エリクサーElixirの使用感(その2)

前回、エリクサーElixir弦のアコースティックギター弦について、私見を書きましたが、今日はその後の使用感とエリクサーElixir弦のエレキギターでの使用感を書いてみます。

前回書いたアコースティックギター弦の、その後の使用感は、最近訳あって、わずかな休息のなかで必死にギターを練習することになり、少ない時間で指を強化する必要がありアコースティックギターもガンガン弾くことになって気がついたのですが、三弦がやはり、白く薄いコーティングした素材が至る所に剥がれるようにでてきました。

一般的にはエレキのようにビブラートをかけたりチョーキングをしたりしない限りには、おそらくこんなに剥がれることはないと思います。私も最初は、値段が高いこともあって、なんとなくもったいない感があり、そっと弾いてる感じでしたが、そんなこともあり、弦の鳴りが長続きしたのかもしれません。

しかし、今現在も、 (さらに…)

エリクサー(Elixir)の使用感

いつもギターや、好きな音楽のことを書こうと思うのですが、万が一、わずかでも毛皮の話を楽しみに読んでくれている方がいるとしたら、申し訳ないと思い、なかなかギターのことは書けないでいますが、今日ほギターの弦のことを書いてみます。

これまでは普段、たっぷりと時間をとって練習することができないため、使用する弦もなんとなくコスト版を選んでしまっていて、たまたま友人から、コーティングをしてある弦があることを以前聞いたことがあり、一度使ってみようとイシバシ楽器のウェブショップで買ってみました。

名前はエリクサーと書いてありますので写真を見てください。いつもは新しい弦に変えてアコースティックだと、どうでしょう?数時間かな?最初のシャリーンという音がするのは。人によっては、少し時間がたったほうが良いという人もいるかもしれませんが、自分はあのシャリーンとした音が好きで、その僅かな時間帯の間の弾き心地を楽しみながら、あ~~もう音が曇ってきた。。。と感じてしまいます。

特に、安い弦はやっぱり、 (さらに…)

既成の工法の見直し

この時期になると作り出して納めるまでの期間がどんどん短くなります。ものによっては数日で作り上げることもあります。こう書くと手を抜いているように思われがちですが、それを承知で書いてみます。

私たちは常日頃から仕上がりと効率を両立させることを考えています。このことは多分どの技術者も同じだとおもいます。しかし、私たち技術者の考えのなかには以外に既成概念が強くあり、こうしないといけない、こうすべきだ、こうあるべきだと思うことがたくさんあります。

そして常日頃から、 (さらに…)

毛皮で一番軽い素材は? 

毛皮で一番軽い素材は?という検索で入ってくることが多いので、今日は昨日徹夜して納品したアーミンについて書いてみます。

今回の作りのテーマはとにかく軽く柔らかくです。このことで一番問題になるのは軽く柔らかくすることと、形を綺麗に表現することを同時に行わなければならないことです。一般的にアーミンの作りは、他社ではアーミンの皮が薄く切れやすいと理解されているらしく、毛皮と裏地の間に一枚の薄い芯を抱かしています。もちろん、前芯やその他の芯もしっかり使って仕上げています。

そのためにせっかくの軽く薄い皮の利点が表現されずにいます。結局は、作る技術者と求めるお客様との接点がないために、技術者は皮が切れるリスクを避けたり、形が崩れるリスクをさけたりして、無駄な芯を貼ってしまいます。しかし、お客様がアーミンに求める姿は、 (さらに…)

毛皮の褪色、赤の褪色

以前、染色した毛皮やナチュラルのものも、おおかた赤が褪色して黄色やグリーンっぽい色に変化すると5月19日のブログで書きましたが、たまたま、会社の窓際のペン立てにずっと使わずに立てていたマジックのキャップが何年もの時間を経て、ペン立てから飛び出している部分だけ、赤が抜けてしまったものをご紹介します。

