ひとつの時代の終わり そして新なスタート
今日は、インスタグラムでアップしたリンクを貼ります。良かったらインスタグラムで見てください。
長い間、取り組んできた日本橋三越百貨店毛皮サロンでの最後の仕事が終わり、今後はこれまでの取引先に引きずられることなく新たな業態に取り組んでまいります。
このブログもまた興味深く読んでもらえるよう努力していきます。
長澤祐一
今日は、インスタグラムでアップしたリンクを貼ります。良かったらインスタグラムで見てください。
長い間、取り組んできた日本橋三越百貨店毛皮サロンでの最後の仕事が終わり、今後はこれまでの取引先に引きずられることなく新たな業態に取り組んでまいります。
このブログもまた興味深く読んでもらえるよう努力していきます。
長澤祐一
今日はオンラインショップを立ち上げてみて、その難しさを少し書いてみます。
以前は百貨店の毛皮サロンに常設し商品を出していました。当社が小さな会社とは言え、数点なんて点数で毛皮サロンに常設は出来ませんから、それなりに私のところの規模に合わせながらも出品していたのです。そのなかには私が作ったものもや、僅かですが仕入れた商品も出していました。当社で全てのアイテムを作り切ることが出来なかったこともあり、割合は少ないですが仕入れた商材や国内加工で作られたものもあったのです。
しかし、オンラインショップを始めてみると、一点一点これはパショーネとしてショップに出していいだろうか?と商品を見ながら毎回悩みます。私が作ったものであれば、ほぼ納得してるものが多いのですが、それでも、そんな中にも時々悩むものもあります。さらに海外で作られた仕入れ商品や、国内で委託加工で作った商品などもあり、パショーネとして出すことを躊躇してしまうものもあるのです。
以前の百貨店毛皮サロンであれば、迷うことなく、他社の大半が同じように仕入れ商材だったこともあり出品していたのですが、さすがに独自のオンラインショップとなると、出品の基準がかなり厳しくなります。オンラインショップの商品に特別な保証書を付けている訳ではありません。しかし、やはり単独のショップとしての大きな責任を感じます。特に、ここで書いていることに偽りがないことの唯一証明が出来る場所がオンラインショップですから。
特に国内加工で作成したものに悩みます。その理由は、例えば中国で作られたものを国内業者から仕入れたものは、仕入れ商品として区別出来ますが、国内加工で作られたものは、パショーネのデザインのなかで作られており、在庫のなかに一部ですが、過去に国内加工で作られたものがあります。一般的には国内生産なら綺麗に仕上がったと思いたいところですが残念ながら中国製以上にクオリティが落ちる場合がほとんどです。加工賃も他所よりもしっかりとした金額を払っていてもです。
いつか、全ての国内加工で作られた商品を一度、バラシてみてアトリエで作り直すしかないと考えています。もちろんその時は価格を下げ、別のカテゴリーで出品いたします。そうしないと、パショーネのオンラインショップには出せません。もちろん私が作り直し納得したうえでの出品です。他のショップがどうかは分かりませんが、パショーネのオンラインショップでは、どんなものでも出品して売ってお金に換えてしまえと言うわけにはいかないのです。売れてラッキーとは思えませんから。小さなオンラインショップですが、以前の百貨店毛皮サロン以上に、このオンラインショップは私達の意地と誇りをかけて作っています。
そして、その下支えをしているのが、川越のアトリエです。現物確認や毛皮に関するすべの相談もお受けいたします。お悩みのことがあれば、是非お問い合わせをショップからでも、このブログからでも、またはメルアドを出したくない方はインスタグラムのDMからでも遠慮なくお問い合わせくださいませ。
以前書いた日本製という記事です。良かったら読んでください。
長澤祐一
先日、テレビショッピングでチンチラとセーブルのヤーンマフラーを激安で売っているのを見ました。それはそれで良いのです。確かに安いです。
しかし、最後に言った言葉がまずいです。
チンチラは傷が一番抜きにくい、、、というか、傷物はそのままでは使えず、半裁の使い方にしてその部分を捨てるか、またはポンポンなどの小さなパーツにして使うかしか出来ず、それ以外で唯一出来るとすればヤーン(編み込み)なのです。ミンクやセーブルは同じ高額素材でも傷は、技術があれば綺麗に抜くことができます。しかし、チンチラは私でも難しいです。傷をぬいたチンチラをむくの状態で使うのは、品質を気にしなければ良いのですが、まともなものを作ろうとすれば、傷のあるチンチラの使用は無理です。もちろん傷のないチンチラを使っても綺麗に作るのは難しいのですが。
