東レacsさん CAD 3d の凄さ

今日はCADとアパレルCADと関連した3Dソフトということについて書いてみます。

もともと今使っている島精機のCADとCGを導入したのは多分20年前くらいです。

数年後に機種本体をアップグレードしてWindows2000からWindowsXPにして本体もスペックアップしてパントーンも入り多分100~150万くらいしたと思います。その後は、そのまま使っています。さすがに現在は、他の用途では使えるレベルのパソコンではなく、モニターはナナオに変えましたが、ウィルスソフトは対応していなくなってしまい、ネットワークに繋がずに単体で使用している状態です。

その当時でデジとプロッターも含めて、多分900万前後したような記憶です。もう少し安かったかもしれません。ただ、これ以前のCADとCGの業務用コンピューターは多分2000万以上していた記憶です。丁度私が買ったときに新機種としてSDSONEが出たばかりで思わず購入を決めました。

その当時から3DCADにも興味を持っていて、いくつかのソフト会社さんからも無料で試用させてもらったりしていました。

しかし、その頃の3Dは、やはり使えるというようなレベルではありませんでした。

現在も、その傾向が強いメーカーが多いですが、当時の3Dは、ボディに三角メッシュで出来た生地を単純に着せ付けて、柄を乗せてみたりして、あくまで仕上がりイメージをシミュレーションするものが多く、パターンメイカー(パタンナー)がトワルチェックに使用できるレベルではありませんでした。

4年くらい前に、久しぶりに大きなアパレル機材の見本市にメーカーさんに誘われて行ったのです。

島さんやユカさんをメインに見学しました。

ユカさんもかなり気になっていたのです。

島さんもユカさんも何度も見に行き、今ひとつと考えていたときに東レさんと出会いました。

島さんもユカさんも3Dといってもトワルチェックが出来るような仕組みとは思えませんでしたので、がっかりして展示会場をうろうろしていたのです。

もともと、各社3Dといっても、着せ替え人形のようなものを作っていたのです。私にはそう見えました。どんなにリアルな3Dでもパタンナーが求めるものとは違います。

パタンナーが必要としているトワルチェックが出来るような3Dではありませんでした。

どことは言いませんが、まともにトワルも組めず、アイロンで本来の形も表現出来ずに、どう見てもパタンナーではあり得ないような、酷いトワルを画像にして、これで、3Dでシミュレーションした画像とどうやって比較するの?と思うような酷い内容でしたので、あ~ここは一生続けてもパタンナーが望む3Dは出来ないなと当時は感じたのです。

もう一社も、高額で有名な3Dのソフトを入れて、毎年のソフト更新代が30万、、とかいう話で、なんじゃそりゃ??と思いました。ここも、パタンナーが一般的に使っているボディさえも、その時は3Dボディのデータがないとも言われ、これでは、ただの着せ替えのための3Dで、トワルチェックが出来ないだろうと感じました。

それぞれに大手メーカーでありパソコンもかなり画像処理能力の高いスペックが必要であったりと、価格もそれなりでした。今はコロナがあって、その後大きな見本市があったかどうかは確認できていません。そのため、その後どのくらい進歩したかは不明です。今回は少し否定的な言い方です。ごめんなさい。現在は変わっていればと期待します。

しかし、前回の内容や実際のトワルの画像を見る限りでは、このレベルのトワルと3Dのトワルを見て比較する意味があるのだろうか、しかもそれぞれに優秀な方たちが企画作成に参加したなかでの、この結果は、そもそも元の考え方から違っているようで仕方がありませんでした。

そんながっかりさせられた中で、これまで気に留めることがなかった東レacsさんのブースに何気なく立ち寄り、ひとりの男性の営業さんの話を聞いてみました。

これが素晴らしかったのです。パソコンの能力もグラフィックボードの能力も他のメーカーと比べると、一般的なパソコンの能力で充分に3Dシミュレーションができ、一番すごいと感じたのは、パタンナーが一番どこに時間を取られ、一番早く結果を見たいとおもう、その部分に焦点をあててソフトが開発されていたことです。

他のメーカーにありがちな、パソコンの能力を最大限に使い、いかにリアルな3Dシミュレーションをするかという部分を売りにしたものが多いなか、普通のパソコンで、パタンナーが一番欲しい情報をすぐに得ることが出来るという、パターン作成に特化した3Dソフトになっていて、顧客ボディも作りやすく、やる気さえあれば、こうしたいという本人の求めるものが明確になっていれば、おそらく、多くの時間をかけることなく習得できそうな、そんな画期的なソフトです。

