毛皮の皮の劣化(方程式)

劣化に関する最新記事をアップ致しました。是非見てください。https://www.passione.co.jp/blog/%e6%af%9b%e7%9a%ae%e3%81%ae%e6%ad%a3%e3%81%97%e3%81%84%e4%bf%9d%e7%ae%a1%e6%96%b9%e6%b3%95%e3%81%a8%e5%8a%a3%e5%8c%96%e3%81%ae%e6%84%8f%e5%91%b3/

先日、お客様のコートの袖が切れてしまって直してほしいという依頼がありました。開いてみると、確かに皮全体が少し硬くなってきていて、避けている部分は特に劣化が進んでいました。毛皮の皮の劣化は、簡単にいうとこんな方程式になります。

皮の劣化は皮の状態 X 保管状態 X 時間=劣化

劣化はほとんどの場合、少しずつ進みます。上に記載した方程式でもわかるように、着用の度合いはあまり関係ありません。着用によって痛むのは皮ではなく、毛そのものが傷みます。皮が劣化したことで切れてしまったものの修理はとても難しいのです。

一般的には荒目の縫い目で縫ってしまい、表から芯をベタッと貼ってしまうのが職人さんの考えがちなところです。しかし、それでは柔らかさという毛皮本来の風合いはなくなり、厚紙のような手触りになってしまいます。

弊社のアトリエでは、こんな場合はどうするかというと、 (さらに…)

毛皮クリーニングの問題点

やっと、昨年のものが終わり、ようやく新しいシーズンがスタートします。せっかく立ち上げたブログも二か月手つかずになっていました。

昨年始めたブログを読んで、お問い合わせいただいた、大切なお客様の大半がシーズンに間に合わず今シーズンまでお待ちいただいてしまいました。そのお客様にお詫びのメールをだし、やっと、今日から、また、始めることができます。

今日は、クリーニングについて書いてみます。毛皮は基本的には水洗いができません。理由はなめしの方法にあります。レザー製品のようにクロムなめしという手法ではなく、ドレッシングという手法でなめされています。

毛皮の場合柔らかさを出すために、この手法が用いられているのですが、 (さらに…)

庄三郎(硬刃26cm)

庄三郎_硬刃 _26cm

先日、以前から使っていたタイプの新しいはさみを二本買いました。庄三郎というメーカーの硬刃26cmのはさみです。

私が、30代始めのころ、渋谷に立体裁断で有名なパターンの学校があり、そこに通い始めた来頃、そこで聞いた付属屋さんにいき、当時いくつか講習で使う道具を買いました。そこの親父さんにはさみはどれが良いか聞いたところ、これが絶対にいい!! これが最高、これ以上ないよ、、とまで言われ、それほど言うならと、素直にそれを買いました。

それが庄三郎の硬刃26cmです。これは本当によく切れ良くもちました。もう27年くらい使ってますが、先日初めて磨ぎに出しましたが、 (さらに…)

検索結果

今日はGoogleの「毛皮 リフォーム」検索で何故か?当ブログ「Fur-PASSIONE」がトップに掲載されていました。「毛皮」や「オーダーメイド」での検索結果はこれまで上位になってはいましたが「リフォーム」では初めてのことで吃驚しています。

当ブログを2012年5月から開始しましたが、当初はアクセスもほとんどなく、書く内容もどのくらいの内容を書けば良いのか、読んでもらえるのか迷っていて、そんなときに「にほんブログ村ランキング」のヘルプの中に注目記事ランキングに関わる記載で・・・

ブロガーであるメンバー様には、ご自身のスタイルを守り、ご自身が書きたいことを、書きたいときに、書きたいように、書きたいだけ書くという大前提の中で、とにかく他の読者(閲覧者)の方が興味や関心を持つ記事、共感を感じる記事を投稿していただくことや・・・

とあり、旧友の助けもあり、悩まず吹っ切って書いていこうと、このブログを続けてまいりました。

ブログ開始時期は、何ページめくってもパショーネ(弊社)の名前が出てくることはなく、 (さらに…)

毛皮の毛先

今日は毛皮の毛先について書いてみます。先日のブログで回転アイロンを使ってシェアードやプラクトミンクがとても綺麗になることを書きましたが、アトリエではミンクやセーブルのような繊細な刺し毛をもつ毛皮は回転アイロンをかけません。その理由は、回転アイロンによって、わずかですが刺し毛の先が切れてしまうからです。