そんなことはないという技術者がいれば、その技術者が作るものはまともなものではないはずです。それくらいチンチラに傷があるのはまずいのです。
裏を返せば傷のあるチンチラは二束三文になるということです。私は買いませんが買うとしても当然半額以下以上の価格です。いやそれでも買わないかもしれません。それくらい傷のあるチンチラは使い物にならなず価値がないのです。もちろん、傷のあるチンチラを無駄にしないという発想は大事です。しかし、だからといって、何を言ってもいいかというのとは別の問題です。言ったひとも、もしかしたら製造現場の現実を知らないのかのしれませんが、おそらく私の想像が正しいと思います。
話戻しますが、そのテレビショッピングの最後で、たくさん買い付けたチンチラの中から悪いものをはねて、良い物だけを選んで作ったと言いました。唖然としますが、それは真逆だろう、良いものをはねて、悪いものだけで作ったと正直に言わなければいけないところを真逆に言うのは消費者を騙す行為だと、唖然とし、少し時間をおいてから笑いました。よくこんなことが言えるなと。
作りがわからない消費者をそこまで真逆のことを言って騙すのは、同じ業者として、毛皮に対する不信感を植え付けるようで辛いです。その言い方はどうかな~というレベルではありません。真逆の理屈です。傷のあるものを集めて丁寧に安価に作りましたというべきところなのです。
ただ、それでは夢がないのでいろんな柔らかい言い方はありですが、真逆の理屈を言っては困ったものです。これがネットやテレビショッピングの現実なんだ、見えなければ何言っても何を書いてもいいんだと、とても残念な気持ちになります。 最後にひとつ付け加えますが、今日ここに書いたことが100%事実かどうかは分かりません。推測で書いています。一部間違いがあるかもしれません。しかし、今回の記載がどの程度の確率で正しいかどうかの判断は読む人にお任せいたします。併せて、私が過去に書いてきた記事をもって信頼出来るかどうかを判断していただければと思います。 長澤祐一
当社は、おそらくですが、どこよりも毛皮と毛皮のクリーニングを知っていて、どこよりも綺麗な商品を作ることが出来ると自負しています。よく毛皮の知識と言っても、産地や種類をたくさん知っていらっしゃる専門家はたくさんいらっしゃいます。しかし、それと毛皮の商品としての高い品質がどうあるべきかを知るということとは別の問題になります。
今日はクリーニングの話なのに、いきなりおかしな書き出しですが、毛皮を作り販売し、クリーニング・保管をするということは、かなり広範囲でさらに素材についても深く知る必要があります。素材といっても、ラビットとかからどんなものでも深く知る必要があるという訳ではありません。販売されている商品のなかでも、素材価値の高いミンクやチンチラ、セーブル、ロシブロ、アーミン等の知識については、より深く知る必要があります。その理由は高額品を預かるというリスクが高くなるからです。
当社は仕事として商品を作り販売するだけではなく、販売した商品のクリーニングや保管も考えなければなりません。
やっと本題に入りますが、当社がクリーニングを本業にしない理由があります。もちろん、パショーネのメインの仕事が商品を作り販売することですが、販売した商品のアフターとしてクリーニングや場合によっては保管をしたりもいたします。それから未来のお客様のためのクリーニングもあります。
しかし、クリーニングは本業ではないのです。その理由のひとつとして、一般的に知られていませんが、古い毛皮コートや小物の多くは保管状態の悪さから、カビや香水の匂い、さらにはダニや毛皮に良く付く虫もいます。リフォーム時によく身体がかゆくなることがありますが、おそらくダニかなにかの虫がいると想像がつきます。
毛皮のリフォームを当社も時々受けますが、そのすべてを裏地・付属等を外した状態でオガを使いながらのドライクリーニングを一番最初にします。これによって匂いやカビ、ダニや虫の大半の駆除をして、自社商品やお預かり品への匂い移りやカビや虫が付くことを防ぎます。
しかし、ビジネスとして大量にクリーニングをやるとなると当然、当社の商品在庫や大切なお客様からのお預かり品にも、クリーニングでお預かりした古いコートなどから匂いやダニ、虫等がつくリスクが高くなるのです。そのため、大量にクリーニングを受けることはありません。今日のタイトルの理由がこれです。
