毛皮のオーダーメイド(原皮の調達) 

当社の仕事の大きな柱の一つにオーダーメイドというくくりがあります。いつか、このことについて書かなければと思っていました。

同業者のサイトをみても、どこにでも、リフォームとともにオーダーメイドの言葉が見つかります。要はどこでもやってることなのです。しかし、そのサイトの多くが、サイト構築のためのオーダーメイドであって、ほんとうにやっているようには見えてきません。

一般的には、貴方だけの一着を・・・世界で一着しかない・・・などと言うどこにでもあるようなキャッチコピーがあって、後は、いくつかの行程が記載されているというのが多く見受けられます。

本当にどの程度のオーダーメイドをやっているのかが伝わってこないのです。オーダーメイドを現実にやろうとすると、いくつかの大きな問題にぶつかります。

ひとつは、原皮をどう調達するのか?です。

オーダーが決まってから原皮を調達するのでしょうか?サンプルの原皮を一二枚見せて、あとは仮縫いの時まで探すのでしょうか?私も仮縫いまでに探すことはよくありますが、なかなか自分の目にかなった原皮が仮縫いまでに手にはいることは珍しいのです。

受注の時期が1月くらいであれば、来期までにということで信頼出来る取引先に調達を依頼することは出来ます。しかし、あくまで来シーズン用にお作りするということが前提です。

今期の受注ということになりますと、原皮屋さんに原皮が一番豊富にあるのは、毛皮の販売のピークになるシーズンとは大きくズレます。

私たちの大きな悩みはここにあります。オーダーという注文の受け方になると、確かにシーズンオフの時期にも受注は出ます。しかし、やはり一番お客様の気持ちが動くのは、シーズン直前の11月くらいからです。

この時期になると原皮屋さんの在庫はピークからは、ほど遠い状態になり、問い合わせしてもないものが多くなります。

そんなこともあり、ロシアンセーブル、ロシアンブロードテール、アーミン、チンチラ、ミンク各種などを広範囲にストックしなければなりません。

セーブルに限ってみても、ワイルド、ファーム、ゴールデン、ワイルドシルバリーというように種類があり、これをオーダーと謳う以上、小物程度を作る数量で済むはずもなく、相当枚数をストックしなければなりません。しかも、オーダーである以上はランクの高い品質のものをストックします。

ミンクのオスは大体は原皮屋さんで手に入るにしても、メスのコート用バンドルなどはどの原皮屋さんを探しても、簡単に手に入れることが出来ません。

あっても、色が変わった売れ残りのようなものしかないことが多く、結局、気に入った原皮は早めに抱えておかなければならないということになります。しかもコートバンドルです。少なくても40~50枚です。

それをミンクの色ごとに揃えるといったら、一体どれほどのストックをしなければならないのかと、本当に毎年どの色をストックするか悩みます。そして、今年の自分のお勧めとして自分が惚れ込んだ原皮を常時5~6種類ストックします。

それでもメスのミンクのオーダーが毎年、ストックしてたものがちょうどよく受注があるとは限りません。

ロシブロやアーミンに至っては欲しいときに手に入るものではなく、気に入った出物があるときにストックしておかないと手に入りません。

オーダーが決まってから調達では、なかなか良い原皮が手に入らないのが現実です。そして、お客様のために原皮の目利きも高いレベルが要求されます。

さらにバンドルで買って使った残りも必ず発生し、それを小物にしたり、ベストやショールにしたりと、残った原皮の用途も常に考えて使っていかなければなりません。

必要な枚数ぴったりに仕入れられれば無駄は出ませんが、ちゃんとしたものを作ろうとすれば、必ず余分に仕入れることになります。

このように、原皮の調達ひとつをとっても、会社の機能として、またはサイト上に、オーダーメイドと謳えば、これだけの問題と常に向き合わなければなりません。

写真はアーミンの原皮です。 シッポの先が少しブラウンになっていますが、これは軽くブリーチしたためです。ナチュラルのシッポの先は本来は真っ黒です。次回はパターン、その他の問題についてお話いたします。