天竺は縦糸と横糸でできていますが、3Dトワルが同じような構造なのか、三角メッシュなのかは解りませんが、着用させるのも無重力を交互に使ったり、軸固定を使ったりすることで、着せ付けも楽になりました。

このブログでもよく書いていますが、他社のホームページやインスタグラムでの商品やトワルの着せ付けた写真が、あまりにも酷いことを書いてきましたが、トワルのボディーへの着せ付けは意外に難しく、パターンそのものが悪く拝むのか、ボディへの着せ付けが悪く拝むのかが意外に素人には解らないものです。

こんなことが、3Dソフトを作っている大手メーカーさんのところでも起こっています。こんなぐちゃぐちゃのアイロンもまともにかかっていない、さらに着せ付けもまともに出来ていないトワルをどうやって3Dトワルと比較するのかと、4年くらい前の見本市でレベルの低さを見せられて愕然としたのを思い出します。

きっと東レacsさんも、まだまだ当分、自分たちに追いつけないと感じていたと思います。

逆に一般的なパソコンの能力が上がってきたことで、これまで若干弱みに映っていた部分(パソコン本体の能力)も今後は追従し、追い越すことも考えていらっしゃるのかと感じています。それくらい今のパソコンの能力が高いと言えます。しかも中級レベルでも充分に動きます。

まさに、パタンナーのためのCADであり3Dソフトと感じます。

今回は私のブログでは珍しくべた褒めですが、本当に優秀なソフトです。

コロナの影響もありサポートも個別対応していただけるようで、以前会社に都度電話をして聞いていたことを考えると、すごく聞きやすくなりました。

さらに価格もとてもリーズナブルです。個々のパタンナーが使うことが出来る価格です。

20年前には、CADを懐疑的に見ていたプロのパタンナーや講師もいらっしゃいました。

手で線を引き、生地でトワルを組んで、、、と それが当たり前の時代で、縫い代付けを何年も修行と称してやったり、それが習得と言われ、寿司屋の職人さんのような感じがしていました。

しかし、極論かもしれませんが、先生方には怒られるかもしれませんが、手で線を引いたり、トワルを裁断したりしない世代が当たり前になる時代も来るのかもしれません。

実物大で線を描き、生地を裁断しないと理解できないという理屈も分かるのです。

しかし、デジタルツールを使うことで何時間もかかって体験する作業が、あっという間に体験できるとすれば、これまで何年もかかって体験してきたことが、より短期間で出来るのです。いずれ使う側はデジタルツールの中の体験を仮想なのか現実のことなのかの区別がつかなくなるのでしょう。それくらいに普段の道具になるはずです。

もともと私が作る毛皮には地の目がなく、場合によっては、どの方向へも伸びもたりします。そんな私の仕事だからかもしれませんが、私自身がほとんど紙ベースでパターン作成をしたことがありません。パターンを勉強し始めたころパターンの学校に行ったときに紙ベースで作業をしたくらいで、その後CADを使い始めてからは、ほとんど紙ベースで作業はしてません。

パソコンの3DやCAD上で、豊富な体験をした新しい世代が生まれるのだろうなと想像しています。

もしかしたら、私が知らないだけで、すでにそうなのかもしれません。

今後のことになりますが、古い入出力機材がシリアル→USB変換で使えるのかが解れば嬉しいです。

以前、パソコンを使いだしたころのことを書いた記事もありますが、その道のプロだったりする人がデジタルなツールに意外に懐疑的であったりしました。実際多かったのです。

おそらく、自分達が築いてきた実績や技術が否定されてしまうような感情があったのかもしれません。しかし、大昔に宇宙のアニメがあり、そのなかでやっていることが、今は現実に出来るような時代です。

デジタルという四文字に込められた意味は幅広く、、そして奥深く感じます。

毛皮という、素朴な素材でも何かしらデジタルツールと関わっていく必要があるはずです。

そんな中で、費用も個人レベルで充分に使えるという東レACSさんのアパレルCADは感心されられます。こんな素晴らしいツールを提供してくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。

実際にこの3dCADで作成しだしてからのパターンの安定感は素晴らしいものがあります。

以前は、裾の床上がり(地面からトワルの裾までの距離)は、仮縫い時の着方や姿勢に問題があって発生していることが多いと考えていましたが、3Ⅾで確認して以降は、ほとんど前後や脇の差が無くなりました。

