キヤノン EOS 70Dで撮る毛皮画像

TOWARU

昨年11月にキヤノン EOS70D (CANON EOS 70D)というカメラを買いましが日々の業務に追われて手付つかずだったのですが、最近やっとこのカメラを使い始めました。

この機種はプロ用ではありませんが、アマチュア用としては、結構ランクの高いほうの機種だったように思います。もちろん私はプロのカメラマンではありません。 (さらに…)

毛皮リフォームのシステム化の難しさ


弊社も点数が多くはありませんが毛皮リフォームを承っております。

以前も書きましたが、アトリエの場合はほとんどがオーダーと同じ仕様で作っていきます。当然そうすると、オーダー、リフォームと合わせていくとデザインやパターンはどんどん増えることになります。

そうすると、当然、効率を考えたくなる訳です。デザイン、サイズ、体型別に・・というようにいくつかのカテゴリーに分けて整理して、いくつかの定番をつくり、それに沿って、お勧めしていくという、いわゆるシステム化ということになるのでしょうか。 (さらに…)

レットアウト


レット・アウト(let-out)

今日はPFAFF3560レットアウトミシンで縫った、毛皮コートの裏側をお見せいたします。

一般のかたのなかにも毛皮の裾がフラシ仕様(裏地の裾が閉じられていない仕様)になっている場合には、毛皮の裏の縫い目をみたことのあるかたがいらっしゃるかもしれませんね。

後日、理論的なことは書きますが、今日は裏の縫い目を見てください。(細い線すべてが縫い目です)

今日は見てもらうだけで、たいした説明はありませんが、よく、お客様のなかで、裏が見えるようになっているのが、お値段の高いコートだというような認識がありますが、それは間違いです。 (さらに…)

ぴか蔵で毛皮用ナイフの刃を研ぐ


ナイフ

今日は毛皮用ナイフのことについて書いてみます。

先日「ミシン針の先を研ぐ」ことを書きましたが、毛皮のナイフには昔の職人さんたちが使っていた、畳包丁のようなものから、写真のように刃が取り替えられるものといくつかあります。

包丁は私も以前使いましたが、研ぐのに手間がかかりすぎます。細かいところも切りずらいです。

上の画像は長方形の刃を半分に割って使うタイプのナイフです。私は付属屋さんからドイツ(多分)製のナイフをいただいています。今日も、ただの紹介で終わるのでは、このブログの意味がありませんので、隠しネタを少し書いてみます。

このナイフの刃、特にドイツのものは本当によく切れます。危ないほど切れます。 (さらに…)

毛皮コートの付属選び

A

上の画像をご覧いただいて、すぐにコートのどこの部分かをお分かりになる人は少ないでしょう。

これ、肩パットなのです。 (さらに…)

アトリエの設備投資


ヒートレスアイロンHSP320(ナオモト工業)

今年また設備を少し増やしました。昨年11月27日付けの当ブログ「毛皮の毛の癖をとる」で書いたインバータコントロール付きで、仕上げ馬が二台付いていて、バキューム/吹き上げの付いたバキューム台です。

これでバキューム/吹き上げの付いたバキューム台が二台と吹上のないタイプが一台になり、表生地を縫う時などは、片方で通常のアイロン、もう片方で仕上げのアイロンというように同時作業も出来るようになり効率が上がりました。 (さらに…)