長澤

にほんブログ村 ファッションブログ オーダーメードへ
ファッションブログランキング

毛皮のコートの重さの原因

毛皮のコートの重く感じる原因は大きく分けて四つあります。

一つは中に入れる副資材の問題があります。以前は毛皮であれば何でも売れた時代があり、どんなに重くても売れた時代でした。

その頃のコートには毛芯から始まり、分厚いドミット芯、そしてオーガンジー等を中に使い、裏地は裾に刺繍の入ったものやルーシングが全体についたもの等、付属全体で400gくらいになってしまうようなこともありました。これがまず、第一の原因でしょう。

次に、皮そのものの問題があります。

なめし上がった毛皮の皮には、柔らかくするために脂を入れます。その脂が水溶性であるために湿度の高い日本ではたくさんの水分を吸収してしまいます。皮に入っている脂自体の重さも重なり、かなりの重さになります。

さらに、皮の厚さを決定する”すき”の問題もあります。最終的に毛根ギリギリまで、すけるかどうかで皮の厚さが決まりますが、最近のものに比べると以前のものは厚かったように思われます。

皮を薄くすくということは、場合によっては大事な毛皮を破いてしまう可能性もあり、なめし工場さんにとっては大きなリスクがありますので、なかなか全てをギリギリまで均一に薄くすくということは難しいのです。

しかし、なめしの技術もどんどん進化しており、脂の分量やすき加減の度合いも最近は少しずつ良くなる傾向にあります。しかし、それは、最終的にドレッシング(なめし)をする工場の技量によって決まると私は思っています。国内でも良い工場はあります。

もうひとつ、加工方法によっても重さが変わることを説明致します。

毛皮の皮はドレッシングという方法でなめされており、通常のレザー等と比べると良いなめしをされたミンクの皮等はとても柔らかく、よく伸びます。そのため、コートを作るなかで歩留まりを考えると、皮を強く張り大きく引き伸して使うことがコスト面から考えても有効な手法と考えられています。あくまで一般的にですが。

基本的には、しっかり皮を張って使うか、張り過ぎないように風合いを大事にして加工するかは、コストを優先するのか、仕上がりを優先するのかによって選択されます。ただし、誤解のないよう言っておきますが、皮を強く張ることの全てが悪い訳ではありません。良い仕上がりに向けて、強く張らなければならない場合もあります。あくまでどう仕上げるかで、その強さが決まります。

ここにひとつ、参考になる加工方法をご紹介します。

毛皮の加工方法のなかにレットアウトという技法があり、その技術の中にもいくつか考え方があります。中国製のように歩留まりを最優先にした作りと、以前のニューヨークで作られたコートのように皮の繊維を縦に引き、毛のボリュームをだし、ラインを綺麗に揃えて綺麗に見せるという方法があります。

後者の作りはミンクのメスの軽い皮を使っても、毛皮を縦に引き綺麗に見せようとするために枚数をたくさん使用するという結果になり、コート重量もとても重くなります。これは、加工方法や作り手の考え方次第で軽さや柔らかさが大きく変化するという、ひとつの良い例でしょう。

以前は、ニューヨーク仕立ての綺麗なミンクにとても大きな価値がついていましたが、最近の傾向では、デザインと同じくらいの割合で軽さや柔らかさが購入の大きな要因のひとつになってきています。綺麗だけど重い、、、では売れない時代になってきています。

一般的にロングコートの重量はどんなに重くても2キロが限界だと思います。しかし、重いものの中には2.4キロくらいのロングコートも以前はよくありました。私たちが作るレットアウトのロングコートの基準は1.5キロくらいと考えています。

次回は私たちの作るコートの軽さについて書こうと思います。楽しみにお待ちください。

写真はスカングローミンクをレットアウト加工したものです。

長澤

にほんブログ村 ファッションブログ オーダーメードへ
ファッションブログランキング

ダイドウィーゼル・ロングマント | Dyed weasel long mantle

こんにちは、スタッフ服部です。今日は先日のウィーゼル・ドルマンスリーブコートに続きまして、新作コート2号☆ダイドウィーゼル・ロングマントのご紹介です(*`・ω・)b

ダイドウィーゼルとは染色(ダイド)されたウィーゼルのことで、今回は毛付きのウィーゼルをネイビーに染色しました。今回は原皮を横に使っていますので、原皮の背中~腹にかけての微妙なグラデーションがとても良い表情をしています。