勝手に自分のパターンのせいではなく着方で数値が変化しているのだと決めつけていたのです。

それが目からウロコでした。3Ⅾで確認修正したパターンでは、ほぼ毎回数値が大きく狂うことはありません。仮縫い後の、都度の修正が本当に減りました。

私の仕事のなかでは久しぶりの大ヒットツールです。

今回は以前から書きたかった東レacsさんのことでしたが、支離滅裂な部分もあったかもです。特に読み直しも書き直しもせずにアップ致します。夏が終わったばっかりですが、毛皮のシーズンを目の前にして作業に追われています。おかしな部分があったらごめんなさい。

長澤祐一

毛皮のドライクリーニング 毛皮の皮から脂を抜く難しさ

今日は、毛皮クリーニング 毛皮の皮から脂を抜く難しさ というタイトルです。

一般の方には、すごく解りずらい内容ですね。

 

私のブログでは何度も書いていますが、

簡単にいうと、毛皮は皮の脂を抜き過ぎると、干物のようにカチカチになります。ほんとのことです。するめイカのようになります。

毛皮を鞣すというプロセスがあります。業者さんは鞣しをそのままプロセスとも呼んでいます。

この鞣しのときに入る脂の量というか、脂の抜き方で毛皮が商品になったときの仕上がりとその後の保管による毛皮の皮の部分の硬化や劣化に対して大きな差が出ます。

この脂の入り加減に三つのパターンがあります。

 

一つ目は、脂を抜き過ぎると、するめイカのようにカチカチになります。そのままでは加工することも商品にすることも出来ません。抜き過ぎると本当にカチカチになります。

 

次に、脂が適度に入っている、、、言い方を変えると適度に抜くが正しいかもしれませんが、実際に適度に抜かれた皮は、湿気も吸収しにくく、柔らかく、さらにさらっとしていて、乾いた感じがします。

ただ、この状態はすごく幅がせまく、鞣しやさんがやるドライクリーニングでも、なかなかピッタリにはなりません。でも、この感覚を触って分かるようになるには、豊富な経験が必要です。何度も様々な条件の皮を加工して仕上げてみて初めて分かることです。単に何千本と毛皮の皮を触っても理解することはできません。

 

最後に一般的によくあるタイプで、脂が残り過ぎの状態です。ほとんどがこの状態です。この状態は、鞣し上がりの初期状態はとても柔らかくてよさそうに見えます。しかし、時間の経過とともに湿気を吸収して、徐々に硬さがでます。原皮屋さんが長期保管した毛皮のほとんどが硬く湿気を吸収して重く感じるのは、このことが原因です。しかし、鞣し上がりのときはすごくよく見えます。

 

このように原皮の段階でも、上に書いた三つの状態があります。

 

それではどうして、二番目の一番ベストの状態に、なかなかできないのか?ですが、鞣し屋さんで使っているドライクリーニングの機械は、大型で溶剤だけで毛皮を入れて回し、気化した溶剤を再度、液化する装置が付いていて、ドライの効果も強く、そして早く脂を抜くことができます。

ただ、この早く抜くことが出来るというところに、もしかしたら微妙なコントロールが効きにくいのかもしれません。私は実際にやってみていないので明確なことは言えませんが、抜き過ぎて問題になるより、抜きが少し足りないくらいが一番コントロールしやすいのかもしれません。

そういう意味では、私がやっている通常の毛皮用のドラムで、オガと有機溶剤を混ぜて、少しずつ長時間かけて脂を抜くほうがコントロールが効きやすいとも言えます。

実際に、市販の有機溶剤を使って、毛皮の皮をびちゃびちゃに濡らして絞り、そのまま乾燥すると、カチカチになります。

ドライクリーニングの機械ではジャブジャブ有機溶剤で洗い、ドラムの中で回転させながら乾かすのだと思いますが、回転させながら有機溶剤を気化させますので一旦は柔らかくなりますが、仮に抜き過ぎたとすれば、水に濡らすとカチカチになります。ただ、このへんの最終仕上げ方の詳細は私は分かりません。想像です。

ただ、私がやっていることは想像ではなく事実です。ベストの状態というのは、すごく範囲が狭く、脂が残り過ぎると湿気を吸って重くなったり硬化したりしますし、抜き過ぎると逆に硬くなります。本当にベストの状態は難しいのです。

ですから、効率は悪く、時間はかかってもゆっくり時間をかけて抜くしかないのです。そのためにリフォーム前にやるクリーニングはドラムに丸二日間入れて回しながら自然に有機溶剤が気化して自然に乾燥するまでドラムに入れるのです。

