プラクトミンクについて

プラクトミンク回転アイロン

今日は、プラクトミンクについて書いてみます。プラクトとは刺し毛を抜いたもののことをいいます。一般的に多いのはビーバーやヌートリアです。ミンクがプラクトされるようになったのは、刺し毛付きのミンクが売れにくくなってからでしょう。刈毛とともに毛皮らしさを抑えることを目的として出てきた加工方法です。当時のアンチファー運動も影響していたのかもしれません。

刈毛はプラクトしたものを刈っていると思われがちですが、そうではありません。ヌートリアの刈毛はプラクトしたものを刈ってます。その理由はヌートリアやビーバーは刺し毛付きのままでは、刺し毛が硬くて商品にならず、最初のなめしの段階でプラクトにします。

しかし、 (さらに…)

ワークステーション

先日でやっと、昨年末納期の商品が仕上がりました。もう、まるまるひと月間ブログから遠ざかってしまいましたので、何から書いていいか解らない状態です。書けないときは、あれも書こうこれも書こうと思っていましたが、終わったとたん、ちからが抜けてしまっていて何から書いていこうか分からない状態です。しかし、これで今期が終わったわけではなく、昨年の納めが遅れながら終わっただけで、一月納めのものがまだ、狂ったようにあり、また仕切りなおしをして始めようと思います。

今年初めてのブログにふさわしい記事かどうかわかりませんが、今日は、昨年末に買ったコンピュータ(ワークステーション)について書いてみます。

パソコンはこれまでもたくさん買ってきましたが自分のディスクで使っているのはスペースの関係で、島精機のSDS-ONEしか置いていません。この島精機のPCについてもいずれ別に書きますが、 (さらに…)

【動画】 アメリカ産・マホガニーミンクの再鞣(なめ)し

今日は先日上がってきた、アメリカ産のマホガニーミンクの再鞣ししたものを動画でお見せいたします。敢えて何かを書くということも必要のないくらいに動画を見てもらえれば、その皮の薄さや柔らかさが、お解り頂けるものと思います。以前の記事でも書いていますが、素人考えで考えると、だったら一度に同じように鋤けば良いじゃないかという考え方も成り立ちますが、二回鞣すという効果はやはり絶大で、どうやっても (さらに…)

エリクサーElixirの使用感(その2)

前回、エリクサーElixir弦のアコースティックギター弦について、私見を書きましたが、今日はその後の使用感とエリクサーElixir弦のエレキギターでの使用感を書いてみます。

前回書いたアコースティックギター弦の、その後の使用感は、最近訳あって、わずかな休息のなかで必死にギターを練習することになり、少ない時間で指を強化する必要がありアコースティックギターもガンガン弾くことになって気がついたのですが、三弦がやはり、白く薄いコーティングした素材が至る所に剥がれるようにでてきました。

一般的にはエレキのようにビブラートをかけたりチョーキングをしたりしない限りには、おそらくこんなに剥がれることはないと思います。私も最初は、値段が高いこともあって、なんとなくもったいない感があり、そっと弾いてる感じでしたが、そんなこともあり、弦の鳴りが長続きしたのかもしれません。

しかし、今現在も、 (さらに…)

エリクサー(Elixir)の使用感

いつもギターや、好きな音楽のことを書こうと思うのですが、万が一、わずかでも毛皮の話を楽しみに読んでくれている方がいるとしたら、申し訳ないと思い、なかなかギターのことは書けないでいますが、今日ほギターの弦のことを書いてみます。

これまでは普段、たっぷりと時間をとって練習することができないため、使用する弦もなんとなくコスト版を選んでしまっていて、たまたま友人から、コーティングをしてある弦があることを以前聞いたことがあり、一度使ってみようとイシバシ楽器のウェブショップで買ってみました。

名前はエリクサーと書いてありますので写真を見てください。いつもは新しい弦に変えてアコースティックだと、どうでしょう?数時間かな?最初のシャリーンという音がするのは。人によっては、少し時間がたったほうが良いという人もいるかもしれませんが、自分はあのシャリーンとした音が好きで、その僅かな時間帯の間の弾き心地を楽しみながら、あ~~もう音が曇ってきた。。。と感じてしまいます。

