【毛皮クリーニング】オガの効果と汚れ具合

今日は毛皮のクリーニングで使う、オガについて書いてみます。

毛皮用のオガは何種類もあり、用途によって使い分けをしているようです。私のところでは、スペースの問題もあり、そんなに何種類ももっていませんが、それでも三種類くらいの、細かいものから粗目のものを持っていて、素材によって使い分けています。

写真を見てもらうと、色が少し違うのが解りますね。左の少し赤みのあるのが新しいものです。右のオガは青みがついていますが、これは、使用済みのもののオガです。

oga

新しい原皮を使って作られたコートなどからは、このように色が変化したオガになることはありません。これは、リフォーム品を溶剤で洗い、オガと一緒にドラムがけして乾かしたときにできた、汚れたオガです。 (さらに…)

チンチラのクリーニング後のリフォーム

今日は前回の記事にあった、有機溶剤で洗ったチンチラコートをロングマフラーに仕上げたビデオです。

二点、リメイクを受けて、一点は少し黄ばみがあり、コートにするのはやめました。内容はビデオを見てもらうしかありませんが、柔らかさと毛の風合いです。

大事なことはビデオで、すべて言いたくないことまで言ってますので、書く事はほとんどないのです。

チンチラは場合によっては、新しいバンドルでも、劣化のあるものが、たまに混じります。そんなこともあり、リフォーム品のほとんどが劣化してると言って過言ではないのです。 (さらに…)

毛皮のクリーニングをどこまで知っているか?

今日は、また面白くない、毛皮のクリーニングのお話です。すみません。ほとんどの毛皮のサイトでクリーニングについて書いてありますね。

そして、その内容のほとんどは毛皮はパウダークリーニングがいいと書かれています。しかし、そのサイトでパウダークリーニングがいいと書いた、どれだけのひとが実際にパウダークリーニングを自分でやったことがあるのでしょう。この私も実はやったことがないのです。

やったことがあるひとは、私の予想では、ほとんどいないでしょう。ほとんどが業者任せですから。それくらい、どこかに書いてあることをただ記載しているというのが現実です。 (さらに…)

毛皮のウォータークリーニングの問題点

最近、よくウォータークリーニングという言葉を耳にします。しかも、毛皮も出来る???というような見出しもあります。今日はこのことの問題点について書いてみます。

一般のクリーニングでもウォータークリーニングをよく耳にしますが、最近もうひとつ、気になったのは 忍者ウェットという洗う機械と手法をセットにして販売されています。詳しくはわかりませんが、一般の衣類のクリーニングではきっと素晴らしいクリーニング方法なのでしょうね。

しかし、毛皮を水洗いするのは極めて危険なことなのです。 (さらに…)

毛皮用のクリーニングドラムについて

ご無沙汰しています。本日からまたブログ投稿を再開いたします。昨年9月に少し書いて、その後、2015年11月の更新が最後になっていました。

最初は、もっとしっかり更新しようと思っていましたが、お客様の受注を遅らせながら更新するわけには行かず、ずっと更新できずにいました。まだ、新規受注以外に難しい仕事が数点残っているなかでの更新ですが、今日はそのお客様達にも少しお伝えする意味でも更新をしようと思いました。

私とところでは、オーダーであれリフォームであれ、毛と皮の状態を最高の状態にするということに差はなく、どちらも徹底して自分の納得のいくところまでやらさせていただいております。それを知っているお客様もいらっしゃれば、知らないお客様もいらっしゃる訳で、しかし、知っていようといまいと、毛質と皮の状態についてはとことんやらせていただいております。 (さらに…)

毛皮のリフォーム とクリーニング | オガドラムの効果

毛皮のリフォーム前のクリーニング「オガドラムの効果」について書いてみました。毛皮のリフォーム前に、弊社アトリエでは、徹底したクリーニングをしていますが、そのなかで一番大事な脂を抜く作業があります。

脂を抜くことの意味については、何度も書いているので他の記事を読んでもらえればよいのですが、今日はその脂を抜く作業のなかで、ひとつ大きな問題があることを書いてみます。

溶剤を使って皮の脂分を抜く工程は皮、毛、ともに溶剤に漬け込みます。そこで、溶剤に脂を溶け出させるのですが、あまり長時間つけすぎると脂が落ちすぎてしまい皮にとっては危険な状態になります。

しかし、中途半場に溶剤からだしてしまうと、液に溶けだした脂が毛全体についてしまいます。これは専門の業者さんにやっていただいたとしても、起こり得ることです。溶剤から取り出すタイミングや溶剤の量などに、微妙な感覚が必要だということが解ります。 (さらに…)

毛皮のリフォーム前のクリーニング


Fur_Cleaning

今日は毛皮のリフォーム前のクリーニングについて、もう少し具体的に書いてみます。

上の画像を見てもらうと解りますが、溶剤で丸洗いして出た汚れです。これだけ汚れているということになります。

業者関係者が見て誤解を生まないよう書きますが、回収設備のいるパークと専門的に呼ばれている溶剤ではありません。一般に市販されている溶剤を使っています。もちろん中国でいまだに使われているのではないかと疑われているフッ素(フロン系)溶剤でも、ありません。 (さらに…)

毛皮クリーニング、私のもうひとつのこだわり

見えない裏側の皮の部分のクリーニング

 

今日はなぜ私が見えない裏側の皮の部分のクリーニングにこだわるのか?という、もう一つの理由について書いてみます。

私が経験したリフォーム品の数は弊社がリフォーム専門ではないという理由もあり、そう多い数量ではありません。ただ、少ないと言っても年間で数点しかやらない訳ではなく、何百着と言う単位にはならないというくらいの着数はやっています。

このなかの半分近い点数で、匂い、カビ、は当たり前ですが、ダニ等の虫がついている場合がみられます。虫が付くのは古い毛皮コートの保管の状態に原因があります。 (さらに…)

毛皮のクリーニング(毛ぐせとり)


今日は毛皮の一般的なクリーニングと弊社のアトリエでやるクリーニングとの違いを昨年、ビデオに撮ったものがあったのでそれを見ながら説明してみましょう。

毛皮で一番大事なのは表から見える毛であることには間違いないのです。しかし、それと同じくらい大事なのが毛を支えている皮の部分です。私の経験では毛はほとんどの場合劣化しません。

皮は、以前も書いていますが、タンパク質でできていて、思ったよりも条件次第では劣化いたします。そして、劣化がある程度のところまで進行すると、病気の癌と同じように手が付けられない状態になります。 (さらに…)

毛皮クリーニングの問題点

やっと、昨年のものが終わり、ようやく新しいシーズンがスタートします。せっかく立ち上げたブログも二か月手つかずになっていました。

昨年始めたブログを読んで、お問い合わせいただいた、大切なお客様の大半がシーズンに間に合わず今シーズンまでお待ちいただいてしまいました。そのお客様にお詫びのメールをだし、やっと、今日から、また、始めることができます。

今日は、クリーニングについて書いてみます。毛皮は基本的には水洗いができません。理由はなめしの方法にあります。レザー製品のようにクロムなめしという手法ではなく、ドレッシングという手法でなめされています。

毛皮の場合柔らかさを出すために、この手法が用いられているのですが、 (さらに…)