チンチラのクリーニング後のリフォーム

今日は前回の記事にあった、有機溶剤で洗ったチンチラコートをロングマフラーに仕上げたビデオです。

二点、リメイクを受けて、一点は少し黄ばみがあり、コートにするのはやめました。内容はビデオを見てもらうしかありませんが、柔らかさと毛の風合いです。

大事なことはビデオで、すべて言いたくないことまで言ってますので、書く事はほとんどないのです。

チンチラは場合によっては、新しいバンドルでも、劣化のあるものが、たまに混じります。そんなこともあり、リフォーム品のほとんどが劣化してると言って過言ではないのです。 (さらに…)

毛皮のクリーニングをどこまで知っているか?

今日は、また面白くない、毛皮のクリーニングのお話です。すみません。ほとんどの毛皮のサイトでクリーニングについて書いてありますね。

そして、その内容のほとんどは毛皮はパウダークリーニングがいいと書かれています。しかし、そのサイトでパウダークリーニングがいいと書いた、どれだけのひとが実際にパウダークリーニングを自分でやったことがあるのでしょう。この私も実はやったことがないのです。

やったことがあるひとは、私の予想では、ほとんどいないでしょう。ほとんどが業者任せですから。それくらい、どこかに書いてあることをただ記載しているというのが現実です。 (さらに…)

ロシアンブロードテールの作りについて(パーツ割り編)

ロシアンブロードテールの作りについて(パーツ割り編)

今日は、以前少しだけ書いたロシアンブロードテールと島精機PGM(CAD)というタイトルの内容を少し掘り下げて書いてみます。

写真1はCAD上で、後ろ身頃の原皮の割り振りを書いたもので、矢印右側がバーツを分割したものです。 この割り方で気になるのは背中が一枚の毛皮の幅でカットされていて、その左右は何故細いのか?ということです。

ロシブロパーツ割り

これはイスラエル等で作られる手縫いプレートにも、よく見られますが、中心や身頃前端に安定感を持たせる意味で真ん中やプレート端に一枚皮を持ってくることがあります。 (さらに…)

毛皮の染色後の毛癖取りと仕上げ

毛皮の染色後の毛癖取りと仕上げ

今日は毛皮が染色されたときに、一般的にどうなるのか?を書いてみます。毛皮の染色は、わたしは専門ではないので、いつもの自分のやったことのように100%の自信を持って書く事はできませんので、ご了承ください。

毛皮の染色の染料は、聞いたところによると特に毛皮用ということではないらしいのです。染色には酸性染料と酸化染料があるらしく、これは髪の毛も同じですね。このことについては、また次回お話することにして、今回は染色後の毛がどうなるか? そして、それをどうやって仕上げるかを書いてみます。

毛皮の染色後は、60~70度くらいのお湯のなかで染めるらしいので、熱がかかった状態で、おそらく、その毛皮を絞り、乾燥させるために、毛が上の写真のようにギラギラうねった状態になってしまいます。 (さらに…)

毛皮の水張りで使う道具

今日は一般の方には、まったく面白くない道具のお話です。

毛皮は生地のようにアイロンをかけたりして表面を平にすることもありますが、基本的には少量の水を使い、皮の表面に湿らせ、皮を伸ばしながら求める形に皮を張って平らな状態にして線を引いたりカットしたりして作業をします。

職人さんによって、その仕事の呼び名は様々なようです。水で湿らすことを味をする、、、ともいいますね。私は、職人さんに教わった経験がないので、あまり、通常、職人さんが使う言葉を知りませんので、ここではその呼び名は控えます。 (さらに…)

ミシン針の針先を研ぐ(その2)

2014年7月24日に、このタイトル「ミシン針の針先を研ぐ」で書いて、こんな記事誰も読まれないだろうと思っていたのですが、以外に検索から入ってくることが多く、今日は追加で毛皮用の針について書く事にしました。