ビーバーやヌートリア、またはその他、刺し毛が硬く太いものは、そう気にすることはありませんが、ミンクやセーブルの刺し毛は繊細ですのでローリングアイロンはかけることは一切いたしません。以前にローリングアイロンを買ったばかりのときに何度かかけて毛先を切ったことがあるので、その後はかけておりません。

弊社アトリエで使っている回転アイロンの刃先はすでに仕上用として丸く削り磨いてありますが、 (さらに…)

プラクトミンクについて

プラクトミンク回転アイロン

今日は、プラクトミンクについて書いてみます。プラクトとは刺し毛を抜いたもののことをいいます。一般的に多いのはビーバーやヌートリアです。ミンクがプラクトされるようになったのは、刺し毛付きのミンクが売れにくくなってからでしょう。刈毛とともに毛皮らしさを抑えることを目的として出てきた加工方法です。当時のアンチファー運動も影響していたのかもしれません。

刈毛はプラクトしたものを刈っていると思われがちですが、そうではありません。ヌートリアの刈毛はプラクトしたものを刈ってます。その理由はヌートリアやビーバーは刺し毛付きのままでは、刺し毛が硬くて商品にならず、最初のなめしの段階でプラクトにします。

しかし、 (さらに…)

ワークステーション

先日でやっと、昨年末納期の商品が仕上がりました。もう、まるまるひと月間ブログから遠ざかってしまいましたので、何から書いていいか解らない状態です。書けないときは、あれも書こうこれも書こうと思っていましたが、終わったとたん、ちからが抜けてしまっていて何から書いていこうか分からない状態です。しかし、これで今期が終わったわけではなく、昨年の納めが遅れながら終わっただけで、一月納めのものがまだ、狂ったようにあり、また仕切りなおしをして始めようと思います。

今年初めてのブログにふさわしい記事かどうかわかりませんが、今日は、昨年末に買ったコンピュータ(ワークステーション)について書いてみます。

パソコンはこれまでもたくさん買ってきましたが自分のディスクで使っているのはスペースの関係で、島精機のSDS-ONEしか置いていません。この島精機のPCについてもいずれ別に書きますが、 (さらに…)

【動画】 アメリカ産・マホガニーミンクの再鞣(なめ)し

今日は先日上がってきた、アメリカ産のマホガニーミンクの再鞣ししたものを動画でお見せいたします。敢えて何かを書くということも必要のないくらいに動画を見てもらえれば、その皮の薄さや柔らかさが、お解り頂けるものと思います。以前の記事でも書いていますが、素人考えで考えると、だったら一度に同じように鋤けば良いじゃないかという考え方も成り立ちますが、二回鞣すという効果はやはり絶大で、どうやっても (さらに…)

エリクサーElixirの使用感(その2)

前回、エリクサーElixir弦のアコースティックギター弦について、私見を書きましたが、今日はその後の使用感とエリクサーElixir弦のエレキギターでの使用感を書いてみます。

前回書いたアコースティックギター弦の、その後の使用感は、最近訳あって、わずかな休息のなかで必死にギターを練習することになり、少ない時間で指を強化する必要がありアコースティックギターもガンガン弾くことになって気がついたのですが、三弦がやはり、白く薄いコーティングした素材が至る所に剥がれるようにでてきました。

一般的にはエレキのようにビブラートをかけたりチョーキングをしたりしない限りには、おそらくこんなに剥がれることはないと思います。私も最初は、値段が高いこともあって、なんとなくもったいない感があり、そっと弾いてる感じでしたが、そんなこともあり、弦の鳴りが長続きしたのかもしれません。

しかし、今現在も、 (さらに…)

エリクサー(Elixir)の使用感

いつもギターや、好きな音楽のことを書こうと思うのですが、万が一、わずかでも毛皮の話を楽しみに読んでくれている方がいるとしたら、申し訳ないと思い、なかなかギターのことは書けないでいますが、今日ほギターの弦のことを書いてみます。

これまでは普段、たっぷりと時間をとって練習することができないため、使用する弦もなんとなくコスト版を選んでしまっていて、たまたま友人から、コーティングをしてある弦があることを以前聞いたことがあり、一度使ってみようとイシバシ楽器のウェブショップで買ってみました。

名前はエリクサーと書いてありますので写真を見てください。いつもは新しい弦に変えてアコースティックだと、どうでしょう?数時間かな?最初のシャリーンという音がするのは。人によっては、少し時間がたったほうが良いという人もいるかもしれませんが、自分はあのシャリーンとした音が好きで、その僅かな時間帯の間の弾き心地を楽しみながら、あ~~もう音が曇ってきた。。。と感じてしまいます。

特に、安い弦はやっぱり、 (さらに…)