デザインはシンプルなロングマント(着丈98cm)で普通のお洋服で考えると、なかなか着ないアイテムのような気もしますが…毛皮アイテムとしてはケープ・マントはかなり人気のあるアイテムです。お洋服のコーディネートもしやすく、とても様になりやすいです。

サイズもあまり関係ないようなアイテムなので、年齢・体型を問わずどなたでも着られるデザインです。お色も濃いめのネイビーのため、他アイテムとのコーディネート次第では様々なシーンに対応できるものになっています。

そして、この絶妙なネイビーの色が光の当たり具合や歩いたりの動作が加わることで、くるくると表情に変化が出ます。そのため、全身が毛皮で覆われても重い印象になりすぎません。身長の低い方は着丈を気にしがちだと思いますが、少しヒールのある足元にすればとっても格好良く、お洒落になります(^^)

前には飾りのベルトが付いていますが、ケスカ(毛皮用ホック)がしっかり下まで付いていますので歩いていて、裾が開いてバサバサと気になることもありません。前身頃には手を出せるようにスリットもありますので、普段の生活運動には差し支えないようになっていると思います。

さらにポイントなのが、両面毛皮のフードです。これはボタンで完全取り外し可能になっておりますので、お洋服・気分・お出かけ先などTPOに合わせて着用いただけるようになっております。

私自身が身長150cm位とチビッコなのですが(笑)試着してみましたが、マントに着られる感じもなく、動くたびにたっぷりのフレアーが揺れ・変化する毛皮の表情にうっとりでした(。´ω`)♪

製作方法もとても丁寧に作っていますので、まるでアーミンのような仕上がり…。アーミンのコートと並んでも遜色ないマントです。ぜひ、アーミンのコートと並んでいるところを見ていただきたい逸品です☆

服部

にほんブログ村 ファッションブログ オーダーメードへ
ファッションブログランキング

短毛の毛皮の頭接ぎのテクニック

今日は珍しく毛皮の技術編の解説です。通常、毛皮は頭からお尻にかけて毛が流れています。

そして、左右対象につくるもの、例えばヘチマカラーやコートの一般的なえり、スタンドカラー、ショールカラー等では腹同士を接ぐ横段などのもの以外では、バックセンターで頭同士かお尻同士のどちらかで接ぎ合わせをしなければなりません。

頭の場合は毛は逃げ合い、お尻同士の場合は毛がぶつかり合います。難しさは高い品質を保つという意味では、どちらも同じくらい難しいテクニックを使います。お尻同士のつなぎ合わせでは、毛がぶつかり合うために、毛の長さ・毛のボリューム感・色、さらに細かく言うと刺し毛の長さ、綿毛の長さまで合わせる必要があります。

それは技術者のレベルによって仕上がりに大きな差がでます。左右の毛皮の全ての条件が合っても、ミシンで縫うときに毛がぶつかり合い、これを綺麗に縫うのも、たかだか15cm程度の長さですが、非常に難しいのです。短毛のものは少しでも縫い込むと接ぎ目が溝になり、商品のクウォリティーが落ちます。

頭同士の接ぎも、お尻の接ぎ同様とても技術がいります。一般的には毛がぶつからない分、接ぎは簡単に見えますが、実は技術者にとっては以外に、この頭接ぎのほうが手こずります。理由は、毛が逃げ合う分、接ぎ目の毛が割れやすく、皮の地肌が見えたり、毛割れをしてしまったりします。

さらにミンククラスであれば綿毛のボリュームもあり、ギリギリで上手く行くのですが、前回登場したウィーゼルのように短毛で、綿毛がそれほど多くないものは、頭同士の接ぎは、とても難しい作業になります。

方法につきましては、それぞれ技術者によって違いがありますが、最終的に目指さなければならないのは、接ぎ目の毛割れがしないこと、皮の地肌がみえないこと、そして最後に縫い目が柔らかいことです。最後の縫い目が柔らかいこと、、、これが以外に難しいのです。

その理由は毛が割れないようにミシンで厚く縫おうとします。これが縫い目の堅さにつながります。ほとんどの場合、頭接ぎをする部分は肩であったり、衿のバックセンターであったりと、とてもシルエットに関係する大事な部分です。ですから縫い目の堅さは極力避けなければなりません。