そんなこともあり、クリーニングにつきましては、当社の技術の高さを知ってもらうためにやることがメインでクリーニングやお直しが専業ではありません。どんなにクリーニング技術が高くても、どんどんクリーニングを受けるということはないのです。
お問い合わせいただき、内容を聞いて、私のところでしか出来ないと思うものは極力やろうとしています。しかし、何でもかんでも受けるという訳ではありません。
当然ですが、私のところで販売したものは全てが毎年ではないにしてもクリーニングをいたしますので、常にクリーンな状態をキープしています。そのためクリーニングでお預かりしてもほとんど他のコートに強い匂いを移したりカビ臭さを移したりすることはありません。しかし、当社以外の商品を受け入れるのは、未知の部分が多く大量に受け入れることはリスクが大き過ぎて出来ないのです。逆に言うと、それくらい当社の商品とその購入後のお客様の商品のクリーニング時の取り扱いについては神経を使っているということです。
せっかく購入していただいたものが、カビ臭かったり、虫が付いたりしたら、どんなに価値があると信じて購入していただいても意味がないからです。
最後にひとつ付け加えますが、販売前の毛皮製品がどんな扱いで保管されているかというと、そんなに良い環境ではありません。そこそこ大きな部屋で大量にストックするわけですから、しかも一点ずつカバーをかけたりしないのが普通です。もう少し大事に扱えばいいのにと良く感じています。 長澤 祐一
毎年、毛皮を着る時期になると下のリンクにアクセスがあります。
毎年、新しい記事を書こうと思いながら書けていませんでした。
今年は書いて見ます。
本来はYouTubeなんかでやれば良いんですが、ビデオを撮るほどでもないので、ここに書いて見ます。
最近はシャツなどのしわ取りアイロン、例えばハンディタイプの小さなものや、丸いブラシのようなものからスチームが出るタイプがたくさん販売されていますね。
軽い毛の癖は、これですぐに取れます。仮にこの方法で取れない毛の癖は、染色や毛皮元々の毛の問題によって出たものですから、弱いスチーマーでは取れません。
ひとつ注意しなければならないのは、毛よりも皮にスチームが入ることで、クロム鞣しがかかってないナチュラルの毛皮素材はスチームが強くあたると、ギュッっと縮みます。場合によってはニカワのように硬くなって縮んでしまいます。危険なのはこれだけです。
ただ、意外に知らずに、こうなってしまうケースが多いのです。
そうならない方法は一つです。毛皮から3~5cは離して蒸気をかけることです。フォックスのように毛の長いものは、皮に蒸気が届くまでの距離がありますから良いですが、ミンクのように毛の短いものはスチームが強く勢いよく出ている場合は皮にすぐスチームが届いてしまい皮を縮ましてしまう可能性がありますから注意が必要です。
それともう一つ、最大限に注意しないといけないことを書きます。
毛皮の例えばマフラー等であれば、クリップやカギホック等の留め具がついていますね。アイロンスチーマーを近づけ過ぎて、うっかり留め具にぶつかってしまう場合があります。この時に毛皮を留め具で引きずったままスチームを書けてしまうことがあります。こうすることで、スチームが同じ場所にかかってしまいます。一瞬でも例えば1~2秒くらいでも、同じ場所にスチームがかかると、ナチュラル素材の毛皮は簡単に縮みます。これだけは厳禁です。
上にリンクを貼った当時は普通のアイロンが主流だったので、別の方法を記載していますが、今は簡易的なスチーマーがありますのでそれをお勧めします。
ただし、今書いた、留め具で毛皮をうっかり引きずるようになってしまい、スチームが一箇所に集中されることだけは絶対にしないでください。
これをやったクリーニング屋さんや個人のお客さまがたくさんいらっしゃいます。でも、本人は無意識なのです。毛があるので縮んだことが分からないケースがたくさんあり、本人に聞くと、そんなことはやってないと言います。しかし、縮む場所の多くは留め具付近が多く、それしか考えられないのです。是非、気を付けてください。
ナチュラル素材の毛皮とは、例えば染色されていない毛皮素材のことです。ただし、黒は場合によってはクロム鞣しがされてない通常鞣しの強化ブラックもありますから、ナチュラル素材の毛皮を判断するよりは、全てが危険だと思って、スチームを離し気味にすることが大事です。
縮んだ場合、一般的にはクリーニング屋さんでもどこでも治りません。
価値のある大切なものをやってしまった場合には、元に戻せる可能性もありますので、迷わずお問い合わせください。他所では絶対に修復できませんから。
ただ、そうなる前に、スチームと毛皮の距離は出来るだけ開けてください。
