2012年8月11日
今日はチンチラのブラックベルベットと普通のタイプの違いについて書いてみます。
チンチラは毛質の等級とキャラクターの濃さの等級でランクわけされています。
キャラクターの濃さはXD(エキストラダーク)・2XD・3XDまであり、ブラックベルベットを3XDの中に入れるか単独で扱うかは生産者によって違いがあるようです。
まず等級わけについてですが、なんといっても毛皮は自然のものなので、計測したようにぴったりに分けるわけにはいかず、あくまで人間が見たり触ったりして判断して分け、バンドルにされています。写真にある半裁のチンチラマフラーは2XD(ツーエキストラダーク)くらいランクのもので作られています。
この2XDよりも更にキャラクターが濃いものに3XDやブラックベルベットと呼ばれているタイプがあります。これはキャラクターが真っ黒になっており、価格もそれなりに高くなります。
そして、この3XDやブラックベルベットのようなキャラクターの濃いタイプの原皮には、一般的には知られていませんが、毛質の違う二種類のタイプがあります。一つは2XDをそのまま濃くしたタイプ。もう一つはキャラクターの毛質や全体の毛質がさらっとしていて毛が弱いタイプのものがあります。
一般的には2XDや3XDのキャラクターの毛の色は毛先が真っ黒で、先から3mmくらい奥でいったん白くなります。その奥は根元までグレーになりますが、ブラックベルベットの毛の弱いタイプは毛先が黒から始まって、そのまま白にならずに自然にグレーに変化していきます。さらに一般のチンチラとの違いはこのタイプのブラックベルベットとは頭まで真っ黒です。
後者のこのタイプの原皮は多くが毛質が弱く、ボリュームが少な目のものが多いように思われます。ブラックベルベットといっても、それほど綺麗とは言えないものもあります。
もっとわかりやすく言うと普通のタイプのチンチラとブラックベルベットのチンチラのタイプは元々の品種が違うと思った方が良いでしょう。
そして、全てのブラックベルベットが良いのではなくブラックベルベットのタイプにも、それぞれ品質に差があるということでしょう。
ですから、このブラックベルベットタイプの原皮にもボリュームが多いタイプもあり、それはキャラクターが濃い上にボリュームがあるので素晴らしく綺麗です。
ひとつの商品のなかに、この毛質の弱いタイプのブラックベルベットが混ざって作られていることがよくありますが、本来は通常のタイプと一緒に使うべきではないでしょう。
6月26日のチンチラの劣化の原因に載せた写真のチンチラはこのタイプのブラックベルベットではないですが、キャラクターの毛の先が黒から白に一度変化するタイプの3XDの原皮です。この原皮はとてもボリューム感があり、色のグラデーションも見事でした。
このことからも、一般的にチンチラのランク分けの中ではブラックベルベットが良いものだと言われがちですが、そのブラックベルベットの原皮の中にも良し悪しがあると言えると思います。
そして、チンチラの綺麗さを理解するうえで、もう一つ大事なことがあります。これまでキャラクターの色が濃いことが良いと書いてきましたが、それ以外にも特にキャラクターがしっかり通っていながら、キャラクター横のグレーの部分がしっかりあり、さらに腹の毛が白くて綺麗であること。この3色のバランスが良いものが一番綺麗に見えます。
ブラックベルベットの中には真っ黒なキャラクターを持っていても、太過ぎて中間のグレー部分が少なくなってしまい、ただ黒いだけで、黒・グレー・白のコントラストがなく、あまり綺麗にみえないものもあります。
上の写真のチンチラマフラーは2XDですが、この3つのバランスが綺麗にとれていて3XDではなくてもとても綺麗に見えます。このようにバランスの悪いブラックベルベットよりもバランスの良い2XDの方が綺麗に見えることもあり、一概にキャラクターの濃いチンチラが、全てにおいて良いとは言えないと私は思っています。逆に黒過ぎて汚く見えるものもあるくらいです。
下の写真はキャラクター部分の毛の色の変化です。違いがハッキリとわかると思います。次回お店でチンチラを見るときには、是非こんな部分にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
ファッションブログランキング