展示会とチンチラマフラー

こんにちは☆スタッフ服部です(´▽`)ノ10月に入って、やっと少し秋風を感じられるようになってきましたが…そろそろ毛皮アイテムのご準備はお済みでしょうか?アトリエでは秋口からお使いいただける小物が徐々に仕上がってきており、特に今年の新企画で登場したチンチラのカラーマフラーは人気商品となっております♪

先日は店外催事があったので、この機会に新色としてハーベストパンプキン(オレンジ)やグリーン・ターコイズブルーに染めたチンチラのマフラーを追加用意して行きました。今までの新色分と一緒にテーブルに陳列すると、まるで虹のよう(笑)7色よりも多いですが、見ごたえのあるラインナップとなっております☆ (さらに…)

アップル社のキャッチコピー

一昨日、業界で私の尊敬する一人である、取引先の社長に、ご来社いただきました。社長との初めて顔を合わせたのは、正確ではありませんが、おそらく14~5年前に出展した最後のアウターウェア東京という国際見本市でした。もちろんそれまでにも、仕事に必要なものをいろいろと仕入れをさせて頂いておりましたので、仕事上でのお付き合いはありました。

しかし、それまでは電話でお話をさせていただいていただけで、お会い出来たのは、その見本市が最初でした。それ以降、とても可愛がっていただき、これまでにも、ご来社していただき、いろいろなことを教えていただいたり、社長が気になった記事をFAXで送ってくださったりと、ことあるごとに気にかけて頂いております。

あの見本市のときに、社長に私たちのブースのテーブルに座っていただき、名刺交換をさせていただき、少しの時間でしたがお話させていただいたことを記憶しています。今のように、大切なお付き合いをさせていただけることになるとは思ってもおりませんでしたが、当時ひとつだけ私のなかに強く残るものがありました。

それは、当時のアップル社のチャッチコピーをテーブルの上に残してお帰りになられたことでした。社長がわざと忘れたのか、置いていったのか、それとも本当に忘れたのかは、社長本人には確かめてないのでわかりませんが、私はそのキャッチコピーに釘付けになったのを今も鮮明に覚えています。当時も今も毛皮業界にアップル社のキャッチコピーを持ってくるようなひとはおりませんから、とても驚きでした。

そして、そのコピーのなかに当時、自分の目指す何かがあったように感じ、会社の壁に貼ったりしていて大事にしてきました。もう軽く10年を越して紙も焼けて黄ばんで劣化してしまっていて、それでも配置換えの度に壁からはがし、都度捨てることなくずっと持っていました。

今は社長が時折、FAXで送ってくれる記事と一緒に大切にとってあります。社長が帰られ、頂いた記事を整理しているときに、久しぶりに目にすることができました。

私のなかで一度は大きな挫折もあり何かを目指すという強い気持ちも消えてしまったようなときもありましたが、久しぶりに読み返してみると、自分の中の思いはなにも変わっていないのだということを感じさせてくれました。

それと、もうひとつ感じたことは、当時の15年くらい前のアップルの状況を知っているひとは思い出して欲しいと思いますが、そんな当時にあのキャッチコピーを読み何人のひとが今のアップル社を想像できただろうかと思い、そして、そんななかでも自分の思いを信じて信念をもって頑張った人たちがいて、今のアップル社があるのだと思うと、この15年はアップルやマックユーザーにとっても、とても感慨深いものがあるのだろうという、そんな、いろんなことを思い、感じさせてくれる、ありがたい、A4のコピー紙に写ったアップル社のキャッチコピーでした。

余談ですか、私も昨年からマックを使っていて、デザインの素晴らしさ、このワクワク感は他のコンピュータでは味わうことが出来ません。

長澤

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特殊なしつけミシン「PFAFF343」 

特殊なしつけミシンPFAFF343

パショーネのアトリエには一般的な毛皮縫製工場にはない設備を揃えていますが、今回は、その一般的な毛皮縫製工場にはないというタイプのミシン、特殊ミシン「PFAFF343」をご紹介いたします。

このミシン、一般的には紳士服等の工場さんにあるミシンかもしれませんが、毛皮の工場では、ほとんど見かけません。紳士服の前芯などを取り付けるために一時的に粗止めをするためのミシンで、針を送る機能がなく、ランダムに手で自由に動かし針を落とすというミシンです。

