よくある、お客様からのコメント

今日は、他のサイトやショップにときどき見かけるお客様からの嬉しい、またはお礼のコメント、、、がありますが、それについて書いてみます。

私も、以前インスタグラムでのフォロワーからのコメントについて数回、このブログに載せました。これは、相手が確定していてインスタグラムのコメントは相手側のものは相手しかコメントできないというシステムなので、私が勝手に書くことはできませんので、ブログに載せてもいいかと判断して載せてみました。

しかし、よくサイトに見かけるコメントは、お相手が、例えば、何々県、30歳女性、、とか確定しない人の意見として、 仕上がりが素敵でした、、、とかが良く載っています。例えば、よくオンラインショップにあるコメントも、場合によっては、ショップ側が書くことが出来ることがあることを以前知りました。全てのショップがそれが出来るわけではないのでしょうが、以前、ミシン屋さんの店長とやり取りしていて、この文をコメントとして使っても良いですか?と言われて実際に掲載されたことがあります。私が直接コメントしてないのです。

でも、これではお客様からのコメントの信頼性なんかなくなりますね。私も驚きましたが、現実にあった話です。

これ以外にも、ホームページにもよく、お客様からの言葉として掲載されていることがありますが、これを載せて、私のところはお客様からすごく喜んでいただいていますというような意味合いで、勝手に書くことができる、そんな言葉に信憑性が担保できるのだろうかと思ってしまいます。

いつものごとくですが、私のところでは意地でも、そんな勝手に書くことができる、お客様からの言葉なんて、ここに載せることはありません。これまで私が書いてきたことの価値がなくなってしまいます。

万が一、そんな言葉をここに載せたなら、仮に本当の、頂いた嬉しい言葉だったとしても、せっかく頂いた大切な言葉をショップやサイトのPRに使ってしまったら私にとっては大変なことになります。商品やサービスの提供で頂いた言葉は大切に自分のなかにしまっておきます。

アピール下手と言えばそれまでですが、そんなメーカーだからこそと問い合わせしてくださるお客様がいて、それで十分なのです。どちらにしても大量に商材を提供するわけでもなく、大量なサービスが出来るわけでもありません。逆に言うと限られたひとのための限られた商材でありサービスです。それでいいと思っています。

私は、このブログやオンラインショップを設計するときに私なら絶対に何度も同じものを読む、そして絶対にここで買う、そんなブログやショップを作りたくて今に至っています。

時に、ブランド力に大きく水を開けられ(当たり前のことなのですが 💦)、悔しい思いをします。しかし、それでもいつか買っていただいたお客様が誇りをもって商品を使うことが出来る、そんな時が必ず来ると信じています。その為のこのブログです。動画がいくら良いと言われてもこのブログにこだわる理由はそこにあります。

いつも生意気なことを書いていますが、これを書くだけの商品とサービスを実際に提供しています。そして、作ることに対しての失敗も成功も積み上げています。今日はここで終わります。 次回は、毛皮のことを何か見つけて書こうとおもいます。   長澤祐一

読み返しのお願い。

今日は、少しお願いごとを書きます。

私のブログは場合によっては際どい部分もあります。その時の思いで書いていますが、書いてアップした後も何度も間違いや生意気な言い回しはないかと、これでもなのですが何度も何度も読み返し書き換えています。ですから1週間くらいした後、気が向いたらもう一度読み返していただけると助かります。少しは落ち着いた正しい言い回しになっているかもしれません。

毛皮を作るときと同じで何度も考え書き換えます。もちろん、完全に納得することはありません。しかし、少しでも正しい記載が出来ることで読む人が正しい理解・判断が出来ること望んでいます。 長澤祐一

オンラインショップで初めてのお問い合わせ

今年四月からオンラインショップを立ち上げてきて、商材が高額であることや実際に手に触れること、試着することが出来ない、このオンラインショップでは、なかなか結果が出せずにいました。そんななかで先月はインスタグラムから、先々月はブログから、そして昨日オンラインショップから始めてのお問い合わせを頂くことが出来ました。もちろん、ブログからは以前からお問い合わせはたくさん頂いておりましたが、ここ数年は更新が忙しくてできなかったこともあり止まっていました。昨年四月に某百貨店毛皮サロンを撤退してから、きっと心配してくださっているお客様もいらっしゃると思います。ご心配をおかけしております。ありがとうございます。

 