ついでにですが、裏側の裏地側もスチームは厳禁です。裏地はあってもスチームは簡単に皮に届いてしまいます。結構、クリーニング屋さんが、このやり方でうっかりでしょうが、皮を縮ませてしまって私のところに来ることがあります。
スチームをかける速さは、よくシャツの癖とりのように、毛に接触した状態で、ゆっくりなんてのは絶対にだめですから、そこだけは気を付けてください。スピードはシャツの癖とりのCMビデオなどがよくありますが、あれの3~4倍くらいは速いスピードです。
手にスチームをかけても火傷しないようなスピードと距離です。
機器によってスチーマーの量が違いますので、最初は離し気味にスタートしてみて毛の癖の取れ具合を見ながら距離を近づけてください。 スチームをかける前と後には毎回櫛やブラシで毛を真っすぐにするようにするとより早く取れます。ペット用のブラシも使えます。
いろいろと書きましたが、これは急ぎの場合の方法です。
着る前に数日時間があるならば、ハンガーにかけておくと軽い癖は自然に空気中の湿気を吸収して取れていきますので無理にスチームをかけない方がベターです。
今日は以上です。ビデオでも撮れればいいんですが、時間がなくて、ごめんなさい。少しでもお役に立てばです。 長澤祐一
昨日深夜、突然、海外のフォロワーからDMがあり、ある方が亡くなった、本当か?と英語で知らせがありました。その方とは少し前にも電話でやり取りしていたので、それは誤報だろうと思いインスタグラムを開いたところ、ホームに上がった新しい投稿で、そのことが本当だと分かりました。
間違いなく私の毛皮人生のなかで恩人と言い切れる中のおひとりでした。メーカーとして独立したころに助けていただいた中のひとりです。たくさん迷惑もかけました。それでも嫌な思いを私がしたことはありません。一度もです。そんな方はいません。ありがとうございました。頑張ります。 長澤祐一
今日は、Instagramのハッシュタグについて書いてみます。
二年くらいに始めた頃は何もわからずにスタートし、ハッシュタグの意味も解らなかったのです。それでも適当につけていました。
他のアカウントのハッシュタグをみると、関係ないものまでたくさん入っていて、これで意味があるのかと思ってしまいました。
よく、調べたいハッシュタグで検索しても、まったく違うものがたくさん出てきますが、いい迷惑だなとも感じます。
以前、お互いにフォローし合っているアカウントで hermes_、、、さんという方(英国の女性の方)が、突然DMで連絡をくれハッシュタグを制限30まで全部使ったほうがいいとアドバイスしてくれました。毛皮を日本語以外で、英語、ドイツ語、ロシア語というように全て使った方がいいと、それ以外に参考になるハッシュタグワードをたくさん教えてくれたのです。
せっかく教えていただいたこともあり、マックス30個近くまで使ったことがありますが、どうしても馴染めませんでした。これでは探したいひとに迷惑なことだろうと。ミンクコートの画像に、セーブルだの、チンチラだのと毛皮ならなんでもというようにつけているユーザーがたくさんいらっしゃいます。それはそれで良いのですが、自分がそれをやるのは少し違うなと感じてしまいます。
今も迷いながら毛皮を英語、ドイツ語、ロシア語くらいではつけていますが、それ以上に場違いなタグは今現在は付けなくなりました。
もちろん、個人的な言葉でハッシュタグをつけて楽しんでいらっしゃる方もたくさんいらっしゃって、それはとても微笑ましいし、こんなハッシュタグを他の人が付けるだろうか?というものもあり、個人的に見て楽しんでいます。
しかし、業者として出す私の考えはあくまで適切なワード以外は極力付けないようにしようと今は考えています。
やはりテクニックは必要でしょうが、投稿した画像や動画の内容で勝負したいと考えます。他の毛皮業者のように、あれもこれもハッシュタグを付けたら、やはり、このブログで書いている私の言葉が薄っぺらくなってしまいます。
ハッシュタグの本来の意味は言葉と投稿内容の一致であり、それが検索しやすいという意味であろうとも考えます。個人が楽しむためのものなら、とっても微笑ましいのです。しかし、業者があれもこれもとハッシュタグをつけるのは、卑しさまで感じてしまいます。みんながやっているからそれでいいという訳にもいきません。私が変なのかもしれませんが、私はそう感じます。もちろん、そのハッシュタグが適切であり、なおかつ30個あるのであれば良いのです。アドバイスをくれたHermèsさんも、そこはちゃんと守っています。
