毛皮の作り方のポイントを動画化

IMG_1111弊社アトリエでは、一年に数回しかやらないという仕事がたくさんあります。すべての作り方を記憶するというのには、とても難い情報量です。そんなことで、20年前くらいから作り方のポイント等を動画化しておくようになりました。

しばらくぶりにやる仕事はだいたい、最初は思い出しながら、最後のほうでやっと思い出し、あ~~~前回もこうやったよな~~とかになるのが一般的です。

これによって、車でいえば、久しぶりにやる仕事は、ローギアから入って、セカンド、トップっというように徐々に、思い出しながら作業スピードが上がっていきますが、動画化してあると、スタートもセカンドギヤからのスタートが出来ます。

それ以前は紙やPCに記録し、テキストや画像でマニュアル化していましたが、意外に画像でも理解が遅い場合が多いのです。

動画の場合は、一気に情報が入ってきますので、とても助かります。今でこそ、動画は当たり前ですが、当社では20年前からやっていて、島精機SDSONEを買ったときにも、HELPを動画でマニュアル化したら、、、と提案したのを覚えています。 (さらに…)

メンター(Mentor)

メンター(Mentor)の意味をGoogleで調べてみたら『「良き指導者」「優れた助言者」「恩師」の意。自分自身の仕事やキャリアの手本となり、助言・指導をしてくれる人材のこと・・』とありました。

先日、私のメンターである敬愛する某企業の社長に来社頂きました。

老舗とは?その強みとは?
守らなければならないことは?
企業のほんとうの強みとは?

そして、経営哲学につながる様々な事柄・・等等、多岐にわたり、貴重なお話をたくさん伺うことが出来ました。

拝聴している時に、25年くらい前にアントレプレナーカレッジで学んでいた頃を思い出していました。 (さらに…)

ロシアンブロードテールと島精機PGM(CAD)

ロシアンブロードテールという素材を接ぎ合せる作業について書いてみます。まずは下の写真を見て下さい。

1 パターン

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2 ロシブロの縫い

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3 袖の縫い上がり

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4 袖の仕上がり

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通称ロシブロと言われるこのロシアンブロードテール素材は、附に特徴があります。その附を利用して、原皮を接いでいくのですが、一般的には、手縫いの一着分になったプレートとして売られています。 (さらに…)

毛皮の仕上げ(ボリューム感を出すもうひとつの方法)

毛皮の仕上げの工程で、ミンクを例にとるとボリューム感を出すのに、いくつかの方法があります。

ひとつは、2012年8月6日付けの当ブログで書いたもっとも簡単にできる、スチームをかけて綿毛の根元のほうを縮れさせ方法です。

毛のボリューム感 http://wp.me/p2t2t1-7f

もうひとつは、あまり一般的ではありませんが、コラーゲンを使った方法です。毛をしっかりさせボリューム感をだすことに効果があるかもしれないと聞き、とにかく試してみようと思い、材料(コラーゲン)を仕入れて使ってみました。 (さらに…)

毛皮のプロの落とし穴(ミンクの毛の長さ)

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上の写真はパールミンクです。一般的にミンクはアメリカもののショートナップが良い、または高級・・とされています。最近ではデンマークのものもショートナップタイプが増えてきました。私たちもずっとそう思いながらミンクを扱ってきていました。

しかし、それは毛皮のプロとして仕事をしてきている私の大きな間違いだと気づかされつつあります。

薄い色のミンクでは、ヨーロッパ系の刺し毛が長いタイプのミンクも横段などに使うと、とてもボリューム感がでたり、毛先が長い分、毛皮らしさや優しさが、よく表現されることに気づかされます。 (さらに…)

毛皮の褪色・変色(赤の褪色の証し)

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今日は、何回か書いている毛皮の褪色について、もうひとつ書いてみます。以前から褪色は赤から始まると書いてありますが、今回の写真がそのいい例ですね。写真は一番褪色しやすい肩の部分です。