ただ、私がここに書いているようなことは、誰も気にしてはいません。

ここまでやっていることさえ、一般の業者さんには、このブログを読んでも理解もできず、信じることもないのかと思います。

皮をギリギリまで薄く鋤くことや、長期の柔らかさを維持するための皮に入った脂の量を調整したりすることは国内どころか海外でさえも、誰も気にしていないのが現実です。

もちろん、これだけでパショーネの商品が綺麗に見えるわけではありません。実際に作る感性と技術があっての現在の品質ですが、同じように私が作っても皮の状態の悪いものは、同じ仕上がりにはなりません。

それだけははっきり言えます。それくらいに皮の状態が仕上がりに影響します。

今日書いたことは、理解してもらうのには、かなり難しいテーマでしたが魅力的な毛皮にするという意味では、すごく大事な問題です。

 

長澤祐一

 

追伸  先日、鞣しの技術者さんと話をする機会があり、皮を鋤くためには鞣し用の油を入れるらしいです。脂ではなく油です。その油の目的は、皮を鋤くときに毛根を切らないようにするために皮を膨らませる目的だそうです。油を皮に塗って染み込んだ後にコーンスターチを溶かしたものを塗ってさらに皮が膨らむようにするようです。その時に使った油を抜くためにもドライクリーニングが必要だとも言っていらっしゃいました。頂いた電話で40分も話し込んでしまい、申し訳ありませんでした。そして互いに知識を深められたこと嬉しく思いました。いつかこのことは別に書きたいと思います。

 

毛皮の作りとコンピュータ、そしてデジタル化

私が34歳の時、この仕事で独立した頃、当時、海外の有名な某ブランドのアトリエに入って仕事をされた経験をお持ちの方に付属屋さんの紹介で、お会いする機会がありました。国内でも当時は有数の職人さんだったかと記憶しています。

その当時、数回お会いし、当時のその方のアトリエを拝見させていただいたり、いくつかヒントを頂いたり、お作りになられた商品を見せていただいたり、自分の作ったものを見ていただいたりと、大変お世話になった記憶があります。

当時、私は、まだWindowsではなく、DOSVパソコンをいじりだしたころで、その頃、すでに、いずれ、こんな手仕事でも必ず、コンピュータを多用する時代がくると、今では考えられないような貧弱なソフトで作り方を記録していたり、アシストカルクという表計算ソフトでデータを管理したりして、毛皮という超アナログな仕事にコンピュータを使うことをトライしていました。

何かの電話で、当時その崇拝するほど距離のあった、その職人さんにコンピュータについて話す機会があり、こっちは独立したばっかりの超ド新人で、それでも、熱く思いっきり、いつかコンピュータの時代が来ると、その職人さんに語ったのを記憶しています。

反応は、もちろん冷ややかなものでした。ご自身の仕事に大きなプライドをお持ちでしたから、コンピュータでものが作れるなら苦労しないと言われ冷ややかに笑われたことを覚えています。
もちろんこっちは、何も言えるはずもなく、黙って奥歯を噛むしかなかったのですが。

それから28年くらい経ちました。私の今の、この超アナログ的な作業の連続の毛皮を作る仕事のなかでも、コンピュータが使えなくなったらどうなるか?など想像しなくてもコンピュータがなければ何もできないことがよくわかります。東北の大震災の時にも電気が使えないというだけなのに、手作業の私たちの仕事が何もできませんでしたから。。

作業の全てが、CADやデジタルデータによってコントロールされているから

その職人さんも、当時を思い出すと細かくノートに裏地のまとめ方などを記録していたのを思い出します。そうなのです、その職人さんも実は、アナログですがデータ化をしていたのです。私はそれを、デジタルデータとして保存したり、作り方の難しいもは動画化して、それをエクセルのハイパーリンクですぐに見たいデータが見れるということをしているだけなのです。

今では、動画はあたり前の時代ですが、20年前では、デジタルビデオカメラなどない時代で、8mmビデオカメラで撮って、デジタルデータ化するのも撮った時間と同じ時間をかけて8mmを回してデータとして取り込んだものでした。今は一瞬で取り込めますが、そんな時代から動画化をしていました。