赤が抜けると黄色っぽい色に変化すると書いていますが、それは青や黄色が入っているもので、例えばグレーやパープル等のことで、今回は赤一色の赤マジックのキャップなので、赤が褪色し元のプラスチック製品の原料のままの白っぽい半透明の色になってしまいました。もっとわかりやすく言えば (さらに…)

毛皮の毛の癖をとる

今日は毛皮の毛の癖をとりたい、、、という検索で当ブログ入っていらっしゃる方が以前いらっしゃったので、これについて書いてみます。毛皮の毛は髪の毛とほぼ同じ性質を持っていると思われ、高温の熱をかけて引っ張ればほぼ真っすぐに(ラム系は完璧にはなりません)なりますし、水分を与えれば縮みます。

違いがあるとすれば、毛皮の皮は温度を感じることがなく、人は熱い蒸気がかかれば熱いと感じ、皮膚からスチームを離すことです。よくあるのがアイロンの蒸気をかけて毛皮の皮をニカワのように硬くなって縮んでしまうことがあり、直して欲しいという依頼があります。専門業者のクリーニング屋さんでも、よくスチームをかけ過ぎてしまい縮ませてしまい、直して欲しいということもあります。

縮んだ皮は、蒸気のかけかたの度合いで元に戻るものと戻らないものがあり、 (さらに…)

誕生日、そして毛皮の日

今日は私の誕生日です。私がギターで音楽の道を目指すことを諦め、毛皮の仕事にアルバイトでついたのは多分、30年前くになると思います。当時は、毛皮の仕事といっても、始めたばかりで何もわからずに夢中でやっていました。

音楽、、、いやロックが好きで始めたにも関わらず、歌謡曲だったりニューミュージックと言われるようなものをやりバックミュージシャンとしてお金をもらう、そのことにいつしか疑問を感じ、やっぱり当初、福島の田舎から出てきたときに目指したものをやろうと、父親が亡くなったことをきっかけに、僅かにやっていた名ばかりのミュージシャンとしてのいくつかの仕事をやめバンドに打ち込むことにしました。そんなときに始めたアルバイトが毛皮だったのです。

接客業に向いてはいないということと、 (さらに…)

毛皮用スチーマー

今日は毛皮用のスチームという言葉で、よく検索されて、このブログに入っていらっしゃるケースが多いので、この「毛皮用スチーマー」というタイトルで書いてみます。

アトリエでも、以前はナオモト工業(株)さんが毛皮全盛期に作っていた小型ヒーターの付いたスチームを使っていました。これはガンタイプになっていて、美容室で使うドライヤーのような形をしていて、ガンの先にバネがついていて毛皮に先のノズルが直接触れないようにできています。

しかし、これは小物くらいのものを仕上げるのであればいいのですが、コートクラスになるとパワーが足りなすぎるのとガンタイプなので、要は一つのポイントしかスチームをあてられず、とても時間がかかってしまったり、ノズルの跡が出来てしまったりとコートをメインで作る私たちにとっては欠点が多過ぎました。

その後、ガンタイプから (さらに…)

モデリストI氏のいうの技術とテクニック違い

今日は前回のブログ記事に出てきたモデリストというテーマで書いてみます。私が本当にモデリストと尊敬するのは、以前、HBというアパレルの会社に在籍し、その才能が生かしきれないまま、今は退社されたI氏という方です。

私が毛皮をアルバイトで始めたころの30年くらい前のことです。彼はHBという会社を辞めて一時的に毛皮を勉強してみようとされていて、私が働いていた加工会社に入社してきました。その後、私も、その会社を辞めI氏も辞め、I氏は毛皮で一時独立をされました。私は、別のところでお弟子さんとして一時働き、その頃に、彼のところに、度々お邪魔して、仕事のやり方、考え方、彼の哲学も学びました。

