円安のせい?

先日、海外のお客様、Googleアナリティクスだとロンドン?かもしれませんが、

オンラインショップのボレロが販売されました。もちろん、当社のオンラインショップでは海外への販売はできません。

国内の買い付け代行業者さんが、オンラインショップから購入し、それを海外のお客様へ発送したようです。商品発送で様々な付属品の説明をメールで購入者様に説明をしたところ、海外のお客様が購入されてそれを代行業者さんが海外へ発送することがわかりました。

商品とともに送ったものの説明の本人へ翻訳をして送るということでした。

海外だと本来は消費税等はかからず、関税での税金がかかるのかもしれませんが、それでもこの円安だと何の影響もなく買えてしまうのですね。

インスタグラムのDMにもこれまでたくさんの海外からの問い合わせがありましたが、海外販売はしていないと断ってきました。

今のところは、すぐに海外販売をする予定はないですが、代行業者さんを使っても買うという海外のお客様がいらっしゃるのは驚きました。

何よりも嬉しかったのは海外のお客様がわざわざ手数料を代行業者さんに支払ってでも欲しいと思っていただけたことでした。直接のやりとりができないことが残念ですが、無料クリーニングに戻ってくることはないと考え保管用品三年分やチャームその他出来るだけのことをして発送いたしました。

丁寧に代行していただいた業者さん、そしてパショーネの商品をお買い求めいただいた海外のお客様、ありがとうございました。

長澤

passione ファーコートという他社での記載

こんにちは、今日はPassioneというブランドについて、いくつか類似するものがあるので説明を致します。

私の会社が社名をパショーネとし、商標登録をプレステージアスパショーネとしたのは27年くらい前のことです。

当時すでにパショーネ(passione)は商標登録されていて使えませんでした。

呼び方もパショーネとしたのは、正式なパッシオーネは日本では発音しにくかったこともありパショーネにしています。

本来であればPassioneで商標登録が出来れば良かったのですが、当時は取得出来なかったのです。どちらが権利をもっていいるのかは今も解りません。

同じ毛皮業界でも似たような社名が私たちの後に出てきましたが、社名は多分ですが、地域が違えば同じ社名もありなのかと思いますので仕方ありません。

そのかわりですが、ドメインだけは、passione.co.jp で当然ですが、これは日本で当社だけのものです。

ショップドメインはfur-passione.comです。

 

前置きが長くなりましたが、最近、よくオークションサイトで passione ファーコート というような、品名がたくさん見受けられます。 passione の o の上に 横棒が入っていて、ものによっては パシオーネという名前で出ていらっしゃいます。

 

これは私のところの商品ではありません。くれぐれも誤解のないように気を付けてください。

このような表示が一社ではありません。よく調べると株式会社ですが、代表のお名前がそれぞれに違います。

ファッションブランドでよく同じ名前がありますが、パショーネではなくパッシオーネという名前だったりします。

パッシオーネやパシオーネはよくありますが、パショーネは当社しかないはずです。

ブランドタグもpassioneのOの上にバーがあって、おそらくパシオーネかパッシオーネと読むのでしょうか。

レジスターマークも入っていますので、商標登録されているものだと考えますが、一見私のところのラベルの白黒を反転させたように見えてしまい誤解を受けそうですが、私のところの商品がオークションサイトに出ることはありません。

ブランドタグも以前のものと今現在のものは違いますがアルファベットでPrestigeious passioneと記載されています。

お買いになられたお客様がオークションサイトに出すこともないわけではないですが、作られた商品数からいっても確率は少ないかと考えます。

下記に一例を記載しますが、正規品 美品 passione とありますが、かなり紛らわしいです。

 

★正規品 美品 passione パシオーネ 豪華!フォックスファー使用 メタル混ツイル トレンチコート ブラウン

 

こんな記載がネット上にあり、他にもたくさん passione ファーコート というようなものもあり、しかも一社ではなく数社で、このような表示がされています。

 

オークションサイト以外にもあるようです。

おそらくですが、パシオーネさんというブランドがあり、それが正規品として出たり、中古品としていろんなオークションサイトに出ているものと思われます。

今現在当社の商品が販売されているのは川越アトリエとオンラインショップでの販売だけですので、都度ご確認をお願いいたします。

もちろん、他社様のものも素晴らしいのかもしれませんが、川越アトリエとオンラインショップ以外の掲載はPassioneと記載があっても当社の商品ではありません。

お間違えのないよう、よろしくお願いいたします。

 

長澤祐一

 

原皮のラベル 他人が決めた価値に頼るという違和感

以前から疑問に思っていたことですが、最近また気になったことがありましたので書いて見ます。
毛皮の素材表示または素材のタグ、例えばサガファー(sagafurs)やコペンハーゲンファー(kopenhagenfur)の各種タグがあります。ロシアンセーブルなどで言えばSOBOLのラベルなどです。