いろいろと調べると無駄なハッシュタグは逆効果とも書いてあるサイトもあったりします。まあ、だからそうしている訳ではないのですが、私には意味のないハッシュタグは付ける気がしません。
私の投稿でリーチ数が圧倒的に多かったのは、残念ながら商品ではなく技術的な投稿二件です。下にリンクを貼ります。
https://www.instagram.com/p/CHC8n6zJ-JY/
これはリーチ数が1000を超えました。
https://www.instagram.com/p/CGxAOGMpdJb/
これは900個くらいです。
当時、フォローが200にも満たない時期の投稿です。
商品ではないところが残念なところですが、海外の技術者には、かなり面白い画像だったのだろうと想像ができます。コメントも一杯頂きました。以前ここに書いたことのあるサマンサという女性も、この二つの投稿からフォローしてくれました。彼女は前から私のブランドを知っていると言っていましたが、どこで知ったのかは分かりません。彼女が毛皮業者関係でフォローしているのは、以前も書きましたが、Sagafurs と kopenhagen fur と パショーネだけです。私のフォロワーの90%が海外毛皮業者ですが、その中で彼女が何故 Sagafurとkopenhagenfur とそれ以外ではうちだけが、フォローされてるのかはわからないのです。もちろん私もフォローバックはしてますが、私の他のフォロワーも結構有名なアカウントがいるのですが。彼女からはDMの会話のなかでイタリア??のマンゾーニやそれ以外でもいつでも紹介してやると言ってくれましたが、、、遠慮しました。あまりにも話が大き過ぎます。💦 しかし、海外は面白いなと思います。無名でも小さくても評価はちゃんとしてくれます。
話がまたそれましたが、また、たくさんのリーチがくることを楽しみにして今後もInstagramの投稿をしようと思います。今現在も国内フォロワー数が少ないのです。投稿をみて面白いと感じましたらフォローをしていただけると嬉しいです。 長澤祐一
最近、チンチラのお直しをしたなかであったことです。
最近では珍しく画像をお客様の了解を得て載せます。
チンチラは毛皮のなかでも特に弱い素材です。皮全てが弱い訳ではないですが、腹の部分の皮が薄くよく切れやすいのです。鞣しが良いものは、良く伸びてくれて切れませんが鞣しの悪いものは保管条件による劣化も早く、最初からの部分劣化も良く見られます。今日の画像は、おそらく最初からの部分劣化でしょう。私も時々ですが、バンドルで新しいものを買っているはずなのに皮全体が劣化していて、引っ張って簡単に切れてしまうものも、これまで数回ありました。原皮屋さんの保管場所がたまたま悪く、その数枚に強くエアコンの風があたったりして起こることもあるかもしれませんが、ほとんどの場合は鞣しの段階でだと思います。もちろん、鞣しの問題でもありません。鞣し前の皮に問題があったのだと思います。
このチンチラマフラーが国内加工か海外かは分かりませんが、国内加工だと推測して記載しています。マグネットが留め具としてついていて、その止め方がチンチラに直に取り付けられていて皮に強く負担がかかる状態でした。マグネット付近もすでに切れていて、せめてマグネット付近くらいは芯が貼ってあればなと感じました。
私のところでは当然、自分で原皮を仕入れて自分で作るのですが、一般的にはメーカーまたは問屋さんが下職(工場)に委託加工として出して、職人さんが作ります。そのため、一本のマフラーを作るのに原皮の使用枚数を指定されますので、多少悪い部分があったり、今回のように劣化していても使うしかないのです。一部には申告をすれば通る場合もありますが、原皮を余計に使うということを申告するのはしずらいものです。
ただ、今回の画像のように細かく劣化していてすでに切れているものを縫い直すこともなく薄い芯のようなものを貼って製品に仕上げるというのは、やはりまずいです。使用回数にもよりますが、いずれ必ず芯が剥がれ切れた部分が毛の間から露出してきます。
私は普段は、私自身が技術者であるために、努力をしない技術者には厳しい意見が多いです。ただ、今回のこの処理をした職人さんの気持ちは、よく理解できます。私も以前、30年くらい前にはメーカーとして起業する前のことですが、独立当時は委託加工を受けて加工を専門に仕事をしていた時期があります。おそらくですが、この手のマフラーの加工賃は時給換算しても1,000円にも遠く及ばないのが想像できます。何十年も前に、国内加工会社の社長に、大量に受けているマフラーの加工賃を聞いたことがありますが、その時、彼は、 ”長澤さん、工賃なんか恥ずかしくて言えないよ” と言っていました。