オンラインショップからは、まだ一件だろうという人もいるでしょうが、それでも嬉しい気持ちで一杯です。お問い合わせが一件しかないことを恥ずかしくなんか思いません。仮にこの件がかたちにならなくても、問い合わせをいただいたことが大切だと思っています。お客様、勇気を出してお問い合わせいただきありがとうございました。

オンラインショップとしては完全に私のところは後発ですが、今後必ずこれまでのように、20年前にも、当時から日本一と言われていた某百貨店3階毛皮サロンに大会社の競合達を押しのけ商品力のみで小さな私達の会社が入った時のように、このオンラインショップでも自分達の商品力と技術力・サービス力で必ず巻き返してみせると考えています。

ここ半年近く、必ずいつか反応があると信じてやってきましたが、それにしても苦しい立ち上がりでした。もちろん、まだまだこれからです。オンライン上での私達の戦いは始まったばかりです。

 

綺麗なファー商材と丁寧な説明、そして、今は動画の時代と言われるなかでの、このブログから文字だけで発信するという古いと言われるかもしれないこのスタイルで、画像を見る人、文字を読んでくれる人に正しく毛皮のことを伝えようとやってまいりました。オンラインショップやこのブログのアクセス数もおかげさまで少しずつ上がってきています。まだまだ商品数のアップが少ないですが、何度も見に来て頂いて本当にありがとうございます。

 

いずれは動画も使うかもしれませんが、しばらくは文字(文章)の力を信じて、このブログやオンラインショップ、インスタグラムからの発信を続けていこうと思います。

ブログ、インスタグラム、オンラインショップでのお問い合わせありがとうございました。

 

今後も毛皮について、意外に知られていないこと、絶対に知って欲しいこと、これを知ればさらに興味が深まるということ、そして大事な本当のこと、、等を書いてまいります。よろしくお願いいたします。  長澤祐一

 

通常価格や参考価格、二重価格という疑問

オンラインショップをやるようになってからネットでの記載方法を注意深くみて、良く考えるようになりました。自分もネットでこれまでの百貨店時代を意識することなく自由に価格やサービス内容を記載できるようになったこともあるのですが。そんななかで、前回も最高級、、ということについて書きましたが、今日は価格について少し気になることがあったので書いてみます。

よく通常価格とか参考価格、それ以外にも似たような記載方法がありますね。その意味を簡単に説明すると、一般的にはこんなに高く売られています。それを私のショップでは、こんなに安く提供しています、、、というような意味合いで通常価格とか参考価格という言葉が使われているようです。

時々ですが、オンラインショップやオークションで見かけます。

しかしです。一般的にはそれで通用するのかもしれませんが、私はすごく疑問に思うことがあります。参考価格の比較対象が同じオンラインショップであればいいのです。しかし、フォローやアフターの内容が明らかに違うものと比較して、うちは安いよと言うのは疑問に感じます。

通常価格とか参考価格をどこから持ってきたかということがありますが、一般的には百貨店価格や一般的な小売店価格だと思います。

例えば、百貨店で販売した経験があるといっても平場やポップアップショップでしか出店の経験がないところと毛皮でいえば、正式な毛皮サロンに常設していたのとでは、顧客対応から始まってフォローする範囲がかなり大きく違います。私達も某百貨店毛皮サロンに20年近く在籍してきましたが、ここまでやるか?というくらいに過去には顧客対応をしてきました。そんなところのしっかりとコストのかかった価格を参考価格として使い、たいしたフォローもアフターもせず、何か問題がない限り、ほぼ売りっぱなしで店頭実物確認のためのショップも持たないで、現物が届き確認し安心できるまでの、全てのリスクをお客様側に持たせておいて、オンラインショップの価格を百貨店の店頭価格などと比較して、私の商品は安いでしょうというように参考価格という言葉を使うのはフェアではありません。販売における商材の保証、または、その後のフォローの内容は確実に違うのですから、ネットの価格と一般小売の価格を比較することなんかできません。

 

そんな意味でも、参考価格という表示を使うのは私は好きではありませんし、パショーネオンラインショップでも、そんな価格表示は一切していません。価格はあくまで一つですから。そして、その一つの価格に、どれだけの品質とサービスを提供し、価格の満足感が出せるかです。

先日もお客様に教えてもらったサイトに定価とあって実際の価格はすごく安いのですが、定価が今時あり得ない価格が記載してありました。一言付け加えますが、今現在の原皮の価格から実売価格で2000万なんてものはありません。2000万が200万で売られることなんかないのです。