特殊なしつけミシン「PFAFF343」 は、アームタイム(腕ミシンともいいます)で、テーブルから上に縫う部分が飛び出しているミシンですが、当社では、この腕ミシンタイプで使うだけではなくフラットなテーブルの状態でも使いたいので、テーブルを抱かして使っていました。

しかし、毛皮のコートでは小さいテーブルの上にのりきらず滑り落ちてしまうこともあって、最近、新たにテーブルを継ぎ足しました。白い部分がそうです。パショーネでは、大半の機械は、そのまま使うことはありません。どこかしら自分仕様にして使っていきます。特に機械が好きというわけではありませんが、使いやすさや効率を求めて改良していきます。(与えられた機械をそのまま使うだけでは独自の技術は生まれてこないからです)

毛皮作りにはとっても手作業が多く、どうしてもたくさんの作業時間がかかります。ただし、そのなかでよく見ると機械化できる部分が結構あります。一般の工場では費用対効果でみて合わないものは敬遠するのかもしれませんが、私たちは、それがどんなに小さな作業でも、機械化できそうなものは徹底して機械化を進めています。それが人の感性を生かした、最良のもの作りを行う助けになると信ずるからです。

そうすることによって、本来、人間の一番大事な感性や技工を生かすために費やさなければならない作業に、充分に時間を使い私たちの個性を仕事に生かしていけるからです。できる限り、人でしか出来ない仕事に時間を使おうという意識がそうさせています。

効率を上げて儲けるということも大事なことですが、どちらかというと、機械で出来ることは機械に任せ、人の手でなければ出来ないことに大切な限られた時間を使う・・・、これが私たちパショーネの設備投資に対するコンセプトです。

長澤

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バランスの良い、デンマーク産チンチラ

デンマーク産のチンチラ

今日は良いチンチラの原皮を仕入れました。写真のチンチラがその原皮(デンマーク産の40サイズのチンチラ)です。

チンチラについては以前も書きましたが、今回はまた少し違う視点で書いてみようと思います。

チンチラには黒い背筋があることは、チンチラを知っているならほとんどの人が承知のことと思います。そして、この黒い背筋によって価値が変わることも一般的によく知られていることです。

ただし、黒いだけでは最高のランクとは言えません。今回は、その一般的な常識の黒いだけでは最高の物とは言えない理由を書いてみます。

チンチラの背筋は当然、薄いよりは濃い方が良いのです。私が思う本当に良いチンチラとは、そのキャラクター(背筋)の濃さ・その横のグレーの部分・腹の白い部分のバランスがよくとれています。

背筋の色以外にも、これはあまり知られていない事ですが…黒い背筋の部分の毛がうねるように毛が曲がっているものがあります。その割合は(私の経験上では)これまで見た原皮の半分以上は、このうねりのあるタイプでした。

また、反対に全くうねりがなく毛が真っすぐに生えているものがあります。もちろん、後者のほうが圧倒的に綺麗です。 何故かというと、並毛で見ると黒い毛がうねっているとギラギラと乱反射して見えます。真っすぐなものは乱反射せずに深く沈み込むように黒く見えます。この違いはとても大きいでしょう。

この、毛にうねりのないタイプで…更に三つの色のバランスが良いものが私は最高のチンチラだと認識しています。おそらく、一般の職人さんは、このことは気にしていないでしょう。気にしてると限りのある原皮の枚数では商品が作れませんから。

これは、毛にうねりがなく・三つの色のバランスが良い原皮をそろえることが出来て、よい技術で作れば素晴らしく綺麗なものが出来上がるということです。

付け加えますと、チンチラの毛がうねっているのは背筋の黒い部分のみです。黒い分だけ毛が弱いのかどうかは…解りませんが間違いなく、うねるのは背筋だけです。

ミンク等はスチームをあてればうねった癖がとれますが、このチンチラの背中のうねりは、どんなにスチームをかけてもとれません。生まれつきの個体それぞの性質のようです。

今回の原皮の写真は癖が全く無く・背中心がしっかり濃く・グレーの部分もバランス良く・腹も真っ白・・・と、いわゆる三拍子がそろったタイプです。このタイプの原皮を探すことは意外にも難しいのです。例えるならば、50枚のバンドルの中に1割程度と…少しくらいなものです。