よく加工を出すメーカーや問屋は、こっちだって予算がありギリギリだし大変なんだ、、、と言いますが、それでもちゃんと休みも取れて余裕を持った生活をしているところが多いはずです。中国との競争で価格競争に30年以上も前からさらされて来た国内加工屋さんにとっては大変な時代です。そんな状況にも拘わらず大量に仕事を出すから安くしろと言われて仕事を受けるしかないという状況は私にも経験があり他人事ではない気持ちになります。儲からない仕事を大量に出されたら赤字が拡大するだけなのです。そんなことも知らない無知なメーカー側が多いというのは、この業界だけではないのかもしれませんが悲しい状況です。私は今そんなメーカーや問屋からの仕事を一切していないので、どんなことでも言えますが、仕事をもらっている立場は、余程大きな規模か、技術力でもない限り弱いです。
例えば、付属代が加工賃の大きな割合を占めるストールなどでは、出す側はこれがこれまでの業界の相場だからと言って自分に都合の良い解釈と言い訳をして譲りませんが、とても理不尽なことが多かったのを記憶しています。一度大手のメーカーさんの下職をしているところに仕事をお願いしようとしたときに、職人さんが言ってたのは、そのメーカーの仕事を100%にすると食べていけないとも言っていました。それほど、職人さんにとっては厳しい現実があります。もちろん、仕事を出すほうの側にも、きっと職人さんを維持するために無理して現時点で必要のない商品を作ったりすることもあったことも認めます。そこに甘んじて必要な努力をせずにいた技術者もいたと思います。今、現在そんな関係でつながっているメーカーと技術者がいるかどうかはわかりませんが、どちらにしても難しい問題です。厳しいようですが、最終的には技術者が自分自身で解決しなければならず、誰にも頼れない問題でもあります。
話それました。毛皮加工業はとにかく厳しいのが現実です。そんな厳しい現実のなかで劣化してボロボロになったチンチラの皮をとりあえず見えないから縫わずに芯を貼って誤魔化そうとする気持ちはせつないほど私にはよくわかります。そして、苦しかった当時を思い出します。もちろん、私が同じことをやることはありません。しかし、食べるための方法の逃げ道として使った今回の処理の辛い気持ちは理解できるのです。
そんなことを独立して数年経験し、これはダメだなと思い、全ての委託加工の仕事をきっぱりと断り、であればメーカーに自分がなろうと決心し、今に至っています。しかし、過去にも私と同じように加工屋さんが少し大きくなって原皮を自分で仕入れてメーカーや問屋のようになったところがありますが、その大半が潰れています。それくらい難しいことなのです。
その後、大きな毛皮の国際見本市に出て、海外業者からイッツパーフェクト!と賞賛されたりして、加工仕事をやめて数年間、いくつかの大きな(今は倒産しましたが)呉服屋さんの展示会に出て、100着くらいのオーダーを取ったり、小売店と取引したりして、最後は、このブログでもよく書いている某百貨店毛皮サロンに常設するところまで辿り着いたのです。
おそらくですが、技術者が立ち上げた会社が、あの当時も日本一と言われていた毛皮サロンに入ったのは、そのサロンの長い歴史の中で私の会社だけだったと思います。当時もそのサロンは大きな問屋さんが競合しあっていましたから。大きな会社の方が度々サロンマネージャーに挨拶にきて常設を頼んでいたのをよく見かけました。そのサロンで当時、私が作って納めていた問屋さんが、その毛皮サロンで、ものすごい勢いで私の作るシェアードミンクコートが売れていたこともあり、その商品力は知られていて、当時その取引先が倒産したのを機に、知人を介し当時の取締役さんの紹介もあって、本店の当時の婦人服のGMにお会いしたりと、手を尽くしながら出店にたどり着きました。最終的には当時のサロンのマネージャーが素晴らしく優秀な方で、商材をよく理解してくれて引き上げてもらったことで今があります。
今はもう撤退いたしまいしたが、常設当初は、ある方に間接的に聞いた話ですが、ある問屋さんから(現在はいません)、パショーネ以上の商品をいくらコストがかかってもいいから作れ、そしてパショーネの特徴を潰せ、追い出せ、、、とすごい指示が飛んでいたらしいです。
私は、当然、怖くもなんともなく家内と笑っていました。だって作れるならとっくに他社が作れているはずですから。私が作っていたシェアードミンクは、そんな簡単に出来るものではありません。似たようなものさえ作れなかったのです。
ひとつ付け加えますが、パショーネが商品力だけで、あの日本一といわれた毛皮サロンに20年も在籍出来たわけではありません。
