今日は毛皮用ナイフのことについて書いてみます。
先日「ミシン針の先を研ぐ」ことを書きましたが、毛皮のナイフには昔の職人さんたちが使っていた、畳包丁のようなものから、写真のように刃が取り替えられるものといくつかあります。
包丁は私も以前使いましたが、研ぐのに手間がかかりすぎます。細かいところも切りずらいです。
上の画像は長方形の刃を半分に割って使うタイプのナイフです。私は付属屋さんからドイツ(多分)製のナイフをいただいています。今日も、ただの紹介で終わるのでは、このブログの意味がありませんので、隠しネタを少し書いてみます。
このナイフの刃、特にドイツのものは本当によく切れます。危ないほど切れます。 (さらに…)
今年また設備を少し増やしました。昨年11月27日付けの当ブログ「毛皮の毛の癖をとる」で書いたインバータコントロール付きで、仕上げ馬が二台付いていて、バキューム/吹き上げの付いたバキューム台です。
これでバキューム/吹き上げの付いたバキューム台が二台と吹上のないタイプが一台になり、表生地を縫う時などは、片方で通常のアイロン、もう片方で仕上げのアイロンというように同時作業も出来るようになり効率が上がりました。 (さらに…)
今日はなぜ私が見えない裏側の皮の部分のクリーニングにこだわるのか?という、もう一つの理由について書いてみます。
私が経験したリフォーム品の数は弊社がリフォーム専門ではないという理由もあり、そう多い数量ではありません。ただ、少ないと言っても年間で数点しかやらない訳ではなく、何百着と言う単位にはならないというくらいの着数はやっています。
このなかの半分近い点数で、匂い、カビ、は当たり前ですが、ダニ等の虫がついている場合がみられます。虫が付くのは古い毛皮コートの保管の状態に原因があります。 (さらに…)
今日は毛皮の一般的なクリーニングと弊社のアトリエでやるクリーニングとの違いを昨年、ビデオに撮ったものがあったのでそれを見ながら説明してみましょう。
毛皮で一番大事なのは表から見える毛であることには間違いないのです。しかし、それと同じくらい大事なのが毛を支えている皮の部分です。私の経験では毛はほとんどの場合劣化しません。
皮は、以前も書いていますが、タンパク質でできていて、思ったよりも条件次第では劣化いたします。そして、劣化がある程度のところまで進行すると、病気の癌と同じように手が付けられない状態になります。 (さらに…)
今日は、昨年9月9日に当ブログでご紹介したブルーアイリスミンクのオーダーメイド(ロングコート)の続きを書こうと思います。画質があまりよくありませんが、まずは上の動画をご覧ください。
メスの1サイズはカナダのオークションで買い付けた原皮で、オスに比べてサイズは同じでも毛質は総体的に柔らかく、そしてボリュームがある原皮です。
色は濃く、少しメタリックな感じがしますが、私がこの原皮で感じたのは濃いと言っても、綿毛はさほど濃くはない感じがしました。原皮に動きが加わり、綿毛の色が濃い刺し毛の隙間から飛び出してくると、青白いブルーアイリス本来の微妙な色がまるで蛍光色のように青白く光ります。私は、いつもこの感動を求めて、毛皮を作っているようなもので、それくらい綺麗です。 (さらに…)
前回のブログ更新から10ヶ月も経ってしまいました。一年以上もグーグルの検索では一位だった毛皮のオーダーメイドも、二位、三位、四位、五位と順位が下がってきました。
さすがに更新しないとダメかと思い、何を書こうか迷っていて、毛皮で一番やっかいなチンチラをさらに突詰めて書いてみることにしました。
チンチラの良さや欠点をこれまでも、いろいろな角度から書いてきましたが、今日はチンチラの毛捌きというテーマで書いてみます。チンチラのいい商品として自分が上げるならば、フィンランドのリンナネンというメーカーのチンチラは私がみても綺麗だとおもえます。
以前も書きましたが、チンチラは皮の脂分が一般的にはとても多く、その脂分が下手な加工技術だと、というか、ちゃんとした設備と技術がないとうまくいきにくいのです。 (さらに…)
今月は四日続けて、毛皮のオーダーメイド(原皮の調達、その二)に関する記事を書きました。話題が都度、飛んでしまい読みづらいかもしれませんが、今後も、大事だとおもうことをあっちこっち飛びながら書いていきたいと思います。よろしくお願いします。
ラインを太くする方法 (09/11/2013)
オーダーメイドの難しさ (09/10/2013)
ブルーアイリスミンクのオーダーメイド(作りの部分)(09/09/2013)
毛皮のオーダーメイド(原皮の調達、そのニ)(09/08/2013)
今日は毛皮の技術者がはまりやすいところに焦点をあててみます。
一般的に、技量のある職人さんほど、カットしてカーブに縫ったり、複雑なジョイント方法を使ったりといろいろな、ごまかすテクニックを使いますが、本来のベストは、ぴったり毛の長さ、色、ボリュームを合わせ、余計なごまかしはしないという作りです。
そうすることで毛皮をいじめず、本来の良さを維持しながら毛皮を生かすことが出来ます。いつか書きますが、インペリアルセーブルというニューヨークのお店があり、そこにマーティン・パスウォール?という人がいて、セーブルやリンクス等を販売しているお店ですが、その彼が作るセーブルはまさに、そういう作りです。 (さらに…)