ミシン針の針先を研ぐ

今日は毛皮用ミシン(カップシーマー)の針について書いてみます。
毛皮用のミシン針は、通常の平縫いミシンの針より少しだけ長いのが特徴です。そのぶん針穴から針先までも長いのです。縫う素材によって太さが変わるのは当たり前なのですが、一般のミシン針よりは細い針の種類が多いかもしれません。
私の普段の仕事のなかでは既成で完璧に仕上がっている針先を研ぐというのは当たり前のことなのです。例えば、本縫いミシンであれば生地によって糸引きが起きないよう、先を少し丸くしたものとかがありますね。
私は、本縫い用の針でも毛皮用ミシン針459Rでも、針先が気に入らない時にはダイヤモンドやすりで削ります。毛皮ようのまつり針で三角針という、先が三角に削られているものがありますが、あそこまでにはしませんが、既成の針先が甘いと感じると必ず先を研ぎます。
その後、少し先がとがりすぎている状態で使うか、バフをかけて磨くかは縫うもの次第になります。
少し前のことですが、一度、過去にミシン屋をやっていた方と、一緒に仕事をする機会がありました。その彼に、針先を研ぐ話をしたところ、その彼は、ミシン屋として、完成されたミシン針の先を削るなんて邪道でありえないと、きっぱりと言い切りました。
しかし、仕事のなかで、その先の尖った、かかりのよい針の使い心地を知ると、いつしか、自分から針先を研ぐことするようになっていたのです。
既成概念で、新しい針なら大丈夫だと、そう信じてしまうのかもしれませんが、メーカーが作った針がすべてパーフェクトではないのです。一般的には毛皮の針はとくに先が欠けたら、もう使い物になりませんので100%取り替えるしかないのですが、私は針先が折れても針先を研いて使うことも試みます。
もちろん、コストのことも少しはありますが、それよりも縫い心地が優先します。毛皮のミシンは皮の薄いものだと、0.3mmくらいの薄さで縫わなければならず、わずかな針先の欠けでも皮が縫えずパンクする原因になり、とても神経をつかうところです。針先が曲がっても直すこともあります。意外に針穴にバリが残っていて、テンションを強くかけると、その針穴のバリのせいで糸切れが起こります。針穴が綺麗な状態の針は多少、曲がっても直しますし、先は削って使い、折れるまでは使います。
よくリフォーム品でほどきながら思いますが、糸切れ、パンクの量の多さに、ほどく気力がなくなるくらい糸切れ、パンクの多いものがあります。技術が未熟なことは当然なのですが、針先がかけているのに気が付かずに縫っていたりすることで起きるパンクも多いのです。
縫い目を見れば、技術者のだいたいの力量も解ってしまうほど、毛皮にとってミシンワークは大事な仕事です。もちろん、簡単に、いい加減に縫うことはどんな世界でもあることですが、毛皮ミシンのテクニックはいろんな素材を扱うということもあり、私はかなり難しいと考えています。
そんななかで針を研いで使う。そして、針の正確な知識を知るということが、ミシンワークのなかで意外に大きな割合を占めているということも見逃せないのです。
写真はシュミッツの459Rの一般的な太さの45番ですが、針先は拡大すると意外に丸いのです。写真ではなかなかわかりにくいのですが、倍率のすごく高いルーペ等を使えば想像したよりも先が丸いのが解ります。
長澤祐一
毛皮用ミシン針459R

 

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毛皮クリーニング、私のもうひとつのこだわり

見えない裏側の皮の部分のクリーニング

 

今日はなぜ私が見えない裏側の皮の部分のクリーニングにこだわるのか?という、もう一つの理由について書いてみます。

私が経験したリフォーム品の数は弊社がリフォーム専門ではないという理由もあり、そう多い数量ではありません。ただ、少ないと言っても年間で数点しかやらない訳ではなく、何百着と言う単位にはならないというくらいの着数はやっています。

このなかの半分近い点数で、匂い、カビ、は当たり前ですが、ダニ等の虫がついている場合がみられます。虫が付くのは古い毛皮コートの保管の状態に原因があります。 (さらに…)

毛皮のクリーニング(毛ぐせとり)


今日は毛皮の一般的なクリーニングと弊社のアトリエでやるクリーニングとの違いを昨年、ビデオに撮ったものがあったのでそれを見ながら説明してみましょう。

毛皮で一番大事なのは表から見える毛であることには間違いないのです。しかし、それと同じくらい大事なのが毛を支えている皮の部分です。私の経験では毛はほとんどの場合劣化しません。

皮は、以前も書いていますが、タンパク質でできていて、思ったよりも条件次第では劣化いたします。そして、劣化がある程度のところまで進行すると、病気の癌と同じように手が付けられない状態になります。 (さらに…)

ブルーアイリス(ミンクコートの軽さ、柔らかさ)

 

今日は、昨年9月9日に当ブログでご紹介したブルーアイリスミンクのオーダーメイド(ロングコート)の続きを書こうと思います。画質があまりよくありませんが、まずは上の動画をご覧ください。

メスの1サイズはカナダのオークションで買い付けた原皮で、オスに比べてサイズは同じでも毛質は総体的に柔らかく、そしてボリュームがある原皮です。

色は濃く、少しメタリックな感じがしますが、私がこの原皮で感じたのは濃いと言っても、綿毛はさほど濃くはない感じがしました。原皮に動きが加わり、綿毛の色が濃い刺し毛の隙間から飛び出してくると、青白いブルーアイリス本来の微妙な色がまるで蛍光色のように青白く光ります。私は、いつもこの感動を求めて、毛皮を作っているようなもので、それくらい綺麗です。 (さらに…)