロップボックスにアップすることができるこのWondershare スーパーメディア変換!というソフトは、とても重宝しています。

価格は8280円で、お手軽な価格だとおもいます。ただし、製品登録するのに、文字数が多すぎて入力ミスを起こしてしまいました。ここは、初めて購入されるかたは、登録時、注意してください。老眼の私は二度も入力ミスしてしまいましたから。

使い方は、特に難しい設定をしない限り簡単でした。ファイル形式もiPhoneやマックで見れるMOVやMP4もあり、iPhoneで撮る動画もMP4であれば、画面サイズがたくさん選ぶことができ、解像度1920 × 1080 を 240 × 160 に変換すると約1/20くらいになってしまいます。

240 ×1 60 はかなり小さいので、ここまでしなくとも十分に小さくなりドロップボックスの使用容量を減らすことや同期の時間をかなり削減できるので私はとても助かっています。私のところのデータの半分以上は動画データなので500 ギガ以上あるデータも3割くらいは減らせそうなのです。

ワンダーシェア スーパーメディア変換!(Windows版)

私も、このへんのソフトは素人なので、以前、キヤノンの営業さんにも聞いたことがありますが、残念ながら実際に使ったことのある人じゃないと本当の情報が得られませんでした。意外にみなさん、素人同様のレベルなのです。ワンダーシェア(Wondershare) スーパーメディア変換!私はとてもいいソフトだと思います。

もちろん、これよりも良いプロ向けのソフトもあるのかもしれませんが、マニュアルや仮縫いなどの圧縮変換をお手軽な価格で出来、その後のバージョンアップも無料なのです。私の用途にはとても良いソフトだと思って使っています。

長澤祐一

 

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パショーネのアトリエ設備

今日は先日、久しぶりにパショーネのアトリエ一階の掃除・片付けをしたので、写真にして初めて公開しようとおもいます。興味のある方は見てください。興味がないひとにはまったく面白くない今日のブログです(汗)。

お客様にもあまり見せることがない、この一階には、二階アトリエで設置できないものが置いてあります。

パショーネのアトリエ設備

下の画像の左端のキャメル色の扉のついている大きな四角い形をしているものが(半分しか写っていませんが)乾燥機です。90c × 180c の板が ゆとりを持って6枚は入ります。しかし、今は全部入れることはありません。 その右隣、写真中央の白いテーブルにブルーの色をしている機械が回転アイロンです。ローリングアイロンとも呼ばれているようですね。多分、イタリア製だと思います。 (さらに…)

島精機 SDS-ONEの問題点(その二)

以前、島精機 SDS-ONEの問題点という記事を書きましたが、このタイトルと同じ語句で検索されて、このブロクに入ってきてくださる方がたくさんいらっしゃいます。そんなこともあり、少し追記をしてみようと思います。

当時10年以上前のことですが、島精機SDS-ONEを購入時にはこの業務用コンピュータの性能と価格の安さに驚きました。私は東レのCADを解約して、このSDS-ONEに乗り換えたわけですが、今でも、これから書く事以外のアフターやフォローについては、申し分がないのです。誤解のないよう読んでください。

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10年前の島精機 SDS-ONEの現在の状態

ただ、ひとつ辛いのは、これだけPCの性能が上がった時代でも、10年前のPCを使って作業をしなければならないという不便さがあります。 (さらに…)

Dropbox プロ(個人ユーザー向け)の使い勝手

先日、Dropbox(ドロップボックス)をプロ(個人ユーザー向け)にアップグレードしてみました。今日はDropbox プロ(個人ユーザー向け)の使い勝手(感想)を書いてみます。

Dropbox プロの価格は驚異的に安いのです。1TBで 年間9,800円でした。

以前AUの法人契約のなかでサーバー的なものを借りて、使い勝手が悪く、まったく使えないまま解約し、さらに最近グーグルアップスという、やはりクラウド型のものを契約して使おうと思いましたが、エクセルがスプレットシート形式じゃないと開けないとか、iPhoneで動画がフォーマットが違うとか出てきて見れなかったりとかで、一年契約したものが、まったく使えずに困っていました。 (さらに…)

毛皮用のクリーニングドラムについて

ご無沙汰しています。本日からまたブログ投稿を再開いたします。昨年9月に少し書いて、その後、2015年11月の更新が最後になっていました。

最初は、もっとしっかり更新しようと思っていましたが、お客様の受注を遅らせながら更新するわけには行かず、ずっと更新できずにいました。まだ、新規受注以外に難しい仕事が数点残っているなかでの更新ですが、今日はそのお客様達にも少しお伝えする意味でも更新をしようと思いました。