さらに、一般的には、その縫い目の皮の部分に毛と同じか少し濃いめの染料を塗り地肌の皮の白さを隠す方法もあります。しかし、染料は皮の劣化につながり危険な方法のひとつでもあります。

このように頭同士を接ぐということだけでも、いろんな問題があり、それぞれの技術者が独自の技術をもって工夫をこらしている部分でもあります。

商品を見る場合に、デザインも大事ですが、今回のような肩や衿の接ぎ目などをチェックしながら、お気に入りの商品を探すのもひとつの方法ではないでしょうか。

長澤

にほんブログ村 ファッションブログ オーダーメードへ
ファッションブログランキング

ナチュラルウィーゼル・ドルマンスリーブコート

こんにちは、スタッフ服部です。まだ梅雨中ですが、徐々に夏を感じる日も増えてきました。毛皮でいっぱいのアトリエにはつらい季節が近づいています…(;´д`)皆様も気温差や熱中症などにはお気をつけくださいませ。

さて、今日は新作コートのご紹介です(*^o^*)今期、初めてのコート☆ウィーゼル(ナチュラル)のドルマンスリーブコートです。

ウィーゼルは皮が薄く、軽いのが特徴です。軽さでは毛皮の中でもかなり軽い素材です。抜毛・染色の加工をされて、リバーシブルコートやライニングコート等に使われているのを多く見かけますが、今回使用した原皮は毛質も色も良く、とても綺麗なプレートでした。

せっかくなので、この毛付き・ナチュラルカラーが生きるコートを作ろうと企画したコートです。ドルマンスリーブ〔トルコ人が着たドルマン(外套)の袖を模したもの〕とは袖ぐりが深く、袖口の細い長袖の事です。

昨年あたりから街でよく見かける流行のデザインですね。ニット素材の物が特に多いかと思いますが、Tシャツからブラウス・カーディガンと幅広くデザインに取り入れられています。カジュアル感があり、袖の感じがモモンガのようで可愛いです(o´・ω・)

この可愛いお洋服、私がいつも気になるのはドルマンスリーブの服を着るとコートなどのアウターの選択肢が非常に少なくなるような・・・着られないことは無いのでしょうが、袖のモモンガ部分が引っかかってしまい、コートの中で袖がくしゃくしゃになったり落ち着きが悪く表に当たりが出たり・・・非常に悩みます(;´_`)

特に冬はウール系のしっかりした素材のアウターが多く、寒さを考えるとお気に入りの服でも「今日はこれはやめておこう・・・」となってしまうこともあるのではないでしょうか?

もちろん、ニットのコートやケープ・マントなど全く気にしないで合わせられるアウターもありますが、ニットでは風が抜けて寒く感じたり、マントはカジュアルなコーディネートには仰々しい気がするし・・・やっぱり袖付きのコートが着たい!!という時もあるはずです。

このコートはそんな時にもピッタリ!!ドルマンスリーブのカジュアル感を持ちつつ、毛皮素材なので幅広いタイプのコーディネートに合わせることが出来るようになっております。

特に特徴的なのは衿まわり。フードのついたショールカラーのような衿です。フードから衿部分・見返しまでたっぷりと両面に毛皮を使っているので、いろいろと着まわしができると思います。

カジュアルなパンツスタイルの時は、小さなフード付きコートの状態で。シンプルなお洋服なら前をあけてガウンの様に羽織るだけで様になります☆スカートスタイルの時には、フードをひっくり返してボリュームたっぷりのショールカラーのような雰囲気でエレガントに。

ボタン以外にカギホックもついていますので、前端の見返しを折り返して下まで続くショールカラーのようにも着られます。お着物にも合わせられるかもしれませんね(*´∀`)bボタンもコートと同じ毛皮のくるみボタンになので、妙に存在感を主張することも無く他のコーディネートアイテムの邪魔もしません。

ドルマンスリーブのお洋服にはもちろん、様々なお洋服に合わせていただけると思います(^^)カジュアルなワンマイルウェアの上にさらりと羽織ってワンちゃんとのお散歩なんて良いかもしれません♪