I氏氏はそんなことは記憶にないでしょうが、私は必死に何かをつかもう、盗もうとしていたのを今も思い出します。

当時、彼の元で作業をして、今でも、印象に残っている言葉は、  めんどくさいということに慣れたおしまいだ、面倒くさいと思うなら簡単に出来る方法を考えろ  さらに、こうも言いました。技術とテクニックは違うと、、、 私は聴いた時、技術とテクニック?? 同じでは? と思いましたが、I氏が言ったのは技術とは会社に蓄積していくものであり、会社の中の誰でもが使えて、人が変わっても品質が変わることがなく続いていくものだと。テクニックは個人の技で、その人が辞めてしまえば、企業には何も残らないというものだ。それは技術とは言わない、、、と、厳しい口調で言い放ちました。だから、人が変わっても品質が変わらない技術というものを考えていかなければ考える意味がない。と熱い口調で語り続けていたのを今も思い出します。

その後20年以上もお会いすることがなく、三年前程に、また古巣に戻っていらっしゃるということを聞いて、直接、HB社に電話を入れて連絡がとれましたが、丁度退社する直前で、あ~~せっかく戻っても、また彼の大きな能力を使いこなすことができずに退社されるのかと思いました。

I氏は各方面でも、派手な知名度や活躍はされていませんでしたが、会ったかたは、おそらくほとんどの方が彼の能力の高さを認めていたのだろうと私は確信しています。モデリスト協会というのがあるらしく、そこに誘われたと言っていましたが、あまり興味もなく入ることはなかったそうです。私は、I氏こそがモデリストと呼んでまちがいのない高い能力を持っていたと今も確信しています。

最近、どこかの毛皮業者のサイトにて、女性の方でしたが(女性だからという訳ではありません)ファーモデリストとサイトに紹介されていて、おいおい、そんな簡単にモデリストという名前を使うな、、、と、苦笑いしたものです。私も長年、この仕事を学んでいますが、いまだ毛皮の分野においてさえも、I氏のレベルに達したとはいえず、道は深いと技術を知れば知る程、余計に不安にかられます。それほど、あまり一般には知名度のないモデリストという言葉ですが、その意味は広く深く、そして価値があるのです。

技術とテクニック、私にとってはI氏からいただいた永遠のテーマ。このテーマこそがパショーネの哲学である、あたりまえのことをあたりまえにこなすという思想につながっているのだと思っています。

下記の日本モデリスト協会のリンクにモデリストの定義らしきものが書いてあります。
http://ifashion.co.jp/jnma/modelist/background.html

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外注委託加工を使わない訳は?

当アトリエでは基本的には、アトリエで絶対に出来ない、毛皮のなめしや染色等の加工以外の縫製に関わる全ての作業はアトリエ内で行っています。一般的に毛皮部分の加工は工場内で行われ、残りのコートのまとめや裏地付け等は外注(下受けや内職)にまわることも多く見られます。

今日は弊社(PASSIONE)が全ての製造及びリフォームをアトリエ内で作成する理由と、外注委託加工に出さない理由をご説明したいと思います。

一般的に外注加工に出す理由がいくつかります。例えば、縫製機能を持っていないメーカーもそれにあたります。そして、縫製工場が外注委託加工を使う場合もあります。今回は二番目の縫製工場自らが外注加工を使うケースについて当社との比較をしながら書いてみます。

外注加工や内職に出す理由はいくつかあり、例えば生産が間に合わないとか、出来るだけコストを下げようとかが、その理由にあたります。

毛皮の職人さんのなかには毛皮しか出来ない人、または針仕事ができない方もなかにはいらっしゃいます。もの作りの完成度をあげようとするならばパターン、デザイン、染色、原皮、なめし、毛皮縫製、生地縫製、まとめ等の全てを熟知しているエンジニアのようなタイプの技術者が全体を仕切る必要があると私は思っています。

アパレル業界で言えば例えば、モデリストというような位置付けになるでしょうか。

余談になりますが、私はどちらかというと職人というよりはエンジニアであったりモデリストであったり、、、というようタイプを目指して、これまで仕事をしてきました。ですから、自分は確かに職人ではありますが、職人と呼ばれることには、あまりしっくりとこないのです。