それでも、いまだにそんな馬鹿げた価格が提示されていたり参考価格と称して倍以上の価格付けて、それを半分以下で売ります、、、というような自分だけに都合の良い価格表示構造で差別化するのはパショーネのオンラインショップではあり得ません。ただし、これまでの既存のお客様で購入金額の総額がとても大きいお客様もいらっしゃいますので、当然、フォローの内容は大きく変わることになりますが、それでも現在は、初回にお買い上げのお客様や、お直し、またはクリーニング等でお付き合いが始まったお客様にも出来る限りのフォローはいたします。百貨店時代は本当に売上予算、顧客対応、新作発表、その他諸々があり時間に追われる日々でしたが、今はようやく、時間にゆとりが出来、これまで出来なかった百貨店以外のお客様にも細かな顧客対応が出来るようになりました。このブログや、元々個人的にお付き合いのあったお客様には、これまで十分に出来なかったことをお詫びいたします。

 

今日は、そんなことで通常価格や参考価格という言葉をテーマに書いてみました。これは私の考えであり法的なことは分かりません。しかし、これは安いと、常に誤解を与えるような表示は微妙だと考えます。  長澤祐一

ネットでみかける最高級、最上級という言葉の陳腐さ

ここのところ投稿をさぼっていたので二日連続で投稿します。

高級、最高級、最上級、超レア等、ネットショップではよく見かける言葉です。見る度にまたかと思います。例にもれず毛皮のサイトも似たような言葉が出てきます。ネットの毛皮全部が高級品なら、普通のものはないことになり、逆に最高級品が全部なら最高級品と言われる特別な商品はないと書いているようなもので困ったものだと、いつも思ってしまいます。

もちろん、ちゃんとしたものもたまに見かけますが、これでオーダーなんかできるのかというような仮縫いトワルの写真や、仕上がったコートの画像をよく見かけます。話少しそれますが、仮縫いトワルを写真に撮るにしても使うボディが、これを使ってトワルの検品をするのか?というくらい酷いボディを使っていたり、ボディへトワルを正しく着せ付けるのは結構難しいのですが、こんな着せ付けで、裾が拝んでも逃げていても、どうでもいいのか?というような酷い写真を平気で載せる、これで仮縫いトワルの検品や最終で仕上がったコートの検品が出来るのだろうか?といつも思います。

何十年やってもオーダーは今でも私は難しいと感じます。しかし、お客様の側ではそれ以上に素人だからわからないという事態が生じます。業者を信用して、疑うことなくきっと綺麗に仕上ったのだろうと思い込み納得するという、微妙な空気がその場にいなくてもなんとなくわかります。それくらいいい加減なオーダーが多く見られます。

トワルもまともにボディに着せ付けることが出来ない、まともにアイロンもかけられない。検品するために必要なボディも持たない、そんな人達が仕上がってきたパターンやトワルをどうやって検品するのですか?

または仕上がってきた毛皮のコートをどうやって検品するのですか?確かにオーダーをやっていますとは言えますが、言えるのと出来るのは違います。パターンを何処かに依頼して、作る職人を探して、原皮を用意して、それで出来るというなら誰でもが業者としてオーダーが出来るということになります。でも、そんなに簡単ではないですよ。オーダーを極めるとなると。

あげくの果てに、こんな仕上がりの写真なら何故サイトやインスタグラムに出すのだろうというようなものが本当に多いです。私のところで仮に、そんなひどい仕上がりになって上ってきたら、絶対に画像なんか恥ずかしくてネットに出せません。出せるということは、その酷さが解ってないということの証ですから。

オーダーを完璧に仕上げるのは、そんなに甘くはありません。

こうやって書くと、一見、他人を批難しているように見えますが、実際には自分自身のオーダーやすべての仕事への厳しさ、難しさを自覚しているところです。

ごめんなさい。話が大きくそれました。

話を戻します。超何とか、最高級、超レア、もっとありますよね。パショーネオンラインショップの商品説明やニュースという記事がありますが、全部チェックしていませんが、多分、超とか最高級とかの言葉は使っていないはずです。

そんな言葉が要らないような商品と説明をしています。

だいたい、超レアとか書いてあるものでも、たいしてレアじゃないものがあったり、セーブルであればなんでも最高級とありますが、実際は食品と同じでピンキリがあったりする訳で、ものすごく幅が広いのが現実です。