衿の両面が毛皮と贅沢な原皮の使い方をしておりますが、ウィーゼルであることに加えてドライ・ドラム処理をしっかり施しているので軽く、柔らかく仕上がっています。

パショーネのコートは軽さと柔らかさにも拘りを持って作っていますので、ぜひ手にとって感じて頂きたいです(*^U^)ノ皮の柔らかさが生み出すナチュラルな毛色の変化、飽きのこないコートに仕上がりました。

服部

にほんブログ村 ファッションブログ オーダーメードへ
ファッションブログランキング

チンチラの劣化の原因

今日はナチュラルのチンチラの劣化についてお話しましょう。チンチラは触ってわかるように、とても繊細な毛皮です。毛はもちろん、その毛を支える皮も非常に繊細です。皮は背中の部分に少し厚みがありますが、脇から腹にかけて特に薄く繊維な性質上、縦に切れやすのが特徴です。

そのため、チンチラのドレッシング(毛皮特有のなめしの方法)には他の毛皮よりも破れにくいように柔らかく仕上げようとする意図が見えます。しかし、これがくせ者なのです。皮を柔らかく仕上げるために入れる脂の量が他の毛皮に比べ、チンチラは一般的に多い傾向にありました。

そのために、チンチラの皮には樹脂のような水に溶ける脂が他の毛皮よりも多く含まれることになります。この脂が時間とともに空気中の水分をどんどん吸収し、その水が酸化するのと同時に皮に含まれた脂も酸化していきます。

この酸化が進む事が劣化につながります。ドレッシングで使われる脂の酸化が劣化の一番の原因と言えるでしょう。リフォームなどでよく劣化した皮を見ることがあります。これは購入してから時間が経過したことで、脂が酸化し皮の劣化が進んだということでしょう。このような劣化した皮をリフォームする場合に、皮が紙のようにパリパリと切れてしまうことがあります。

毛皮の製作工程では必ず水を使う場面が出てきます。詳しい科学的なデータは解りませんが劣化した皮の大半は、水(H2O)がタンパク質を分解してしまうことにより、元々の皮の繊維(チェーン状に鍵がかかった状態になっているもの)の鎖が外れてしまいます。その為、リフォームの途中で皮が不自然に硬くなったり、切れたりします。

水が原因である証拠は他の水以外の溶剤では水のように切れやすくなることはありません。ナチュラルの原皮を扱う際には水の使い方なども含め、慎重に作業を進めなければならないのです。

しかし、最近のチンチラ・・・例えばデンマーク産のものなどは、そういったことを意識したのかは解りませんが、脂分がとても少なく、表面もヌルっとした感じではなく、カラッとしたさらさらした感触の仕上がりになっています。

これは長い目で見た場合、過去の原皮と比べて劣化の具合に差が出てくるかもしれないと興味深く思っています。そして、これも重要なポイントですが、これら上記のことは全てナチュラルの原皮について言えることです。

前回のブログでご紹介したような、染色加工を施したチンチラはナチュラルの原皮とはまた違う「クロムなめし」という加工がなされています。

クロムなめしとは皮革と同じ形式のなめしであり、この加工のため、染色した原皮はナチュラルの原皮よりも耐久性に優れるようになります。

私達のアトリエで保管している原皮は何年経っても、ほとんどの皮が劣化することはありません。これは劣化の大半は製品になってからの保管状態によって、その度合いに差が出ることを示しています。

長澤

にほんブログ村 ファッションブログ オーダーメードへ
ファッションブログランキング

カラフルなチンチラマフラー

こんにちは、スタッフ服部です。今日も続々と新作のご紹介です(^O^)今日はチンチラのマフラーです☆

マフラーといえば、毛皮小物の中で絶対に外せない最強アイテムと言っても過言ではないと思います。最もコーディネートに違和感なく取り入れやすい小物ではないでしょうか?