それ程に、どこからどう見ても綺麗な原皮というのは少ないのです。コートを作るほどの数はなかなか揃いませんので、私はいつも小物で最高のものを作る時に使います。

6月25日のチンチラのショールは、珍しく納得のいく原皮で作ったものです。このランクで、これだけの枚数をそろえようとすると、バンドルをたくさん買うかバンドルをばらしてもらって選ぶかしかありません。(原皮屋さんにはきっと、嫌がられることでしょう。それでも、こんな原皮が欲しいのですが・・・)

そして、今回のデンマーク産と他の産地との違いを説明するのは非常に難しい事ですが、確実に何かが違います。デンマーク産のチンチラは、高いですが、やはり買う価値があるものです。

長澤

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サファイヤミンクのバッグ & ポーチ (リフォーム)| Sapphire Mink Bag & Pouch

こんにちは、スタッフ服部です。やっと少し秋を感じられるようになってきたような気がします。アトリエもこれからの毛皮シーズンに向けて奮闘中です(^-^)/

さて、今日はバッグのリフォームのご紹介です。お手持ちのコートをリフォームした際に余った毛皮でバッグと小さなポーチを作りたいというご希望でした。

バッグはミニサイズのボストンバッグのようなデザインで、ファスナーの位置を下げ口が大きく開くようになっておりますので小さいながらも使いやすい仕様に仕上がっていると思います。持ち手は組紐をご希望でしたので、毛皮の色に合うものを探しました。

毛皮と異素材の組み合わせを行うことはよくある事ですが、ナチュラルの毛皮と同系色で違和感の無い色合わせを行うことは意外にも難しいことがあります。黒・茶・グレー。。。等と一言で表すことは簡単ですが、実際には毛皮と付属として使用する素材の両方に赤み・青み・黄みなどの色の違いがあります。

それぞれの素材を組み合わせた時に、違和感なく仕上がるようにすることは簡単ではありません。今回も何色もの紐の中から3色の紐に絞込み、最後の持ち手を取り付ける段階で最終的に全体の色のバランスを見て選び抜いております。

最終的には淡いシャンパンゴールドの組紐にし、毛皮をメインにしながらオシャレ感のある組み合わせになったと思います。また、組紐を合わせることで和装にも洋装にも合うバッグとなり、コーディネートも合わせやすいバッグに仕上がったと思います。

セットでご希望の小さな猫ちゃんポーチはカットビーズでお顔とし、ヒゲも取り付けました(=‘x‘=)こういったお顔付きのポーチは初めてのお作りでしたが、可愛い表情に仕上がりました。

リフォーム等の際に毛皮が意外にも沢山残ってしまった場合にはこういった小物を考えてみると、更に冬のお洒落が楽しくなるかもしれませんね(*´▽`)ノ☆

服部

サファイヤミンクのバッグ&ポーチ(リフォーム)| sapphire mink Bag & pouch

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ロシアンブロードテールのMEN’Sロングコート

今日は5月24日に紹介したロシブロの原皮で作ったメンズロングコートをご紹介いたします。以前、マホガニーミンクでシルクリバーシブルコートを作らせていただいたお客様のコートです。画像が小さくて残念ですが、それでも腑(毛皮の模様)の豪快さは充分に伝わると思います。皮もとても柔らかく、この豪快な腑が動くと圧倒されます。

以前作らせていただいたマホガニーミンクのコートも、お客様には自分の自慢であり、宝だと言っていただいたこともあり、今回の仕上がりにも大変気を使い、細部まで気を配り、そして大胆さを失わないように努力しました。

以前も書きましたが、ロシブロの最大の良さ、凄さは見る角度によって見え方が変わることです。そして、グレーの色も角度によって黒く沈んでみえたり白く光ったり、紫ががったグレーに見えたりと表情が都度変わります。 (さらに…)

ダウンコートの袖丈のお直し

こんにちは、スタッフ服部です。今日はちょっと珍しいお直しをしましたので、ご紹介させていただきます(=´∀`)ノ☆

この珍しいお直しとは・・・ダウンコートのお袖丈つめです!!毛皮のコートの袖丈のお直しはよくある事ですが、今回は一般的な生地のダウンコート(襟とカフスに毛皮付き)でしたのでアトリエとしても初の試みでした(^^;)しかも、袖に飾りベルトのあるデザインの為に(ベルトはそのまま残したいというご希望でした)どのように直せば良いものか…非常に悩まされました。