特に、安い弦はやっぱり、 (さらに…)

既成の工法の見直し

この時期になると作り出して納めるまでの期間がどんどん短くなります。ものによっては数日で作り上げることもあります。こう書くと手を抜いているように思われがちですが、それを承知で書いてみます。

私たちは常日頃から仕上がりと効率を両立させることを考えています。このことは多分どの技術者も同じだとおもいます。しかし、私たち技術者の考えのなかには以外に既成概念が強くあり、こうしないといけない、こうすべきだ、こうあるべきだと思うことがたくさんあります。

そして常日頃から、 (さらに…)

毛皮で一番軽い素材は? 

毛皮で一番軽い素材は?という検索で入ってくることが多いので、今日は昨日徹夜して納品したアーミンについて書いてみます。

今回の作りのテーマはとにかく軽く柔らかくです。このことで一番問題になるのは軽く柔らかくすることと、形を綺麗に表現することを同時に行わなければならないことです。一般的にアーミンの作りは、他社ではアーミンの皮が薄く切れやすいと理解されているらしく、毛皮と裏地の間に一枚の薄い芯を抱かしています。もちろん、前芯やその他の芯もしっかり使って仕上げています。

そのためにせっかくの軽く薄い皮の利点が表現されずにいます。結局は、作る技術者と求めるお客様との接点がないために、技術者は皮が切れるリスクを避けたり、形が崩れるリスクをさけたりして、無駄な芯を貼ってしまいます。しかし、お客様がアーミンに求める姿は、 (さらに…)

毛皮の褪色、赤の褪色

以前、染色した毛皮やナチュラルのものも、おおかた赤が褪色して黄色やグリーンっぽい色に変化すると5月19日のブログで書きましたが、たまたま、会社の窓際のペン立てにずっと使わずに立てていたマジックのキャップが何年もの時間を経て、ペン立てから飛び出している部分だけ、赤が抜けてしまったものをご紹介します。

赤が抜けると黄色っぽい色に変化すると書いていますが、それは青や黄色が入っているもので、例えばグレーやパープル等のことで、今回は赤一色の赤マジックのキャップなので、赤が褪色し元のプラスチック製品の原料のままの白っぽい半透明の色になってしまいました。もっとわかりやすく言えば (さらに…)

毛皮の毛の癖をとる

今日は毛皮の毛の癖をとりたい、、、という検索で当ブログ入っていらっしゃる方が以前いらっしゃったので、これについて書いてみます。毛皮の毛は髪の毛とほぼ同じ性質を持っていると思われ、高温の熱をかけて引っ張ればほぼ真っすぐに(ラム系は完璧にはなりません)なりますし、水分を与えれば縮みます。

違いがあるとすれば、毛皮の皮は温度を感じることがなく、人は熱い蒸気がかかれば熱いと感じ、皮膚からスチームを離すことです。よくあるのがアイロンの蒸気をかけて毛皮の皮をニカワのように硬くなって縮んでしまうことがあり、直して欲しいという依頼があります。専門業者のクリーニング屋さんでも、よくスチームをかけ過ぎてしまい縮ませてしまい、直して欲しいということもあります。

縮んだ皮は、蒸気のかけかたの度合いで元に戻るものと戻らないものがあり、 (さらに…)

誕生日、そして毛皮の日

今日は私の誕生日です。私がギターで音楽の道を目指すことを諦め、毛皮の仕事にアルバイトでついたのは多分、30年前くになると思います。当時は、毛皮の仕事といっても、始めたばかりで何もわからずに夢中でやっていました。

音楽、、、いやロックが好きで始めたにも関わらず、歌謡曲だったりニューミュージックと言われるようなものをやりバックミュージシャンとしてお金をもらう、そのことにいつしか疑問を感じ、やっぱり当初、福島の田舎から出てきたときに目指したものをやろうと、父親が亡くなったことをきっかけに、僅かにやっていた名ばかりのミュージシャンとしてのいくつかの仕事をやめバンドに打ち込むことにしました。そんなときに始めたアルバイトが毛皮だったのです。

接客業に向いてはいないということと、 (さらに…)