超最高級なんて書いたら、自分のサイトがいかに陳腐かをわざわざPRしているようなものになります。楽天なんかのショップじゃよくありますが、例えばビッグブランドのホームページで、最高級なんて多分ですが、見ないですよね。超、、、なんてきっとありません。使えば使うほど安っぽくなりますから。

Googleの検索ロボットがこの陳腐な言葉をどう理解して、検索で拾われやすくなるのか、またはならないのかは私にはわかりませんが、仮に検索で引っ掛かりやすくなるとしても、超何とかとか、最高級なんて私は意地でも使いません。

丁度都合良く、それが差別化になると良いなくらいに思っています。  長澤祐一

 

 

使用素材の明確化の必要性

今日は商品に使われる素材について書いてみます。一般的には例えばミンクであれば、どういう種類の原皮を何枚使用しているとかが記載されるべきなのですが、ほとんどの売り場やオンラインショップでも、そこまで記載されることはありません。

自分的に言えば少し残念な気がします。毛皮は作るものによって、頭の部分が残ったり腹の部分がたくさん残ったりします。商品のデザインや作り方で残る部分が出ることが多いのが毛皮製品です。

その残皮をスクラップといって買い求めてリサイクルのように、その残皮で製品もたくさん作られています。主に中国やギリシャで作られるものが多いのですが、稀に国内でも作られています。ギリシャなどでは、小さなピースを集め仕訳・整理して、プレートにされることが多く見られます。インスタグラムのDMにもギリシャや中国のフォロワーから残皮を売ってくれと依頼があります。

例えば、ヤーンと呼ばれるネットに3~4mmのテープ状にカットされたセーブルを使い作る商品がありますが、腹の部分だけが綺麗に余りますので、それを大量に集めマフラーにしたりもします。もちろん、毛皮を100%使い切るという意味ではとても良いことなのです。

ただ、ネット等ではそういうものの販売については、本来であれば原皮の詳細を書く必要があると思うのですが、セーブルマフラーとしか書かれないケースが多く見受けられます。もちろん全部ではないのですが。

最近ファーマークという、いわゆる原料の生産地、鞣した場所、その他その毛皮の生産に関わったところが記載されたタグが付くことがありますが、それも大事なのですが、販売する側はもっと、元素材のどの部分から作られたものなのかを記載すべきだろうと思います。それによって同じセーブルでも価値が大きく変わるからです。どんなに長いロングマフラーでも、セーブルの頭だけを使って作られたものも良く目にしますが、本来のセーブル本体を使ったものから比べれば価値は大きく下がります。それを、価値のあるセーブルをリーズナブルに提供しますというような言葉で半分騙して売るようなことはすべきではないはずです。買ったお客様がどこかで恥をかくことがあるかもしれません。私達のように商品をみて原皮の頭なのか、腹なのか、一番価値がある胴体の部分なのかがすぐにわかるひとは別にして大半の顧客側に立った人たちは記載がなければ、それぞれの価値が解らないのが普通です。

もちろん、全てを教えればいいのかというと、知らなくてもいいものもあるはずです。そして、教え、伝える私達にも大きなリスクがかかります。私も現実に悩んでいます。どこまで伝えれば、本当の商品価値が伝わるのか、そして夢を壊さずに販売ができるのか。特にオンラインショップという場所で、テキストで書いたものは簡単に記憶から消せません。そして、知りたいと考えるひと、知らなくても良いと考えるひと、オフラインであれば、それぞれを見ながら対応できます。しかし、オンラインショップでは一方通行になりがちです。悩みます。

ファーマークも聞くところによるとかなり厳しい基準でマークを申請し提供されるということですが、何故か私は、表紙だけを変えようとしているだけのように感じます。申請・登録の基準が厳しく、小さなメーカーは、ほぼつけることができません。今流行りの、跡を辿るという意味では正しいのかも知れませんが、そんなことよりも、各メーカーや販売元がもっと丁寧な使用素材の説明をするべきではと感じます。そして以前も書きましたが自社が行う全てのことに対して、他の何かをもって証明したりしなければならないという仕組みを変えるべきであろうと感じます。私のところではファーマークは手に入りませんが、元々つける気はありません。自分の商品の良さや信頼性は自分のところの商品力やサービス内容で築くしかないと考えています。それが小さくてもブランドとして生き残る唯一の道であり私達の意地でもあります。