悩んで・・・考えた結果、一番下のフェザーの入っている縫い目と縫い目の間で生地を切り、必要な長さを縮めた状態で再び縫い合わせるという方法をとることにしました。この方法なら一番下のカマボコ状の幅は狭くなりますが、カフスのすぐ上で目立ちにくく、ベルトもそのままに残すことができます。

このような袖丈や着丈のお直しで生地にハサミを入れる瞬間は毎回とても緊張します。・・・生地は切ってしまったら元には戻りませんので((((;゚Д゚))))ドキドキ

更に今回はハサミで切ったところから次々にフワフワとフェザーが出てくる出てくる(T ^ T)ノ゜。・゚・゜。想像以上にフェザーが出てきて、あっちこっちにフワフワしている様子は一足早く雪の中で作業をしているような気分です(笑)このフェザーも飛んでいってしまわないようにそぉ~っと集めて袋へ一時保護をし、縫い合わせる時にまたそぉ~っと中に詰めながら縫いました(^_^;)

慎重に作業を進めたので、仕上がりは十分綺麗に仕上がったと思います。長さを縮めた分、ベルト上のカマボコ部分が狭くはなっていますが一度抜けたフェザーもしっかり詰めてあり、まさか出来上がっているダウンコートの袖を切って直したなんて思えないのではないでしょうか?

通常であれば、なかなか手をかけることなどないダウンコートですので、今回のお直しはとても慎重に・気配りが必要なものでしたが非常に貴重な経験になりました。

服部

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シルバーFOXマフラー(Silver Fox)

こんにちは♪スタッフ服部です。夏が来た!と思ったらあっという間に立秋が過ぎてしまいました・・・

毛皮の季節も一瞬のように来てしまいそうですね(;´д`)さて・・・今日はオーダー小物のご紹介・シルバーFOXのロングマフラーです。両面が毛皮がご希望のオーダーでした。

FOXを原料としたマフラーで両面が毛皮の物はボリュームの関係でしょうか、なかなか無いようです。

今回は両面毛皮・ロングマフラーということで、特に毛皮の柔らかさ・しなやかさ・軽さがポイントになっております。ロングマフラーですから、軽くクルっと巻けなければいけませんし、重さで苦しくならないようにしなければなりません。

今回は原皮の間に何本ものレザーを挟んでしなやかさを出しております。このレザーを挟んで縫う作業・・・これが横で見ていてもちょっと引いてしまうような大変な作業でした。。。

しかし大変な大変な(笑)作業の後に仕上がったものは、とても上品で良い逸品となりました。

服部

シルバーFOXマフラー(Silver Fox) | PASSIONE

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パフ(PFAFF) 3560

今日はパフ(PFAFF)3560というドイツ製の自動機について書いてみます。パフ社は主にアパレル縫製機器、特に大型機器をたくさん開発している会社です。

今回ご紹介するPFAFF3560は、パフ(PFAFF)社が28年くらい前に、毛皮のビジネスが日本でも勢いを増してきたころに開発された大型のミシンです。毛皮にはレットアウトという、毛皮を斜めにカットしてそれをずらして縫うテクニックがあり、当時はこの加工方法を使ったコートがたくさん売れていて、このレットアウトにとても大きな労力と時間をかけていました。パフ社がこれを人間の手ではなく、機械が全て縫ってしまうという画期的な自動機を出したのです。

価格は全ての費用を足すと、大きめのマンションが簡単に買えるような値段になっていました。しかし、当時、毛皮がどんどん売れていたことや景気もよかったこともあり、高額なミシンにも関わらず国内に10数台入ったそうです。

当時は、このミシンが入ったものの、上手く使いこなすことが出来なかったり、思うように動かなかったりという噂がありました。しかし、ミシンの設定と使い方を工夫すれば使えるのではと思い20年前に、すでにどこも使ってない状態で廃棄したり売りたがっているところがあったので中古で2台買いました。

買った当初は、この機械と毎日格闘するような毎日でしたが、日々の症状をデータ化したりパーツを加工したり、機械全体を調整したりして、やっと最高の状態で縫えるようになってきました。もう、メーカーにもパーツ在庫もない状態ですが2台分のパーツのストックがあり、当面は心配なく使える状態にあります。