私たちのような手作業の多い仕事は基本的には頭脳と手先の熟練によって作業が行われていますが、どうしても全ての情報を覚えることは出来ません。膨大なデータ量ですから。仮に、私はデータなど使わないで仕事が出来るという人がいれば、それは、毎日、同じ種類の仕事をしていらっしゃるか、もう一つは少し否定的な意見ですが、たいしたレベルの仕事をしていないという証です。決して自慢できません。

私のアトリエでの仕事は手作業の部分が大半ですが、その作業をコントロールしているのはデジタル化されたデータなのです。こういう場合はこう作れ、、、とか、CADもそのひとつです、何度でも同じデータが使え、プロッターで出力できます。

以前、youtubeで孫正義さんの公演を聞かせていただきましたが、そのなかで、多分チップの能力の話だったかと思いますが、この30年で2の20乗、いわゆる100万倍進化し、さらに今後30年でまた100万倍進化すると言っています。もう、数字が大き過ぎて、よく解らない世界ですが、おそらく私たちの仕事もきっと大きく変わるのだろうと想像はつきます。

私のところにある島精機の古いSDS-ONEでも、コートの色をリアルに替えることができますが、そんなことはもうあたり前で、3Dシミュレーションでデザインやトワルのチェックも出来るという、つい、10年前ではおもちゃのようなソフトも、コンピュータの能力がものすごい勢いで進化したことで、今後はソフトもどんどん進化して私たちの毛皮を作る仕事でさえも、実際にコンピュータのなかで全ての予測や段取りができてしまい、あとは実際のモノづくりだけが手作業として残ってしまう、そんな楽しみな時代が来るのかもしれません。

オーダーもZOZOTOWN(ゾゾタウン)のような考え方があたり前になり、私たちのような小さな規模の企業にも、新しいシステムを導入して行かないと生き残れないというのは、おおよそ想像がつきます。

私たちの、大半が手作業のような毛皮を作る仕事でも、作る人のテクニック以外のほとんどのものがコンピュータやデジタル化された機器によってコントロールされる時代がくるのでしょう。そうなればなるほど、私たちの手作業の部分だけが大事な仕事として残ります。もちろん、手作業以外がデジタル化によってコントロールされた企業になったときの話ですが。

そして、当然、三回目のブームと言われているAIも大きく関わることになるのだろうと思います。私のところも、パターンを作る作業等で、毎回同じ作業を強いられます。毎回やっているにも関わらず、毛皮専用のパーツパターンを作ったりすると、細かいミスが頻発します。

マニュアル化しても、人がやれば、やはりミスは何度も起こります。AIがもっと身近になれば、こんな問題はなくなるのでしょうが、現状はまだ難しいのです。

私の仕事が現役で出来る限られた時間との勝負になるのでしょうが、早くそんな時代がくれば、より手作業でしかできない仕事の大切さがクローズアップされるのだろうと思います。

今日のテーマは、一週間かけて少しずつ書き溜めましたので昔のブログのように少し長めになりましたが、今日のテーマのコンピュータは、私のなかでも、本当に大事なツールであり、同志のような存在です。

もちろん、分からないことが多くてたくさん苦戦もしていますが、これからも、コンピュータの能力に注目し、自分の仕事にどう活かせば、もっと仕事が楽しくなるのかを考えて日々の仕事をして行こうと思います。

長澤祐一

 

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ブログ再開

もう、どのくらい更新をしていないのか忘れてしまうほど長期に渡ってお休みをさせていただいておりました。にも関わらず、毎日アクセス数は変わらずに続いており、ダイレクトで入って頂いている読者の方や、Google等から入っていらっしゃる読者の方、本当にありがとうございます。

四月で、ようやく三年以上お待たせしてきたお客様のものが終わり、あとは、デザインが決まらずに、仕掛ることができないもの等、まだまだ仕掛らなければならないものはたくさんありますが、昨年決定したもの以外や、デザイン未決定のもの以外は一応一区切りという状態になりました。

最後に仕上げたものは薄いピンクのアーミンのコートでした。本当に、長期に渡りお待ちいただきましたが、仕上がりには本当に喜んでいただいて、長い間、仕掛れずに苦しんできたことも、ようやく報われたような気がいたします。

そして、長期間お待ち頂けたことを誇りにも思います。写真は正面からだとデザインが全部分ってしまいますので横からのものをアップします。

アーミンコート (さらに…)

ミシン針の針先を研ぐ(続編)