 

パショーネのオンラインショップでは、ほとんどの商品に使用原皮の内容と枚数を記載しています。たまに漏れているものがあるかもしれませんが、極力、商品の内容は細かく書くように努めています。

 

下に、原皮の使い方で頭や腹が余ることがあることの以前の記事がありますのでリンクを貼っておきます。作り方や作るものによって原皮の余る部分が出るということの参考になるかもしれません。よかったら見てください。  長澤祐一

ホワイトミンクマフラー

 

 

 

 

 

 

 

 

毛皮のバイオクリーニング

こんにちは。最近では珍しく10日以上更新ができませんでした。ごめんなさい。

今日のテーマは文字通りバイオクリーニングです。国内のクリーニングでは、私が見ている限りでは依然としてパウダークリーニングオンリーですね。

私のこのブログはプロのかたも見てると思うので、バイオクリーニングの詳細は書きません。しかし、国内サイトではどこを調べても毛皮に関するバイオクリーニングのことは出ていません。

それは、何故だかわかりますか?

簡単です。一般的なクリーニング屋さんじゃ出来ないからです。

私は、この薬品を海外から仕入れましたが、国内にはありません。

それと、その方法ですが、やはり毛皮を知らないパウダークリーニング専門の業者さんには難しいと感じます。もともとの毛質が素材によってどう違うのか、良い状態、悪い状態さえしらない可能性の高い業者では難しいと思うのです。

海外ではプラス匂いをとったり、黄ばみを取ったり、黒く色をクリーニング作業の一環で染めることが出来たりと、さすがに海外の技術の進歩はすごいものがあります。

色を染めるなら色落ちが、、、と思いますが、多分、酸化染料を使うのかもしれません。さらに70%酢酸を使うこともあり、もしかしたら毛の組織を破壊することに使うのかもしれません。あくまで推測ですが。組織を破壊したところに染料をいれていくということなのかどうかはわかりませんが、きっと色が定着することで色落ちがしないのかもしれません。毛皮の歴史が長い分大量のリフォームやリメイクが求められ、新しい技術が作られてきたのだと思います。

私は、実際に海外から取り寄せてみたのです。実際に私のところにくるクリーニングは、そのほとんどが私の商品なので当然綺麗ですし、汚れたりしているものがなく、なかなかその効果を現実に明確に見ることができないのですが、理屈から言えば汚れは取れるはずです。詳細は言いませんが。

黄ばみを取ることも、これは取るというよりは、クリーニングをして汚れによる黒ずみを落とし、青味を少しずつ付けるという手法ですが、確かに画像で見る限りはきばみが取れています。綺麗なサファイアミンクの色になっています。

いずれ、私のところでもビジネスとして立ち上げるかもしれませんが、しばらくはテストを繰り返してみようと思います。何故なら、これはクリーニング屋というより私達、毛皮を作る人間の仕事だなと感じたからです。海外でも、私が確認したほとんどが毛皮を修理したり作ったりするところでした。

このバイオクリーニングは、国内業者さんがやっているパウダークリーニングとはまったく考え方が違います。最終的にドラムをかけてムダ毛等を取ったりはするかもしれませんが、訳の分からない、効果がどれほどなのかもわからないパウダーなどは一切使わずにやります。

基本的には、毛皮を良く知るひとたちだからこそ出来るクリーニングだなと感じます。ですから、クリーニングは受けるが、全て専門の業者に出しているような小売店さんや小売りサイトさんではクリーニングする現場がない訳ですから無理なのです。一般的な業者さんの薬品とオガをいれて機械に入れ、あとは危険なグレージングマシンにかけて、エアーガンでポケットに入ったオガを取り除くというような毛皮のクリーニングではありません。

バイオクリーニングの作業自体はリアルに毛そのもののクリーニングです。

最後にひとつ伝えますが、私がいつも書いている毛皮のクリーニングは、ことある度に書いていますが、リフォームをすることが前提で毛と皮そのものも含めたクリーニングですが、今回のバイオクリーニングは純粋に毛の部分のクリーニングです。

毛皮コートをお持ちで、このバイオクリーニングに、ご興味のあるかたは遠慮なくお問い合わせください。お待ちしております。

長澤祐一

 

僅かな差が 大きな差に

すみません。一つ追加します。(2021/9/5)