ビデオでは縫っている一部分しか見せられませんが大きさは横2.5メートル以上もある大きなものです。当初パフ社はミンクその他の短毛素材のレットアウトという謳いでしたが、当社では高級商材のセーブルで極薄の皮も、このミシンで縫っています。機械は難しいともいえますが、ちゃんと機械が望むように設定・調整をすれば、これほど充てになるものもありません。


パフ(PFAFF) 3560 – PASSIONE

レットアウトを機械でするメリットは伸ばしたい長さに正確に出来るという点です。通常は原皮の左右を縫うのに人間がミシンで縫う場合、人の手の誤差や縫い目が左右で逆になることもあって、それぞれの縫い上がりの長さに誤差がでます。毛皮の皮が伸びる素材ということもあって、縫い上がりの誤差を伸ばしたり縮めたりして調整をしてごまかしています。

長さを調整して、ごまかすことは技術者は一般的な技術と受け止めていますが、実際は皮の左右で、皮を引いている縦横の比率が変わります。コート全体で考えれば至る所でそういう状態の皮が存在する訳です。これが、後の形の変形や歪みの原因になります。

毛皮のコートは一応パターンを使用して作りますが、その後に、生地にバイアスがあるように、毛皮の皮も伸びたり縮んだりしますので、パターンそのままの形を保持しながら、柔らかさや軽さを表現するのは、かなり高度な技術が必要になります。

そんな意味からも、レットアウトがどの皮も予定した長さに縫えるということは、とても大事なことになります。PFAFF3560は人の手ではとても難しいレットアウトを高いクウォリティで仕上げてくれます。もうとっくに寿命は過ぎていますが、いまだに当社では動き続けています。

おそらく、この自動機が動いているのは世界でも当社しかないのではないでしょうか。ミシンが動くところを見たことがないひとが大半だと思いますので、今回は動画でお見せいたします。このミシンで縫ったものが7/7スカングローミンクロングコート、7/19パールミンクロングコート、8/3セーブルショール、8/7ブラックグラマミンクハーフコートです。是非、ご覧いただけたらと思います。

長澤

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島精機 アパレルCAD・CG専用機「SDSーONE」

今日はニット編みの自動機をメインに作っている島精機という会社のアパレルCAD・CG専用機「SDSーONE」というコンピューター、その中のCGの部分についてご紹介いたします。

当社がSDSーONEを買ったのは9~10年くらい前になりますが、その当時は東レやユカアンドアルファのシステム導入も検討しておりました。最終的島精機に決めたのはCGのレベルが他社とは圧倒的に違っていたという理由からでした。価格もそれなりに高額でしたが、その価値はあると判断したからです。

CGソフトでは代表的なフォトショップがありますが、当社でやろうとしていた毛皮の質感をそのままに残した状態での色替え・抜き取りはフォトショップでは上手く出来ませんでした。

しかし、このSDSーONEのCGは私たちの望むとおりの仕上がりが得られ、さらに合成加工も素晴らしく、コートのエリを大きくしたり別の素材に替えてみたりと、大半のことが思うようになりました。特にとても役立っている点がふたつあります。

ひとつは8月3日の記事に載せたセーブル(ワイルドヘビーシルバリー)の4用ショールの画像を見ていただければ解りますが、多くのサイトで載せられている画像は、毛足のあるものの画像の抜き取り処理が大半が端をぼかしながら毛の端の毛羽立ちを表現されています。一般的には毛皮だけを取り出そうとするとこの方法しかありません。

しかし、このSDSーONEのCGではトルソーを半透明にするためにショールだけを一度抜き取りますが、毛の端のわずかな毛羽立ちまで完璧に抜き取れます。一度この画像を拡大してもらえれば毛の端が、ぼかしで処理しているのではないことがはっきりとわかります。

もう一つは私たちが大事な事としてこのCGに注目したのは色を変えることのリアルさが素晴らしかったからです。当社ホームページのTOPにある画像の色を替えたものを掲載しますので是非ご覧ください。

画像が小さくで分かりづらいですが、大きなサイズでみるとどちらが最初の画像か分からないくらいに綺麗に色替えが出来ています。(実際の最初の色は左のネイビーです。右はボルドーに変更させたものです。)

エリの大きさや素材の変更・新色のイメージの確認など、新作の企画には大変役に立つ機能です。
SDSーONEはパショーネの毛皮作りには無くてはならないものになっています。

長澤

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