そんな最強アイテム☆をチンチラを素材に、色味で遊び心を加えつつ・・・オーソドックスな定番の型で仕上げました。チンチラは非常に柔らかい綿毛のみで構成される、毛の密度も高い毛皮です。この毛皮は皮が薄く「夜の毛皮」と呼ばれるほど、とても繊細でデリケートな高級素材です。

刺毛が退化しているので非常に肌触りが良く、毛のチクチク感が苦手な方にもオススメの素材です。また、チンチラ独特のグラデーションがかったキャラクターとぷっくりした毛の様子がなんとも可愛らしいです(*^^*) 私もチンチラの肌触りは大好きです(ノω`*)ノ”どんなに触っていても飽きません(笑)カマボコのような形も不思議で可愛いですよね(^^)

今までチンチラを素材とした小物ではパショーネらしい、毛皮そのものの美しさ・上質感を追及したナチュラルカラーのものを作る事が多かったのですが、先日のバッグと同様に遊び心を加えてみよう♪ということで企画しました。

チンチラはベースカラーが白~黒色の為、染色すると白い部分はよく染まり、黒い部分はそのままキャラクターとして残ります。薄い色ならば染色後もチンチラ特有のキャラクターが自然な色のグラデーションのように表現されます。

明るい色でも黒部分が必ず入っているのでハデハデな感じにならず、上品さが感じられます。カギホックとクリップ・通し帯が付いていますので、お洋服に合わせて巻き方にも変化を持たせることができるようになっております(^^)

また、バッグの持ち手にスカーフを巻くようにしてクリップで留めたりしても可愛いです☆つい色違いで何本も欲しくなってしまいますね~~(笑)

冬には大活躍のチンチラですが、既出のように非常に繊細な毛皮でもあります。もし、既にチンチラをお持ちの方はシーズンオフにはお手入れをしっかりして、次のシーズンまで大切に保管してあげてくださいませ☆

服部

にほんブログ村 ファッションブログ オーダーメードへ
ファッションブログランキング

セーブルトリム・シェアードミンクバッグ

こんにちは、アトリエスタッフ服部です。今日はパショーネの人気商品のご紹介をさせてください☆

セーブルトリミングのシェアードミンクバッグです!!誕生してからずっと人気の品で、年代を問わず愛されているバッグです。今まではブラックとブラウンでの色展開でしたが、今年は新しい色で・・・ということでライトブルーとピンクで作ってみました。

注目して頂きたいパショーネのバッグの特徴は、持ち手まで毛皮で作られているところです!持ち手はレザー仕様のバッグが一般的ですが、パショーネでは毛皮屋さんらしく☆出来る限り毛皮を使う事にこだわっています。

毛皮の魅力のひとつ、柔らかなフワフワ感を損なわない仕上がりになるように意識してデザインしています。この他もパショーネのバッグは殆どが持ち手まで毛皮で作っています。

全てを毛皮で作ることで、ただのバッグではなくこのバッグありきでコーディネートを考えるくらいに存在感がある、ファッションアイテムになっていると思います(*´U`)小さめサイズですが、見た目より容量がありますので、秋口か春先まで幅広くお使いいただけるバッグです。

更に!!可愛いのはもちろんですが、秘密の実用性も備えているのです(。-∀-)ノ☆ 実際に手に取って初めて味わう感覚、それは・・・なんと!バッグを持った手がホカホカと暖かいのです!!

私も初めて手にしたときはとても驚きましたΣ(・ω・`)))この感覚は持ち手にしっかりと毛皮を使っていないと絶対に味わえないでしょう!寒い季節にはお出かけの最強のお供だと思います。

そんなバッグの新色ですが、ライトブルーの方はトリミングのゴールデンセーブルをブリーチし、シェアードミンクと同じ色に染めてみました。染色があがってきて、それぞれ単体で色を見たときはこの色は大丈夫かなぁ・・・?と少し心配にもなったのですが(笑)

出来上がってみれば、とっても素敵に仕上がってくれました☆セーブルの色加減がなんとも言えない感じに綺麗で素敵です(*^_^*)シェアードミンクのパキッとした色をセーブルがふんわりと馴染ませてくれています☆

ピンクの方は不動の人気色で、身に付けるとお顔を明るく見せてくれたりするビビットなピンク色に定番のファームセーブルを合わせました。ボディは明るい色でも、ファームのセーブルを合わせたことでコーディネートしやすいバッグに仕上がっていると思います。

どちらの色も暗くなりがちな冬の装いを暖かく、華やかにしてくれるでしょう+.(o´∀`o)゜+ 普段はもちろん、パーティーなどには絶対にお供させていただきたいバッグです。