私のところも以前は付けていました。sagaロイヤルやコペンハーゲンのラベルのようなものを。
しかし、今は付けていません。それは、そのラベルに絶対的な信憑性がないからです。ラベルは原皮一枚ごとに付けるわけにもいきませんから、最終的には原皮屋さん、加工屋さん、販売店の良心に依存します。最後、商品になったら誰もわからないのが現実です。かすかに言えるとすれば原皮を良く知る人ならば、これはこのクラスのものだろうと推測で判断が出来るということだけです。
タグがなくてもすぐわかるとすれば、ほんとのトップクラスのブラックグラマミンクや生産者が特定しやすいマーブルミンクくらいだと思います。

にも関わらず、販売側は一生懸命に、素材ラベルを気にし、それをことさらアピールします。今も時々、毛皮小売店のサイトで見ます。何故、自分の評価でお客様に薦めることをしないんだろうといつも思います。自分が見た、感じた評価ではなく他人か決めた価値感にその評価を委ねる。なにか違うなといつも思います。

ひとつ付け加えますが、実際にどうやって原皮とラベルが一致されて原皮屋さんに供給されるのかは私には当事者ではないので解りませんが、実際の原皮とラベルの品質が一致しないというのはオークション会社の問題ではないのかもしれません。その原皮とラベルの取り扱いをする段階での問題のように感じます。しかし、上で書きましたが原皮一枚一枚にラベルを付けるわけにはいきませんのでどうしようもないのです。原皮屋さんが適切に原皮とラベルを提供したとしても、末端の制作段階において原皮が他のものと混ざらないという保証もなく、加工段階で意図的に差し替えられることも可能性がないわけでもありません。最終的には毛皮を扱う業者がすべて良心的であるということを祈るしかないのです。
ただ、それは難しく感じます。

私のところでは、原皮はそれぞれ自分で価値を決めて使います。あまり他人が決めた価値には拘りません。あくまで使う原皮と作る商材が求めているものを一致させることを優先しています。余程のことがない限りはラベルは付けません。例えば、 ブラックグラマのような特殊なものは付けますが、実際、そのラベルが原皮のロットのものかは判別できませんし、なんとなく矛盾を感じながら仕方なく付けています。

例えばロシアンセーブルなどのSOBOLラベルも、正確ではないかもしれませんが、聞くところによると1バンドル50枚に一枚付くとも言われています。しかし、現実には4枚使用のショールなどにも必ず付きます。実際、私も付けます。セーブルを買っている量もそこそこあれば、欲しいといえばもらえます。逆に言うと普段はセーブルを買ってもラベルは付いてきません。

なんとなく不安を煽るようですが、そうではありません。一般的なものを不安なく買うという意味ではラベルは大切です。さらに最近よく言われているトレーサビリティ・跡をたどるという意味でも大切です。ただ、さらに今以上の商品を買おうとするならばラベルを気にすることよりも、毛皮そのものを今以上に知る必要があるのと、買う相手をしっかりと選別する必要があるということです。品質を証明するラベルがついていることをことさら強調する売り場が仮にあるとすれば、一度少しだけ疑ってみても良いかもしれません。

私のブログは販売業者さんもみていると思いますので付け加えますが、これを読んでカチンとくるか、これを読んでなるほどと思うかは、その人次第で、出来れば良く受け止めてもらい、それぞれが毛皮という本当に解りにくい商材の信頼性をラベル以外の方法も含めて高めていくことに努めてもらえればと祈ります。

極端な話ですが、某超ビッグブランドのFEN??がコートの品質を保証するためにわざわざ原皮のラベルを付けていますか?そんなことはないですよね。私が知る限りではありませんでした。時期によって変わるのか商品によって変わるのかはわかりません。素材ラベルを付けないのは、品質やブランド力に自信があるからなのでしょう。当然のことです。でも、それは知名度があるから余計なラベルを付ける必要がないわけでわなく商品に対する自信からなのだと私は思います。きっと、創業当初で知名度がない時代であっても自分のブランドタグ以外に余計なラベルを付けることはなかったのだろうと、それが自分のブランドに対する自信や良いものを作っているという意識からくるものであって、今のようにビッグブランドになったからではないのではと感じます。

私のところがそれと一緒とは言いません。しかし、自社ブランドへの誇りと商品に対する思いは同じなのです。そんなこともありPASSIONEでは他人のつけた価値に頼るようなラベルは一部のもの以外は付けていません。

以前、某百貨店時代に、お客様からオーダーを受けて、PASSIONEブランドラベルを付けないでくれと言われたことがあります。きっと無名の私達のラベルを付けるのを恥ずかしいと感じられたのかもしれません。百貨店側のお客様なので当然指示に従いましたが、当時、悔しい思いをした記憶があります。お一人だけでしたが、そんなことも過去にはありました。

