毛皮のリフォーム前のクリーニング


Fur_Cleaning

今日は毛皮のリフォーム前のクリーニングについて、もう少し具体的に書いてみます。

上の画像を見てもらうと解りますが、溶剤で丸洗いして出た汚れです。これだけ汚れているということになります。

業者関係者が見て誤解を生まないよう書きますが、回収設備のいるパークと専門的に呼ばれている溶剤ではありません。一般に市販されている溶剤を使っています。もちろん中国でいまだに使われているのではないかと疑われているフッ素(フロン系)溶剤でも、ありません。 (さらに…)

レットアウト


レット・アウト(let-out)

今日はPFAFF3560レットアウトミシンで縫った、毛皮コートの裏側をお見せいたします。

一般のかたのなかにも毛皮の裾がフラシ仕様(裏地の裾が閉じられていない仕様)になっている場合には、毛皮の裏の縫い目をみたことのあるかたがいらっしゃるかもしれませんね。

後日、理論的なことは書きますが、今日は裏の縫い目を見てください。(細い線すべてが縫い目です)

今日は見てもらうだけで、たいした説明はありませんが、よく、お客様のなかで、裏が見えるようになっているのが、お値段の高いコートだというような認識がありますが、それは間違いです。 (さらに…)

ラインを太くする方法

ラインを太くする方法として、メスの3サイズくらいのものを二枚で一つのラインにする方法があります。ですから、販売の現場で、少し毛皮の方法を知っているひとは大きいサイズを使わなくても出来ると言うかもしれません。しかし、それは原皮を足すと言うことが、どれほど難しいかを知らないからなのです。

セーブルはよく、頭から前足のクロスという部分まで落として、もう一枚の原皮のお尻部分の下に足すという方法があります。ミンクも毛の長いものや色の濃いものはやることがあります。 (さらに…)

ブルーアイリスミンクのオーダーメイド(作りの部分)

今回は作りの部分にも少し触れていきましょう。今回の問題点は、メスといえども、オスと同じくらいになると、毛質はメスの柔らかさを持っていても、皮はさすがに2~3サイズと比べると厚くなり、そのまま仕上げたのではオスの0サイズを使ったような重い仕上がりになってしまいます。

当然、私が通常やる再なめしということも考えたのですが、再なめしによって、ブルーアイリスにわずかにかけたブルーイングという青味をつけた色がなめしによって必ず落ちてしまい、しかも、均一に落ちれば再度ブルーインをすればいいのですが、落ち方が均一じゃない場合は、せっかくマッチングして選びこんだ材料の色がバラバラになりかねません。そのために再なめしは諦めることにしました。

しかし、このままでは必ず重い仕上がりになってしまいます。 (さらに…)

毛皮の毛先

今日は毛皮の毛先について書いてみます。先日のブログで回転アイロンを使ってシェアードやプラクトミンクがとても綺麗になることを書きましたが、アトリエではミンクやセーブルのような繊細な刺し毛をもつ毛皮は回転アイロンをかけません。その理由は、回転アイロンによって、わずかですが刺し毛の先が切れてしまうからです。

ビーバーやヌートリア、またはその他、刺し毛が硬く太いものは、そう気にすることはありませんが、ミンクやセーブルの刺し毛は繊細ですのでローリングアイロンはかけることは一切いたしません。以前にローリングアイロンを買ったばかりのときに何度かかけて毛先を切ったことがあるので、その後はかけておりません。

弊社アトリエで使っている回転アイロンの刃先はすでに仕上用として丸く削り磨いてありますが、 (さらに…)