あの毛皮サロンは商品力だけで残れるほど甘くはなく、商品力以外にも販売員同士の熾烈な競争や量的競争、企画力など、あらゆる部分で戦いがあり、そんななかで、自分の力をしっかりと示し、そして上手く協調もし、丁寧に時には面白く顧客対応をしたりと、あらゆる努力をしてくれた、当社専務でありデザイナーでもある家内がいたからこその20年だったのです。
私はあまり自分を職人とは呼びません。どちらかというと技術者またはエンジニアのような感覚で毛皮と接しているからかもしれませんが、ひとつには過去の職人時代の辛い時期があったことも影響しているのかもしれません。それともうひとつには、昔、有名な建築家が言っていらっしゃった言葉で、システムのなかに感性をちりばめる、、というような発言があり、その言葉に何かを感じ、自分の作る作業工程のなかに数値で判断できるものはないだろうか?または各工程のなかでの作業順番を変えることで美しさの表現が変わったりするところに着目したりと、職人というよりはエンジニアのように仕事をしてきたことが今につながっています。CADもやってCGや3Ðシミュレーションソフトを使ったりと毛皮の技術者としてはかなり珍しい部類だろうと思います。
話を戻しますが、国内毛皮業界ではそれほど作るひとの立場は弱く、全てではないと思いますが、その弱い職人さんたちの上に成り立っている人たちがいるという現状が、今回のチンチラのずさんな処理を生んでいるとも言えます。私も、あ~気持ちはわかるけどな、でも買うお客様には関係のない問題だからな、、、と複雑な気持ちになります。
今現在、周りを見渡しても過去にそういう経験を強いられたメーカーや問屋の多くは今は存在しません。一時的には仕事を受けますが、あまりに理不尽なメーカーからは皆離れていき、最後には潰れています。作り手をないがしろにしてきたところはやはり最後は自分に返ってくるということの証です。
今日は、私の過去の辛い時期の話も含めて国内作り手をテーマに書きました。ただ今はネットで自分が作ったものを誰でもが売ることが出来る時代です。それぞれがそれぞれの工夫で自分の生きる道を模索できる時代です。努力すれば以前よりは報われる可能性があります。自分も含めてですが、頑張って欲しいと思います。
最後にひとつだけ、、、加工賃がどんなに安くても苦しくても、今もそうですが当時も技術開発や自身のテクニックを磨くことを止めたことはありません。技術者として、それだけは誇れます。 長澤祐一
古い商品または、高い商品の見分け方
今日はこのタイトルで書いてみます。文字数はきっと短いですが、シリーズとして書いていければと思っています。
先日、ネットで、うわっ!ずい分高いな!と思って、よく画像を見ました。裏地と毛皮の境目、いわゆる裏地をまつっている部分のところなのですが、パイピング仕立てというのが20年以上前に一時流行りましたが、そのパイピング仕立てになっていたのです。飾りっぽく仕上げる意味で効果があったためでしょう。
それ以前は三角に折った生地を重ねて繋げたものを後襟ぐりに付けて見たり、ルーシングという飾りを毛皮と裏地の境目全体に付けてみたり、さらには裏地の裾に刺繍のはいったものを使って高級感をだしたりと、いろんなことをしていました。毛皮が分からない国内のお客様に高そうに見せるためにやられていたのです。私は、最初から商品には自信があったことと、当時から軽く柔らかく仕上げることを目指していましたので30年前でもそんな仕様にすることはありませんでした。今現在では業界全体でも、ほとんど見ることはなくなりました。
話それましたが、今日のパイピング仕立てとは、同素材の裏地をバイアスにカットしてそれを半分に折り、バイアスであることの伸び縮みする自由さを生かして、コートの裏地を取り付ける部分に一周取り付けて、その丸く折られたパイピングの端3mmくらいを残して裏地をまつりつけることで、裏地をまつるのに毛が邪魔にならず簡単であったり、裏地の端がパイピングしたように見えたりすることで高級感が出た感じがするので、一時流行ったことがあったのです。100%ではないですが、このパイピング仕立てで作られているとしたら、ほぼ、10~20年以上前のものだろうと疑ってかかってもいいでしょう。画像があればいいのですが、当然うちには、そんな商品はなく、ネットで見た画像は掲載できませんので画像は許してください。
先日見たそのコートも新品で当然出ている訳ですが、そのパイピング仕立てがされていました。かなり高額でしたが。こんなものこんなにするか!と思いましたが私がどうすることも出来ませんので、ここに少しだけでも被害にあわないようブログにしてみました。