今日は、ミシン針の針先を研ぐ(その2)の続編として、毛皮用で使う三角針について集中して書いてみます。

前回、グラインダーで研ぐと書きましたね。最近、家内の意見を聞くと、少し訂正をしないといけないと感じました。

三角部分の針先も研いだほうがいいというように書いてありますが、男性と女性では指の力が違うようで、女性は、三角部分を研ぐことで、皮を切って進んでいくことがしにくくなり、ザクッという刺さり心地がなくなり、丸針と同じ、ヌルッとした刺し心地になるようで、それが刺さりが悪いと感じるようです。

三角針は、表面を削ってあるぶん錆びやすいこともあり、私はグラインダーで研ぎますが、それが、女性には刺さる感じが鈍くなると感じるようです。 (さらに…)

【訂正とお詫び】Dropbox プロ(個人ユーザー向け)の使い勝手

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今日は以前当ブログで書いた>Dropbox プロ(個人ユーザー向け)の使い勝手で、最近判明したことを少し訂正をしようと思います。

以前からも会社で使うHPのZ1というワークステーションが重く感じることがあったのですが、ドロップボックスプロの導入後、特に重く感じることが多くなりました。 (さらに…)

毛皮の水張りで使う道具

今日は一般の方には、まったく面白くない道具のお話です。

毛皮は生地のようにアイロンをかけたりして表面を平にすることもありますが、基本的には少量の水を使い、皮の表面に湿らせ、皮を伸ばしながら求める形に皮を張って平らな状態にして線を引いたりカットしたりして作業をします。

職人さんによって、その仕事の呼び名は様々なようです。水で湿らすことを味をする、、、ともいいますね。私は、職人さんに教わった経験がないので、あまり、通常、職人さんが使う言葉を知りませんので、ここではその呼び名は控えます。 (さらに…)

ミシン針の針先を研ぐ(その2)

2014年7月24日に、このタイトル「ミシン針の針先を研ぐ」で書いて、こんな記事誰も読まれないだろうと思っていたのですが、以外に検索から入ってくることが多く、今日は追加で毛皮用の針について書く事にしました。

一般的には、商品として完成している針を研ぐのは??と疑問に思うひとが多いと思います。しかし、検索ではよくこのタイトルに近い語句で入って来ていただいてます。

毛皮針の針先研ぎ方とその他、気になること

毛皮の針で、三角針という、先が三角に削られている針があります。毛皮の皮が硬い場合には、よく刺さって良い針です。しかし、この針で生地を刺すと、場合によっては生地を傷めます。それと、三角に削ってあるぶん、少しだけザラつきがあり、針先の三角部分は少しだけ、滑りがわるいことがあります。このザラつきが皮を切って刺さっていく大事な部分でもあり、しかし、この三角針の弱点でもあるのです。他のひとは違う考えをもつかもしれませんね。あくまでわたくし個人の意見です。 (さらに…)

PFAFF 3560でセーブルをレットアウト

今日は以前、紹介いたしましたがPFAFF 3560というミシンでセーブルを縫う動画をご紹介いたします。ビデオはワンクールだけで短いですが、多分ヘビーシルバリーセーブルを縫ったときのものだと思います。シーズン中で急いでいて、一瞬だけ撮ったのだと思います。

この動画はセーブルの皮の薄さと縫いの薄さを知ってもらうために、縫っている部分に近づけて撮っていますので、手ブレが少し起きています。でも、縫い目はしっかり見れますので是非ご覧ください。

PFAFF 3560でセーブルをレットアウトする

30年以上前に多分、当時の西ドイツで作られたこの大きなミシンは、当時、日本で大流行していたミンクのコートのレットアウトをするために作られました。私が独立する前にも当時代理店をやっていたところに来てもらい、縫いのサンプルなどをみせていただき、ちゃんと調整すれば縫えるのだろうと確信していました。 (さらに…)

パショーネのアトリエ設備

今日は先日、久しぶりにパショーネのアトリエ一階の掃除・片付けをしたので、写真にして初めて公開しようとおもいます。興味のある方は見てください。興味がないひとにはまったく面白くない今日のブログです(汗)。

お客様にもあまり見せることがない、この一階には、二階アトリエで設置できないものが置いてあります。

パショーネのアトリエ設備

下の画像の左端のキャメル色の扉のついている大きな四角い形をしているものが(半分しか写っていませんが)乾燥機です。90c × 180c の板が ゆとりを持って6枚は入ります。しかし、今は全部入れることはありません。 その右隣、写真中央の白いテーブルにブルーの色をしている機械が回転アイロンです。ローリングアイロンとも呼ばれているようですね。多分、イタリア製だと思います。 (さらに…)