コートの色はイエローを少しくすませた色です。写真を見てもらえばわかりますが、ほとんど変化がありません。

その理由はイエローの構成色に赤がないからです。当社アトリエのHPににもグリーンの刺し毛ミンクのマントの写真がありますが、このマントもほとんど褪色しませんでした。やはりグリーンはイエローとブルーが構成色なので、赤が存在しなく、変色はしません。 (さらに…)

レットアウトのシミュレーション(島精機のCAD(PGM)の使いやすさ)

本日は弊社アトリエで島精機のCADがどう生かされているかをご説明したいと思います。

島精機のアパレルCADは通常のアパレルCADと違い、レイヤー形式になっていません。大きなキャンパスに、自由にパーツ化したパターンを置き、そしてパターン内部線やそれ以外の線も自由に書くことができます。

自由にパーツ化するというのが意外に他のレイヤー形式のCADではできません。出来ないというよりも、大変な労力がいるということになるのでしょうか。通常は透明レイヤーに線を引き、重ねてみることによって様々な作業をしていますが、島精機のCADはすべてがパーツ化してあります。

仮に100個の小さなパーツを使って”自由に”作業をすると、レイヤー形式のCADだと、多くのレイヤーが必要になりますが、島精機のCADはパーツが100個大きなキャンバスにあるということになり、都度、アクティブにするためにレイヤーを指定する必要もありません。
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ブラックグラマミンクのショートナップ

ミンクでもっとも価値があると言われているアメリカンミンクのなかで最高峰と言えば一般名称でブラックグラマミンクがあります。

これはダークミンクのなかで、さらに選びこまれたもので、その特徴は、ボリュームがあること、毛が柔らかく弾力があること、ダークのなかでも、さらに濃いこと、ショートナップであること、等が思い浮かびます。

一般的に誤解されがちなのが、ショートナップという意味です。文字本来の意味からいくと短い毛というのが正しいのでしょうが、本来の意味は違います。

アメリカンミンクの特徴といえるショートナップの本来の意味は、綿毛と刺し毛の差が少ないということです。 (さらに…)

毛皮のリフォーム とクリーニング | オガドラムの効果

毛皮のリフォーム前のクリーニング「オガドラムの効果」について書いてみました。毛皮のリフォーム前に、弊社アトリエでは、徹底したクリーニングをしていますが、そのなかで一番大事な脂を抜く作業があります。

脂を抜くことの意味については、何度も書いているので他の記事を読んでもらえればよいのですが、今日はその脂を抜く作業のなかで、ひとつ大きな問題があることを書いてみます。

溶剤を使って皮の脂分を抜く工程は皮、毛、ともに溶剤に漬け込みます。そこで、溶剤に脂を溶け出させるのですが、あまり長時間つけすぎると脂が落ちすぎてしまい皮にとっては危険な状態になります。

しかし、中途半場に溶剤からだしてしまうと、液に溶けだした脂が毛全体についてしまいます。これは専門の業者さんにやっていただいたとしても、起こり得ることです。溶剤から取り出すタイミングや溶剤の量などに、微妙な感覚が必要だということが解ります。 (さらに…)

Elixir Phosphor Bronze Nanowebの素晴らしさ


Elixir Phosphor Bronze Nanoweb

今日はギターの弦の事を書いてみました。アコースティック・スティール弦なかで、ブロンズ合金に少量の燐を加えた”Elixir Phosphor Bronze Nanoweb”というタイプの弦について、その素晴らしさと音質、そして寿命などの面からの私見です。

私は普段フォルヒ(Furch)のシダーとマダガスカル、アディロンとマダガスカルの二本を使っているのと、練習用として本体が頑丈に作られているタカミネ(Takamine)のエレアコを使っています。

タカミネはトップがシダーでサイドが合板のマホガニー、バックが単板マホガニーになっています。

以前もエレキのElixirの弦やアコギでもポリウェーブというタイプは使ったことがあり書いたことがありますが、今回は”Phosphor Bronze”というタイプについて書いてみます。 (さらに…)