パイピング仕立ては海外、特に中国のものにも以前はたくさんありましたが、今はほとんど見ることがありません。ネットで購入される方は、どうしても現品を見ることが難しく、不安なまま購入されることになるのですが、少しでも知識があれば、業者の嘘やからくりを見抜くか、見抜けないまでも少しでも警戒、または疑問を持つことができ、業者に問い合わせしてみることが出来るはずです。そこで、いい加減な回答がくれば怪しいことが、おおよそですがわかります。残念なことですが、まともに、丁寧な回答をできる業者さんは少ないはずです。
毛皮コートも大量に過去に作られたものが売れ残り、たくさん在庫として世界中にあるはずです。そして、その在庫の古い商品をリメイクして新品で小物として出てくるものも、なかにはあると思われます。不安を煽るわけではありませんが、やはり気をつける必要があります。宝石以上に、素材や作り方が曖昧でわかりずらい分、そこにつけこんで、いい加減な業者さんも多いというか、、、というよりも知らないショップオーナーもいらっしゃるのでしょうね。ご自身が、仕入れ業者に騙されているという可能性もあるかもしれません。困ったものです。
また次回、超古いものの見分け方がありましたら、またここに記載いたします。今日は短いですがこれで終わります。 長澤祐一
今日は、他のサイトやショップにときどき見かけるお客様からの嬉しい、またはお礼のコメント、、、がありますが、それについて書いてみます。
私も、以前インスタグラムでのフォロワーからのコメントについて数回、このブログに載せました。これは、相手が確定していてインスタグラムのコメントは相手側のものは相手しかコメントできないというシステムなので、私が勝手に書くことはできませんので、ブログに載せてもいいかと判断して載せてみました。
しかし、よくサイトに見かけるコメントは、お相手が、例えば、何々県、30歳女性、、とか確定しない人の意見として、 仕上がりが素敵でした、、、とかが良く載っています。例えば、よくオンラインショップにあるコメントも、場合によっては、ショップ側が書くことが出来ることがあることを以前知りました。全てのショップがそれが出来るわけではないのでしょうが、以前、ミシン屋さんの店長とやり取りしていて、この文をコメントとして使っても良いですか?と言われて実際に掲載されたことがあります。私が直接コメントしてないのです。
でも、これではお客様からのコメントの信頼性なんかなくなりますね。私も驚きましたが、現実にあった話です。
これ以外にも、ホームページにもよく、お客様からの言葉として掲載されていることがありますが、これを載せて、私のところはお客様からすごく喜んでいただいていますというような意味合いで、勝手に書くことができる、そんな言葉に信憑性が担保できるのだろうかと思ってしまいます。
いつものごとくですが、私のところでは意地でも、そんな勝手に書くことができる、お客様からの言葉なんて、ここに載せることはありません。これまで私が書いてきたことの価値がなくなってしまいます。
万が一、そんな言葉をここに載せたなら、仮に本当の、頂いた嬉しい言葉だったとしても、せっかく頂いた大切な言葉をショップやサイトのPRに使ってしまったら私にとっては大変なことになります。商品やサービスの提供で頂いた言葉は大切に自分のなかにしまっておきます。
アピール下手と言えばそれまでですが、そんなメーカーだからこそと問い合わせしてくださるお客様がいて、それで十分なのです。どちらにしても大量に商材を提供するわけでもなく、大量なサービスが出来るわけでもありません。逆に言うと限られたひとのための限られた商材でありサービスです。それでいいと思っています。
私は、このブログやオンラインショップを設計するときに私なら絶対に何度も同じものを読む、そして絶対にここで買う、そんなブログやショップを作りたくて今に至っています。
時に、ブランド力に大きく水を開けられ(当たり前のことなのですが 💦)、悔しい思いをします。しかし、それでもいつか買っていただいたお客様が誇りをもって商品を使うことが出来る、そんな時が必ず来ると信じています。その為のこのブログです。動画がいくら良いと言われてもこのブログにこだわる理由はそこにあります。
いつも生意気なことを書いていますが、これを書くだけの商品とサービスを実際に提供しています。そして、作ることに対しての失敗も成功も積み上げています。今日はここで終わります。 次回は、毛皮のことを何か見つけて書こうとおもいます。 長澤祐一