だからといって、他人が決めた価値に頼って、曖昧な原皮のラベルを付けようとは思わないのです。
書きたいことはまだまだありますが、今日はこのへんで止めておきます。

もしも、お客様として今回の記事を読まれるのであれば、きっといつかお役に立てると思う記事ですので、原皮のラベルにおける諸事情は記憶に留めておいていただければと思います。      長澤祐一

パショーネ カラーファーコレクション(三越日本橋本店本館3階イベントスペース西)

パショーネ カラーファーコレクション(三越日本橋本店本館3階イベントスペース西)

 

昨日、13日から19日までの1週間、三越日本橋本店本館3階イベントスペース西にて、パショーネのパステルカラーをメインにしたファーコートと小物を展示しております。

ファー小物、バッグ等のお好きなお客様がいらっしゃいましたら、是非ご来店くださいませ。

バッグ等、間違いなくパショーネでしか作れないものばかりです。

バッグ一点だけアトリエで撮ったスナップ写真を載せます。

追伸、 いつもいつも本当にたくさんの方に私のブログを見に来ていただいており、更新できずに本当にお礼と、お詫びを申し上げます。これからも当ブログを可愛がっていただけますよう、お願いいたします。

今日は、13日から一週間19日まで三越日本橋本店本館3階イベントスペース西にて開催しておりますパショーネのカラーファーコレクションのお知らせでした。

長澤祐一

 

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ブログ再開

もう、どのくらい更新をしていないのか忘れてしまうほど長期に渡ってお休みをさせていただいておりました。にも関わらず、毎日アクセス数は変わらずに続いており、ダイレクトで入って頂いている読者の方や、Google等から入っていらっしゃる読者の方、本当にありがとうございます。

四月で、ようやく三年以上お待たせしてきたお客様のものが終わり、あとは、デザインが決まらずに、仕掛ることができないもの等、まだまだ仕掛らなければならないものはたくさんありますが、昨年決定したもの以外や、デザイン未決定のもの以外は一応一区切りという状態になりました。

最後に仕上げたものは薄いピンクのアーミンのコートでした。本当に、長期に渡りお待ちいただきましたが、仕上がりには本当に喜んでいただいて、長い間、仕掛れずに苦しんできたことも、ようやく報われたような気がいたします。

そして、長期間お待ち頂けたことを誇りにも思います。写真は正面からだとデザインが全部分ってしまいますので横からのものをアップします。

アーミンコート (さらに…)

【和装コート】ブラウンロシアンブロードテール(Russian Broadtail)

今日は、久しぶりにロシブロ(ブラウンロシアンブロードテール(Russian Broadtail))のことを書いてみます。デザインがわからないように後ろからの画像しか載せません。前回のグレーのメンズロシブロはスキンから、お作りさせていただきましたが、今回は一着分のプレートになったものから作っています。

プレートの着丈は125cmあったので、私がみたなかでも最大のプレートでした。スキンの状態も、腑がグレーの時と同じように豪快で、毛も短すぎずペタっとし過ぎず最高の状態でした。 (さらに…)

バッグの型崩れを戻す

今日は、バッグの保管について書いてみます。

アトリエでも、すべてのものではありませんが、保管をうけたまわることがあります。例えば、お直しが発生して、そのままシーズンまで保管するというようなこともある訳です。

今日は、アトリエで作ったバッグが戻ってきた時に、当然、商品チェックをし、クリーニングをしてさらに、長期保管をする場合のことを書いてみます。

下の写真をみればすぐにわかると思いますが、バッグによっては形が崩れていないという条件が、とても大事なものもあります。 (さらに…)

デイビークロケットハット(Davy Crockett hat)

Davy Crockett hat
今日はアトリエでもめったに作らない帽子の画像をお見せします。呼び名はデイビークロケットハットと呼ぶようです。以前、お客様のご依頼で作りました。

素材はアメリカン・ラクーンです。アライグマ科に属するアライグマということらしいです。たぬきとは違うということですね。それ以上の詳細は分かりません。 (さらに…)

アトリエでの毛皮の保管方法

今日はアトリエでの毛皮コートや原皮の保管状態について書いてみます。

普段、褪色だの、やれクリーニングだの、と細かいことを書いていますが、じゃ、アトリエではどんな保管をしているのかと疑問に思われるかもしれませんね。

以前は、アトリエでも一般の会社と同じようにカバーに入れるか、むき出しでラック保管かというのが現状でした。コートを一点カバーかけして保管は当たり前なのですが、5年前くらいから少しずつ、ラックにも黒い生地をかけて光がほとんど入らないようにしています。 (さらに…)