服部

にほんブログ村 ファッションブログ オーダーメードへ
ファッションブログランキング

ロシアンセーブルワイルド・フロントポー

こんにちは、スタッフ服部です。続々と新作が仕上がるアトリエから先日に続きまして、今日も新作商品のご紹介です♪今日の新作はセーブルのフロントポーのプレートで作ったダウンハットです。

ポー(paw)とは・・・鉤爪のある四つ足獣の足・動物の足のこと。フロントポーのプレートとは、セーブルの前足を素材として何枚もはぎ合わせて一枚の布状になっている素材のことです。

通常のスキンと違って、独特の模様が自然に出来上がっていることがポーの味でしょうか。。。特にフロントポーはバックポー(後ろ足)よりも毛質がサラサラしている為、毛艶も感じられてカジュアル感の中に上品さが顔を覗かせている素材だと思います。

ミンクやセーブルなどの高級素材ですと、どうしてもカチッとしたフォーマル感たっぷりな「お帽子」といった帽子が多いのですが、毛皮の帽子は根強い人気があるので、今年のは新しくカジュアル感を全面に押し出した帽子を・・・ということで企画しました。

このダウンハットなら、ちょっとそこまで・・・( ´∀`)ノお散歩♪といった場合にも使って頂けると思います!カジュアルな装いなら大概は悩まずコーディネートに取り入れられるのではないでしょうか。

毛皮らしいボリューム感はありますが、ワイルドセーブルのフロントポーを使っているので重い印象にもなりにくく、秋冬のお洋服との色なじみも良いと思います。

更に、つばの部分は深くまで同じ毛皮の見返しがついていますので、前は折り返してみたり、少し傾き加減を調整してみたり・・・と遊んでいただけます(^U^)端にはワイヤーがぐるっと1周入っていますので、形を維持したまま被ることも可能です☆

そして、写真ではお伝えしづらいのが残念ですが・・・とっても柔らかく仕上がっています!!お出かけ先で「ちょっと帽子を脱ぎたいわ・・・」なんて場合には軽くたたんでバッグの中へ!!忘れ物にはさせません(笑)

私自身もぜひ今シーズンのワードローブに加えたい一品です(*^-^)ノ旦

服部

にほんブログ村 ファッションブログ オーダーメードへ
ファッションブログランキング

パショーネデザインのイヤーマフ

こんにちは、スタッフ服部です。今日はアトリエから冬の定番小物が新しいデザインで誕生しましたのでご紹介させてください(^U^)ノ☆

新作商品・パショーネデザインのイヤーマフです。

イヤーマフと言えば、ヘッドフォン型や後ろから装着するタイプが主流ですが・・・このイヤーマフは幅広のカチューシャとイヤーマフのあいだの子のような感じでしょうか?とっても可愛くエレガントなフォルムに仕上がっております。見ての通りにすっぽりと広い範囲を覆うので保温性も抜群!非常に暖かいです。

修正に修正を重ねたパターンで作っていますが、縫い目はどこ?と思う程、つるんとまんまるな形になっています。前から・後ろから・横から見ても、まんまるで(*^u^*)頭の形がとっても綺麗に見えます。

用途もカジュアルなコートには耳あてつき帽子のような感覚で。クラシカルなコートやレディな気分の時は大きめのカチューシャやボンネットのような感じで。。。

コーディネート次第で、幅広くお使いいただけると思います(^0^)お洒落で暖かくて、とっても便利~♪素材もミンクですので頭でっかちになりすぎず、上品で程よいボリューム感です。

しかも!長時間つけたままでも圧迫感を感じにくいように中には綿が入っています。そのため、頭にのせた瞬間はふんわり、柔らかい毛布にくるまれたような感じがします。

冬の街歩きにも最強のお供になってくれるに違いありません。今年の冬はぜひこのイヤーマフを着けてお出かけして頂きたいです。

ミンクは毛皮の中でも丈夫な素材でもありますので、多少の雨や雪は気にせずお使いいただけます。雪の日なんて絶対的に素敵です!!(*´ω`)b

こういった小物でコーディネートに毛皮を取り入れて頂くと、冬の装いが華やかになると思います:*:.。.:*(´∀`*)*:.。.:*:・’

服部

にほんブログ村 ファッションブログ オーダーメードへ
ファッションブログランキング