一般的には、商品として完成している針を研ぐのは??と疑問に思うひとが多いと思います。しかし、検索ではよくこのタイトルに近い語句で入って来ていただいてます。

毛皮針の針先研ぎ方とその他、気になること

毛皮の針で、三角針という、先が三角に削られている針があります。毛皮の皮が硬い場合には、よく刺さって良い針です。しかし、この針で生地を刺すと、場合によっては生地を傷めます。それと、三角に削ってあるぶん、少しだけザラつきがあり、針先の三角部分は少しだけ、滑りがわるいことがあります。このザラつきが皮を切って刺さっていく大事な部分でもあり、しかし、この三角針の弱点でもあるのです。他のひとは違う考えをもつかもしれませんね。あくまでわたくし個人の意見です。 (さらに…)

毛皮技術の伝承 | 下積みは必要か?

一昨日、カンブリア宮殿という民放の番組で「東京すしアカデミー」という、すし職人になるための学校の放送を観ました。

寿司職人になるために下働きで、毎日何年も皿洗いをさせられ・・・、それがあたりまえになってしまっている。しかし、ほんとうに職人になるのに、そんなに毎日毎日皿洗いが必要なのだろうか?もっと効率よく技術を伝達する、または吸収する方法がないだろうか? そんな短期間で、すし職人になるための技術を教えるという内容でした。

私自身の35年の毛皮業界での生業を振り返ってみて、この「東京すしアカデミー」の「効率よく技術を伝達する、または吸収する方法を模索し、短期間ですし職人になるための技術を教える」の人材育成コンセプトに共鳴しました。 (さらに…)

毛皮のウォータークリーニングの問題点

最近、よくウォータークリーニングという言葉を耳にします。しかも、毛皮も出来る???というような見出しもあります。今日はこのことの問題点について書いてみます。

一般のクリーニングでもウォータークリーニングをよく耳にしますが、最近もうひとつ、気になったのは 忍者ウェットという洗う機械と手法をセットにして販売されています。詳しくはわかりませんが、一般の衣類のクリーニングではきっと素晴らしいクリーニング方法なのでしょうね。

しかし、毛皮を水洗いするのは極めて危険なことなのです。 (さらに…)

毛皮用ミシンのテクニック 

2015年5月2日付けの当ブログ記事“フォックス (FOX) のボリューム感を減らすテクニック”の最後に書いた『パショーネコンセプトのなかに”あたりまえのことをあたりまえにこなす とあります。口でテクニックを語るひとはたくさんいますが、実際に正確に縫える人はひと握りだということも最後に付け加えておきたいところです』の箇所が少し誤解を招きそうな気がしましたので、”毛皮用ミシンのテクニック”の観点から補足を書いてみようと思います。

毛皮用ミシンのテクニック

毛皮用のミシンのテクニックというと、スピードとかを競うような部分もあり早く縫えるひとが優秀と、とられがちなところがありますが、実際にはスピードはさほど問題ではないと私は思います。 (さらに…)

PFAFF 3560でセーブルをレットアウト

今日は以前、紹介いたしましたがPFAFF 3560というミシンでセーブルを縫う動画をご紹介いたします。ビデオはワンクールだけで短いですが、多分ヘビーシルバリーセーブルを縫ったときのものだと思います。シーズン中で急いでいて、一瞬だけ撮ったのだと思います。

この動画はセーブルの皮の薄さと縫いの薄さを知ってもらうために、縫っている部分に近づけて撮っていますので、手ブレが少し起きています。でも、縫い目はしっかり見れますので是非ご覧ください。

PFAFF 3560でセーブルをレットアウトする

30年以上前に多分、当時の西ドイツで作られたこの大きなミシンは、当時、日本で大流行していたミンクのコートのレットアウトをするために作られました。私が独立する前にも当時代理店をやっていたところに来てもらい、縫いのサンプルなどをみせていただき、ちゃんと調整すれば縫えるのだろうと確信していました。 (さらに…)