私とところでは、オーダーであれリフォームであれ、毛と皮の状態を最高の状態にするということに差はなく、どちらも徹底して自分の納得のいくところまでやらさせていただいております。それを知っているお客様もいらっしゃれば、知らないお客様もいらっしゃる訳で、しかし、知っていようといまいと、毛質と皮の状態についてはとことんやらせていただいております。 (さらに…)

毛皮の日 2014のお詫び

昨日は、毛皮の日(日本毛皮協会が定めた)でした。そして、なぜか私の誕生日でもあったのです。

納品をたくさん抱えたこの時期にブログを更新するのは、お待たせしているお客様にも申し訳なく思い、書けずにいますが、今日だけ、しばらくぶりに書いてみようと思います。

昨日は家内も仕事から帰ってくるのが遅く、三越から買ってきてくれたお惣菜で、ほんとにささやかな誕生会です。毎年この時期は、ほんとに気が狂うほど忙しく、わずかな時間で乾杯をし家内がバースデーソングを唄ってくれるのです。

一昨年くらいからアコースティックギターを少しずつ弾き始め、昨年フォルヒというメーカーのギターを二本買いました。普段エレキギターを弾いていた私には、アコギでソロギターのように弾くことはとても難しいことで、密かに練習していたのです。もちろん、わずかな時間の中でです。

そして、いつか家内か私かの誕生日にはアコギでソロギターを家内に披露しようと密かに思っていたのです。しかし、今年の私の誕生日にも、それは実現しませんでした。次は、来年の5月の家内の誕生日に弾いてあげれるよう練習してみようと思います。

しかし、家内に披露するといっても、ほどんど、毎日私の練習する曲は、きっと飽きるほど耳にしている家内ですので、披露といえるかどうかわかりませんが、ギターを弾いていて一曲もギター一本で聴かせるものがないのも寂しいので、なんとか、いつかどこかの二人の誕生日のなかで、それが実現すればと願っています。

まだ、まともに、弾けるようになったのは一曲くらいしかありません。もう少しレパートリーを増やしたいのですが、わずかな寝る前の時間のなかではなかなか進みません。

それから一番大事なことをもうひとつ、今、たくさんの受注を抱えています。

なかには三年も待っていただいているヘビーシルバリーのコートのお客様、そして、昨年4月に受けたシェアードミンクのお客様・・。

新たに今年、受けた受注のたくさんのお客様、アトリエの技術を頼っていただき、わざわざ二本松市から川越のこのアトリエにベントレーで来ていただいたお客様・・。

母の毛皮を柔らかくできないだろうか、またはご主人のお母様の形見でいただいたコートがカビや匂いがついてしまい、とれないだろうか??とご依頼いただいたお客様・・。

ミンクを何度もお断りしたシェアードにリメイクしたいとおっしゃられたお客様、色焼けしてしまった、大切なアーミンのコートをリメイクしたいというお客様、他では受けてくれないといわれたチンチラのリメイク・・。

それ以外にも、ほんとにたくさんの依頼が溜まっていて、とにかくお時間をかけなければできないものばかりで、ここにあげたような特殊なものは、ほんとにたくさんの時間を頂いており、この場を借りて、たくさんの迷惑をかけているお客様にお詫びしようと今日だけブログを書くことにいたしました。

丸、二年も三年も待っていただいているもの、以外にも当然、新規受注は受けているわけで、結果としては、お待たせしているお客様を飛び越えて新規受注をこなしているのも事実であり、ほんとうに申し訳なく思っています。

その遅れる理由は多々あり、原皮にこだわれば、一年待っても手に入らないものもあったり、軽く仕上げるために一年かけて、それ用の原皮を調達したり、、、と、お待ちいただくための理由があり、毛皮が一生モノと言えなくなった今の時代に、”一生モノ”と拘った作りを考えれば私の作る以外の時間もかかります。

さらには、リフォームでも、毛よりも大事な皮の部分をなんとか再生して差し上げようと思うと、あれも、これもと、コストなどどこかえ行ってしまい、とことん、リスクを承知でトライするとなると、どうしても落ち着いて時間をかけるしかなく、結果、特に問題のない受注品が先に仕上がってしまうという事態が生まれてしまいます。

毎年、新しい技術を生み出したり発見したりすれば、難題に向かうときには、あれやこれやと手を尽くし、技術の進歩の結果、やれることが多くなり、ひとつの技術で解決しなければ、次の技術でトライして、それを繰り返すというように、使える技術が増えるほど、トライする時間が増えるという事態が生まれ、たくさんお待たせしてしまうという結果になってしまっています。

お待ちいただいているお客様には、待っていて良かったと思っていただけるよう、期待を裏切らない仕上がりにしようと思います。

どうか、いましばらく時間をいただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。

次回更新は来年、今抱えている依頼が終わったら、またブログを書こうと思います。
ヘビーシルバリーや20年以上前のチンチラをフヤフヤにしたものなと、たくさんの動画でお見せ致します。

長澤祐一

 

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