話は戻りますが、アパレルではテキスタイルとパターンや縫製はアパレルというひとつの業種のなかに括られますが、業態としては少し距離があるようにおもわれます。ところが、毛皮は、生産数量が少量ということもあり、洋服に例えれば、一つの工場で生地もつくり、さらに同じ場所で形にする縫製を行うという流れになり、大半のことは一つの工場内で行われることが多いのです。

そんなこともあり職人さんの能力の大半は毛皮本体の部分を作ることに使われてしまい、かたちや風合いを表現する意味では以外に大切な最後の芯や綿入れ、それ以外のまとめ部分に、なかなか関われないことが多いのです。もちろん全てではないですが、そういう傾向も多くみられます。

私たちのアトリエでは、最終的な”求めるカタチ”や風合いを表現することに最後まで、とことん力を注ぎます。アトリエ内での作業は、価格に左右されないと言えば嘘になりますが、基本的には仕事を受けた価格に応じて、というよりも目の前にある問題や表現したいテーマに集中していきます。軽さや柔らかさが必要なデザインならば出来る限りのトライはします。場合によっては自分たちで皮を鋤くこともします。

都度、作りの途中でパターンも変更していきますし、加工の方法も様々に変化していくことになります。

そして、ここが以外に今回のテーマで大事なところですが、リフォーム等では、特に求められるのは、お預かりしたコートのデザインを替えて、さらに出来るだけ着丈を長く作りたいというような、作り手からすればかなりハードルの高い要望が、少なくありません。

例えば、元の毛皮のエリでで新たに作ろうとするデザインのエリが取れない場合は、エリ等を身頃の裾から取らなければなりません。そうなると、身頃を一旦最初の予定の長さまで出して、その後、エリを残った裾で作り、万が一、身頃を長くするゆとりがあれば再度、パターンを修正し、最終的に着丈を決定していくという臨機応変な作業が常に求められます。

更に、リフォームで最も大事な皮の状態は、作業をするなかで部分的な劣化を発見したり等、様々な問題が発生いたします。それを無視して求められたパターンに入れようとすれば皮は切れるか切れる寸前の状態になり、完成後にも大きな不安を抱えることになります。そんなときにはパターンを瞬時に変更し、使う水の量を控えたり、場合によっては水を使わない方法も選択しなければなりません。これは、現場で都度、毛皮の状態をみながらではないと出来ないということです。もちろん、気の効いた職人さんのなかには、お客様の要望を出来る限り聴いていこうとするひともいるでしょう。

しかし、外注加工の現場では、途中での作業の変更や段取り替え、またはパターンを都度修正するというのは、思ったよりも手間がかかり加工賃もあらかじめ決められているので、なかなか難しさがあります。パターンについても場合によっては外注であったりすれば、パターンメイカーは毛皮を見ながらパターンを引く訳ではないので、発注する側が、あらかじめゆとりをもった設定のなかで発注をしていきます。そんなこともあり、お客様との打ち合わせでは、この着丈が限界ですと言い切られてしまう場合も、おそらく少なくはないでしょう。

そんな意味からも、パターン作成から始まって、最終の仕上がりまでアトリエ内で行うというこだわりは私たちの理想であり、考え方(哲学)でもあり、外注加工を使わないという、ひとつの大きな理由です。

動画は、ヌートリアの皮の劣化を映しています。このヌートリアやビーバーは皮がしっかりしてる割に劣化が多いようです。このブログ記事でも何度も書いてますが、水がタンパク質に与える影響は大きく、通常のドレッシング(毛皮用のなめし)では特に影響があります。染色したクロム鞣しがされたものの劣化は以外に少ないということもあり、毛皮がどんな状態かを見て加工をしなければなりません。最初の映像は水に濡らすまえの皮です。ほとんど紙のような状態ですが、まだ強度があります。そして次の映像が水に濡らした皮です。もうほとんど、皮の繊維のチェーンが外れた状態で、紙を水に濡らしたような状態になっています。見た目、しっかりしている皮でも、劣化が進んでいる皮は水につけると、ほぼ映像と同じようになります。作る側にも常に大きなリスクがあるのです。

長澤


皮の劣化 – PASSIONE

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