最後の方だと一度読んだ方が気が付かないかもしれないと思い最初の部分に記載追加します。以前、ミンクは毛が短いほうが価値があるという誤解という投稿でも書きましたが、今日の某ブランドのミンクの毛もショートナップではなく、サガミンクによくある刺し毛の長いタイプを使っています。私のミントグリーンのコートも多分ショップかインスタグラムでですが少し刺し毛が長いタイプだと書いています。ピンクのコートの背中側の画像の裾の部分を見ると刺し毛が長いのがわかります。パショーネのコートも刺し毛が少し長いタイプですが、毛の癖が綺麗に取れているので、凄く綺麗なのが分かりますね。売り場でも知識の乏しい販売員がショートナップの良さだけ売り物にする場合がありますが、実はそうでもないのです。ショートナップももちろん素晴らしいのですが、サガミンクに見られる刺し毛の長いタイプも綺麗に作られると、それはそれで美しさが分かります。ショートナップにしても、刺し毛の長いタイプにしても、毛の癖がちゃんと取れてミンク本来の力が出れば綺麗なのです。

ここまでが、追加です。ここから下が元々の投稿になります。この下も読んでもらえると、より理解できるとおもいます。

 

以前、出店していた百貨店毛皮サロン在籍中、某有名ブランドFE???でお買い上げになられたコートのお直しをメーカー側がやれず、サロンに在籍していたリフォームの業者さんに依頼があり、そこでも出来ないといわれ、困って、私のところに持ち込まれたことがありました。

同じデザインを色違いで二点買われたようで、二点のお直しを同時に依頼されましたが、お直し自体は、なんで出来ないと断られたのだろうという程度のものでした。仕事を終えて、とりあえず写真を撮ったのです。

もちろん、作業中にも感じましたが、そのブランドが撮ったモデルが着用した画像や、ショップに飾ってあった時のイメージとはあまりにも落差があり、同じ仕様の同じデザインのコートなのに、芯の貼り方や最後の始末の仕方が違っていて、おそらくはイタリア国内で作っているのだろうと思われるのですが、作り方が違うということは、一つの工場で作ったのではなく外注加工で作られたものだと想像ができました。

普段は、よくそのブランドの店頭で見るくらいなので細かく作りまでは見ることが出来ませんでしたが、その時はじっくり見ることができ、もともとイタリアの毛皮そのものの基本的な加工技術(あくまで基本的な加工技術です)が繊細で綺麗だとは思ったことがなかったので、特に驚くことでもなかったのですが、それにしてもあの高級感のある売り場で見る印象とはだいぶ違うなと感じたものでした。正直、素材も作りも私が見る限りでは、少し残念な気がします。しかし、いつも発想は斬新です。それ故に惜しいな~と思うのです。元々海外ブランドの毛皮コートは素材の硬さや重さのあるものも多くあり国内の小柄な女性が着るには難しいと感じていました。

同じ皮系の素材として靴やバッグがありますが、どのブランドも、とても均一に高いレベルで作られていますが、毛皮は原皮一枚ごとの個体差が大きく、全てを均一に作るのはとても難しい素材です。国ごとに技術レベルも違いますが、それ以上に個々の技術者のレベルに大きくばらつきがあり、それが顕著にでる素材なのです。私のとこでも何度か外注加工を試みたのですが、仕上がりに納得がいかず結局自分で直すことが多く、その難しさをいつも感じ、外注に出すことを断念しています。

今日アップしたブランドのこのピンクのコートの何が一番残念かというと、染色時に起こる毛癖が付いたままの状態で作られています。細かい毛の癖ですが、これがこのコートが一番残念な部分です。モデルさんの髪の毛が寝ぐせが付いてたりしたら駄目なのと同じなのですが、ほとんどのケースで染色時に毛に強い癖が付きますが、これをなかなか完璧に綺麗に取り除くことが出来ません。もちろん私のところではできますが、やはり設備も技術も必要になります。癖を取るのに蒸気を使いますが、蒸気だけでは100%は取れません。熱をかけることのリスクもかかるので自信がないと出来ないのです。よくある毛皮用のスチーマーで7割くらいは取れますが、残りの30%の毛癖を取ることが見栄えとしては、より大事になります。そして大きなリスクもあり、一般的にはその三割を取るのを断念します。染色における熱と毛に染料を入れるために使われる薬品のによるダメージは厳しいのだと想像できます。

 

 

たかが毛癖なのですが、とても大事なところです、ここに某ブランドのコート画像とパショーネのコート画像を両方アップしますので、その僅かな違いが大きく仕上がりに影響することが分かってもらえると嬉しいです。

 

これ以外の画像は直接インスタグラムのリンクからみてください。

染色では色の濃い方が癖が強く出やすいのですが、下のリンクを見てもらえば毛の癖がしっかりとれることが確認できます。

 

以前、アップした染色時についた毛癖取りについての投稿もここにリンクを貼っておきますので見てください。

毛皮の染色後の毛癖取りと仕上げ

 

チンチラマフラーのクリーニング

今日もクリーニングについての投稿ですが、一般的なものではありません。

以前、毛皮の編み込み(ヤーン)タイプのクリーニングを書いたことがあります。https://www.passione.co.jp/blog/yarn-muffler-cleaning/  今日は、この続きを書いて見ます。

クリーニング前

 


ヤーン(編み込み)タイプにはセーブルやチンチラの大判のショールやストールがあります。これは、どちらかというと首に直接触れずに、和服のように少し抜き気味に着用することが多いので、汚れ方としてはかなり軽いか、もしくはほとんど汚れないというケースが多いのです。しかし、細めのマフラーになると首に直に巻き付けることが多いので、チンチラにしてもセーブルにしても、皮脂がべったりと付いてしまうことがあります。

写真は以前使った写真ですがセーブルの編み込みタイプが皮脂がべったりついてしまったものです。この手のクリーニングはアトリエで何度もやっているにも拘わらず、小さなマフラーのクリーニング記事を掲載するつもりがなかったので写真がないのです。すみません。チンチラのクリーニング前と後があればよかったのですが。よく考えれば、こんな皮脂の汚れで困っていらっしゃるひとがたくさんいるにも拘わらず、、、なのですが、当時はお取引先の受注品の作業に追われっぱなしで、この手のクリーニングで毛皮ファンの役に立とうと考えておりませんでした。

以前の、取引先(百貨店)ではリスクが超高いものは万が一があるとクレームもすごく、私一人の問題ではなくなってしまうのでとてもビジネスにはならず、かといって、百貨店に出店していたこともあり、このブログでオープンに仕事としてアピールし価格を表に出すこともできなかったので、百貨店の本当に親しいお客様のものくらいしかクリーニングをしていませんでした。

お客様のものをやるという、その理由のひとつに販売した時期がわかるということでした。劣化がするような状態ではないことが分かっているからです。それと親しいお客様であればチンチラやヤーンの繊細さ故の弱さがあることもご理解いただき、そのうえでのクリーニングになりますので、繊細な作業にはなりますが、ある程度の安心感をもったなかでの作業でした。

しかし、やっと時間もでき、さらにこのブログで、価格を提示してもよい環境にもなりましたので、今後は少しずつ自分のところでしか出来ないようなクリーニングやお直しも受けようと思います。

まず最初に、チンチラは購入後どれくらい経過しているか、または保管の状態はどうであったのか?これによっても劣化の度合いが違います。ヤーンでも皮脂が皮に染み込んでしまって、それが原因で劣化が進んでしまっている等、様々な状況が考えられます。

最初にお聞きすることは購入から何年経過しているのか?さらに写真を撮っていただき見せていただく必要があります。

それ以外にも確認事項があります。クリップやカギホックがついていると、ヤーンはドラムに入れてクリーニングしたときにヤーンの細い毛皮を引っ掛けてしまうので一度取り外したりと、ものによって手間が全く違うのです。さらに表から見て大丈夫と思っても実際に現物を見ると皮がすでに劣化していてクリーニングの意味がなかったりもします。

そのため、チンチラにつきましては、どんなものでも一度現物確認が必要になります。それによって価格が決定します。一応の目安としては状態がよく留め具もついていないものでチョーカーのように短いもので6,600円プラス送料からになります。大き目のものや留め具を中を開いて取り外さなければならないものは11,000円プラス送料くらいか、それを超える場合もあります。さらにストール系になると、古いものは裏地も替えないといけないという場合が多く価格は都度現物を見てということになります。おおよそは見積もりがでますが、ここには書きません。遠慮なくお問い合わせくださいませ。すべては現物確認をしてからになります。

価格につきましては、よくある、 6,000~ と単純な表記もありますが、この手のもののほとんどが6,000円で収まることなどなく意味があるのだろうかと思ってしまい、私はできません。少し細かいですが、様々な条件を聞いた上で判断したいと考えています。

よくネットにもチンチラのクリーニングがYouTube等でありますが、ひとによってはパウダーのようなものやコーンスターチのパウダー等を使います。自分もこれをやりましたが、皮脂が完璧にはとれないのと、付けたパウダーが完全に取れないという、結果としては中途半端なものでした。さらに業者さんがやるパウダークリーニングもありますが、パウダークリーニングで使う有機溶剤の量では落ちないのと、クリーニングドラムに入れるならば留め具は最低でも外すか保護する必要があるのと劣化に業者さんが気付くことが出来るかどうかという問題もあり、安易に受けて適当な仕事をするか、怖がって全てを断るかのどちらかになる気がいたします。

それくらいチンチラは難しいのです。例えば新品で買って2~3年で皮脂でべたべたになった場合は費用を少しかけてもクリーニングすることで2~3年は使え、結果的に5~6年使えるというパターンが一番理想的と思います。あとは購入価格や品質によって、さらにクリーニングをして長く使うかどうかの判断になろうかと思います。もちろん、ヘビーに使えば一年でべたべたになりますから、毎年クリーニングが必要になります。クリーニング費用も掛かりますが、その分たくさん使用するわけであきらめもつきます。お客様によってはスカーフ等を上手く使い地肌に直接付かないような使い方をされていらっしゃるケースも見受けられます。

写真上が、皮脂でべたべたになったセーブルの編み込みマフラーです。下が綺麗にクリーニングされた状態です。上の写真の状態で使う気はしませんよね。

何かございましたら、遠慮なくお問い合わせくださいませ。

長澤祐一

カテゴリーについて

今日は、このブログについてお伝えいたします。最近、更新もしながら過去の投稿やブログ全体をチェックしたりしていましたが、意外に探したいものが見つからないことがありどうしようか考えていました。

まず分かったことはカテゴリーワードの設定が欲を出して一つの投稿に複数のカテゴリーワードを設定していたことに気付きました。
これだと、例えばリフォームを読みたいのにクリーニング記事まで出てきてしまって、本来、読んでもらいたい投稿、または読みたい投稿に、なかなかたどり着かないという状態になっていました。

そのため、極力、カテゴリーワードはひとつに変更致しました。ただし、リフォームとクリーニングのように、どうしても二つのカテゴリーワードが必要な場合もあり、その場合のみ複数のカテゴリーワードになっております。それでも、これまでのように、どうでもいいようなカテゴリーワードが複数設定されることはなくなりましたので、今後はサイト一番下のカテゴリー欄から見たいものを選択してもらえば見たいものに早くたどり着けるかと思います。

それと、一つお詫びしなければならないのですが、携帯からサイトに入られる方にはモバイル仕様のサイトが立ち上がりますが、カテゴリーを表示する設定がなく、サーチ機能しかありません。リフォームやクリーニングは検索をかけてもらえればすぐに出てきますが、それ以外で私が書いているものをカテゴリーワードで検索するには一番下にあるディスクトップをクリックしてもらい、ディスクトップ用サイトに入っていただき一番下のカテゴリー欄にて、お探しいただきますようお願いいたします。
お手間おかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

以上のように、見たいものはカテゴリーから選択してもらえれば、ほぼ読みたいと思うテーマに沿った投稿が見つかると思います。これで、無駄になっていた見たいものを探す時間が節約できるかと思います。

私自身が、このサイトを再構築する能力がありませんので現状のシステムのなかで、出来る範囲で見やすい、探しやすいように今後は修正をしてまいりたいと思います。百貨店での仕事や、その百貨店を辞めた後の一年間はアトリエリニューアルやオンラインショップの立上げ等をやっていて、なかなかこのブログに何年もの間、手が付きませんでしたが今後は少しでも読みやすい、少しでも探しやすいブログに変えてまいります。

もちろん、世の中は動画の時代でもあり、このテキストだけのブログにどれほどのひとが集まるのかは分かりませんが、このブログを探してくれた方は、一度に集中して何ページも続けて読んでいただけているようで、私自身嬉しく思っています。
元々、たくさんの人がこのサイトに入ってくることなど当初から想定も期待もしておらず、今のままで良いとも思っています。

逆に言えば、この難しいブログであるからこそ、いい加減な問い合わせがほどんど来ないとも言えます。
それで良いと思っています。

 

長澤祐一